朝日新聞「何でも嫌韓こじつけ」ストーリーを2例紹介

3月24日(土)7時0分 NEWSポストセブン

朝日新聞社には反省の色なし AFLO

写真を拡大

 日韓関係好転のカギを握るのは両国の外交姿勢だろうか。それとも国民感情だろうか。いずれにしても、客観的事実を伝える報道機関の役割と責任は重い。ところが、日本の朝日新聞は自らの責任を顧みることなく韓国に関して相も変わらぬ報道を続けている。朝日新聞OBのジャーナリスト、前川惠司氏が苦言を呈する。


 * * *

〈嫌韓 共催W杯が刺激した〉


 今年1月16日の朝日新聞に載った記事の見出しだ。2002年の日韓共催、サッカーワールドカップ(W杯)を韓国で観戦した日本人男性が、日本代表にブーイングする韓国人や韓国代表のラフプレーに失望して〈韓国の印象が悪く〉なり、「嫌韓」感情を抱いたと紹介している。


 続けて、現在の日本に広まる嫌韓ムードに触れ、〈1998年の小渕恵三首相と金大中大統領による日韓共同宣言の流れの中で開かれた2002年W杯だったが、こうした「嫌韓派」が増えるきっかけになったという見方がある〉と書いている。


 これはこじつけだ。今の嫌韓感情は、2008年に大統領に就任した李明博と続く朴槿恵の慰安婦問題などの「反日」焚き付けへの反発からだ。今年2月の平昌五輪に絡めて、韓国のメガイベントが日本人の嫌韓感情を刺激し増幅させるという「ストーリー」に合わせるためにW杯騒ぎをこじつけた、典型的なひっかけ記事と言われても仕方ない。


 この手の“何でも嫌韓こじつけ”には前例がある。2014年6月17日の〈「嫌中憎韓」ブーム 出版界から「これでいいの?」〉という「嫌中憎韓」現象を批判する記事だ。〈今年上半期、新書・ノンフィクション部門の週間ベストセラー(トーハン)には両国をテーマにした本が7冊、トップ10入りした〉とある。


 上半期ベストセラーのトップ10のうち7冊が嫌中憎韓の関連書籍だったと思ってしまう。事実は上半期(全24週)の各週で「ベストテン」入りした累計240冊の中に、嫌中憎韓本が7タイトルあったということなのだ。上半期トータルでトップ10に入ったのは、室谷克実氏の『呆韓論』のみだ。これでは「事実報道」とは言い難い。「1週でもランクインしたものが7冊あった、の誤りでした。お詫びします」の訂正記事は出しているのだろうか。


【PROFILE】前川惠司●1946年東京生まれ。慶應義塾大学卒業。1971年、朝日新聞入社。週刊朝日、外報部、ソウル特派員、記事審査部次長などを経て、現在はジャーナリストとして活動。著書に『「慰安婦虚報」の真実』(小学館)、『交わらないから面白い日韓の常識』(祥伝社新書)などがある。


※SAPIO2018年3・4月号

NEWSポストセブン

「朝日新聞」をもっと詳しく

「朝日新聞」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ