ハイテク技術が時代劇を救う!? 発見に満ちた『スローな武士にしてくれ』

3月23日(土)20時42分 オリコン

3月23日放送、NHK・BSプレミアム『スローな武士にしてくれ~京都 撮影所ラプソディー~』超ハイテク技術で時代劇撮影に挑んだ大部屋俳優のシゲちゃん(内野聖陽) (C)NHK

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 NHK・BSプレミアムで23日、ドラマ『スローな武士にしてくれ〜京都 撮影所ラプソディー〜』(後9:00〜10:59)が放送される。360度、全方位ぶれずに撮影できるマシンを使ったワンカット13人斬りをやってみたり、池田屋の階段落ちをワイヤーアクションで演出してみたり…。時代劇を“ハイテク技術”を使って撮影したらどうなるか、その舞台裏を描く。ハイテク技術を使うと、時代劇がより魅力的に、かっこよく見えるという発見に満ちたドラマだ。

 物語は、ある日、京都の歴史ある撮影所に、NHKから「最新鋭の技術を駆使して、池田屋事件をドラマにしたい」という依頼が舞い込むところから始まる。撮影にあたるのは、ハイテクとは無縁の高齢スタッフばかり。新技術の撮影現場に売れっ子俳優を起用すると面倒なことになりかねない、と白羽の矢が立ったのが、切られ役専門の大部屋俳優・シゲちゃんこと村田茂雄(内野聖陽)だった。

 殺陣は超一流なのだが、満足にせりふが言えないのが玉にキズというか、致命的なシゲちゃんが、新選組の近藤勇役に抜てきされて七転八倒。撮影現場の老練スタッフたちも慣れない最新鋭の撮影機材に悪戦苦闘する。シゲちゃんと活動屋たちは、試練を乗り越えることができるのか?というストーリー。

 劇中、柄本佑が演じる時代劇オタクのNHK技術者・田所のせりふに「最新のハイテク機材でコテコテの時代劇を撮る。それが僕の夢だった」というのがあるだが、それは本作の脚本と演出を担当した源孝志氏自身の“夢”だったそう。

 タイトルも秀逸で、ある年齢層には、片岡義男氏の小説、あるいはそれを原作とした映画、あるいは南佳孝による主題歌の歌い出し「♪I want you〜」を思い出すかもしれないが、さまざまなシーンをハイスピードカメラで撮影しており、スローモーションが効果的に使われている。

 水の入ったゴム製の袋(水枕)めがけて刀を一振りした瞬間を最新鋭ハイスピードカメラで撮影し、斬り裂かれた袋から飛び出す水、飛び散る水しぶきの一つひとつをスーパースローモーションで鮮明に見せる、人間の動体視力を超えた世界。ワンカット13人斬りのシーンでは、殺陣師たちの達人の技を流れるようなスローで見ることもできるのだ。

 ドローンカメラを使って撮影しているところをドローンカメラで撮影した映像や、劇中には登場しないが、60メートルほどのケーブルにカメラを付けて走らせたロープカムや、時速30〜40キロほど出るラジコンカメラの映像も使われているそう。

 クライマックスの池田屋の階段落ちは、近藤勇(内野)も落下するという前代未聞の展開で、ワイヤーアクションで熟練カメラマンの武藤幸四郎(本田博太郎)も一緒に落下しながら撮影した空前絶後(かもしれない)の映像が楽しめる。

 黒澤明監督の映画『七人の侍』や『用心棒』など、日本を代表する文化の一つとして世界で認められている時代劇。近年、映画やドラマの制作が減り、撮影所で働く人たちの世代交代も進まず、技術の伝承もままならない、このまま衰退の一途をたどるのかと心配されいる時代劇だが、このドラマでにわかに希望が湧いてきた。ハイテク技術が、新時代の時代劇の可能性を広げてくれるに違いない。

オリコン

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