30歳独女の甘い空想、not真実! 二度と見たくないドラマ『東京タラレバ娘』/最終回レビュー

3月24日(金)0時0分 messy

『東京タラレバ娘』公式Instagramより

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 ドラマ『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)が22日に最終回を迎えました。原作はバカ売れだし、初回放送前から話題だし、何より“30歳、独身、彼氏なしの「タラレバ女」たちの厳しい現実、だけど真実”“女子のリアルが刺さりまくり! 共感度100%の水ドラ”というコピーに釣られて「このドラマ担当します」と言っちゃったんです。そんな自分を悔やむ結末となりました。

 先週、彼氏・早坂さん(鈴木亮平)の約束を「腹痛」と嘘を付いてドタキャンし、弱ったKEY(坂口健太郎)を家に泊めた倫子(吉高由里子)。確実にKEYのことが好きなのに、「あれは人助けだった」と自分にも嘘をついて、早坂さんと同棲する物件を決めました。

 しかし、早坂さんは倫子のKEYへの気持ちに気づきます。そして、入居手続き用紙を記入する際、早坂さんは泣きながら「気持ちに蓋をすることも嘘じゃないか。僕はね、それでもいいから一緒にいたいって思ったんだ。でもやっぱりそれは無理だ。このまま倫子さんの気持ちに気づかないフリして付き合ってタラ、きっと後悔する。あの時ちゃんと向き合ってレバって。僕はタラレバ男にはなりたくない」と同棲も交際も破談に。

 “結婚したい30歳のリアル”は、かっこ良くてほっとけなくて気になる男がいようが、俄然早坂さんでしょうが。この人を傷付けたらアカンでしょうが。この期に及んで「KEYのこと好きだけど安全安心な早坂さんと同棲しよう」とする倫子、それなのに“早坂さんに隠し通せない爪の甘さ”、どっちもイライラ。

 香(榮倉奈々)だってそう。30万円払って入会した結婚相談所をやっとこ利用し始めて良い人に出会ったのですが、「会ってみたら背が高い」と振られ、「気合い入れてハイヒール履かなきゃよかった〜」って悔やんでいるところに、鬼畜元彼・涼ちゃん(平岡祐太)登場。

「俺、やっぱ香じゃなきゃダメだ。もう一回ちゃんと付き合いたい。リナ(香と二股していたモデルの彼女)とは別れた。他の女のアドレスも全部消した。俺、ずっと香に甘えて、いつの間にか香がいるのが当たり前になってた。でも当たり前じゃなかった。香がいないとメシはまずいしテレビ見ててもつまんないんだ。俺、香と一緒にいたい!」

 これに対し、香は「無理。女好きは科学でも治せないんだって」と拒否したんですけど、数秒後には「でも、考えとく」とニッコリ。その上、倫子と小雪(大島優子)には「もしかしたら変わるかもしれないし、ダメかもしれないし。時間かけて見ていこうかなって。涼ちゃんのことちゃんと見れるの、私しかいないと思うから」とものすごく前向きに検討してるんですよ。

 ちょちょちょっ。“結婚したい30歳のリアル”は、結婚相談所のデータの注意事項に身長を太字で記入するんじゃないの? というか、相談所だってそれくらいやってくれるでしょ。嘘が付けないでお馴染みの涼ちゃんが「ごめん香! 変われなかったわ!」って笑いながら浮気する姿しか浮かびませんけども。



 ドラマの最後は、1カ月後のまみちゃん(石川恋)結婚式で、映画撮影で旭川にこもっていたKEYと倫子が再会し、一層リアルとは無縁の展開に。

倫子「久しぶり。呑んべえのおじさんたち寂しがってたよ、いつ来るのかなって……私も」
KEY「えっ」
倫子「早く帰ってこないかなって思ってた」
KEY「何で?」
倫子「アンタに言いたいことあったから」
KEY「何?」
倫子「私、早坂さんと別れた。私、アンタのこと好きだわ。はあ〜、やっと言えた。じゃあね」
KEY「あのさ、俺もアンタのこと好きかも」
倫子「えっ」
KEY「……って言ったらどうする? 考えといて、タラレバさん」
倫子「待ちなさいよ! タラレバさんって名前じゃないから」
——ニッコリ笑い合う2人——

 厳しい現実、だけど真実? 甘い空想、ただの虚偽でしょ。挙げ句、倫子、香、小雪で道を歩きながら「旦那や彼氏がいてもいなくても、東京オリンピック3人で見ない?」「いいね〜」と笑い、「女の幸せ掴むとか誰かに幸せにしてもらうとか」「そんなの間違ってる」「幸せって何なのか、それは人の数だけ答えはある。幸せは自分が決めるものだ」という倫子のナレーションで終了します。

 うん、3人でオリンピック観賞なんて絶対楽しいと思うんですよ。というか、3人が最終回で気付いた「男いない、仕事ない、ってアンタたちとタラレバ言ってた時も、別に不幸じゃなくて結構楽しくて、案外幸せ」って、「案外」どころかすごい幸せな時間ですからね!「第4出動!」なんてLINEひとつで、いつ何時も仲良し3人が集まってお酒が飲めるなんて、最高の環境ですよ。そんなことも30歳になるまで気づけなかったなんておかしいでしょうよ。ひょっとしてですけど、作者は男がいないと生きていけない恋愛至上主義で、友達のいない(というか、友達が離れていったタイプの)人なのでしょうか。

 そして、恋愛ドラマや少女漫画としては、倫子とKEY、香と涼ちゃんの関係も別に良いんです。でも、“30歳、独身、彼氏なしの「タラレバ女」たちの厳しい現実、だけど真実”ではありません。現実の30歳は、割り切れるところは割り切って、良い塩梅の選択をしてたくましく生きています。いずれにせよ、ドラマスタート前は「原作のイメージとキャストが違う!」と叩かれてましたが、蓋を開ければ演者には何も問題はなく、脚本に違和感だらけ。二度と見たくないドラマでした。

(ドラマウォッチ:ナチョス)

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