加藤雅也、『まんぷく』で見せた「面白おじさん」の進化

3月27日(水)7時0分 NEWSポストセブン

ぺりーおぎ


 NHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』。この半年間。ヒロインの安藤サクラをはじめ、さまざまな役者がこのドラマを支えてきたが、注目を集めた1人は喫茶店の店主・川上アキラを演じた加藤雅也である。もともとはイケメン枠でデビューした加藤の役者としての変貌ぶりについてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。


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 そんなわけで、いよいよ大詰めの朝ドラ『まんぷく』。ドラマでは、カップ麺「まんぷくヌードル」が完成したが、もうひとつ、このドラマで「完成した」と感じるのは、「加藤雅也の面白おじさん」である。


『まんぷく』で加藤が演じるのは、家計が苦しい時期に主人公の福子(安藤サクラ)が働いていた喫茶店「パーラー白薔薇」の店主・川上アキラ。若いころは俳優を目指していたが、関西弁にこだわりすぎて芽が出ず、元女優の妻・しのぶ(牧瀬里穂)とともに店を開いたというアキラの特技(?)は、「サンキューベリマッチや!」など変な英語とものごとをややこしくするアドバイス。


 福子の母がやっと退院してほっとしたところに「いや…うちに帰っても安心はできん」などと不安をかきたてるようなことを言い続け、しのぶから「また縁起でもないことを!」とにらまれる。アキラのノリは完全に関西の面白いおっちゃん。アキラとしのぶは、夫婦漫才みたいだ。

 

 近年の加藤雅也だけを見ている人には、『アンフェア』でド派手なベストを着た検視官・三上薫や映画『真田十勇士』で外見は立派なのに実は腰抜けの真田幸村など、もともと面白おじさん路線一筋の俳優だと思われそうだが、実際は、彼は30年で激変した俳優といえる。


 もともと1988年、モデルとして『メンズノンノ』創刊号にも登場、俳優デビューした当時の路線は、もちろんイケメンにつぐイケメンである。犬好きピープルの涙をしぼった映画『マリリンに逢いたい』(1988年)は、愛する彼女犬に会うため、沖縄の海を毎日3キロも泳いで渡ったというワンコの物語だったが、その青い海と空をバックに白いシャツとジーンズ、スニーカーで爽やかな笑顔を見せていたのが、加藤雅也だった。(当時の芸名は加藤昌也)。


 その後、アクションやコメディー、オリジナルビデオ『実録・広島四代目』など、幅広く出演。2003年には「Vシネ大賞」も受賞している。15年くらい前は、アウトロー路線なのだと思っていた。そこからトーク番組など、素顔が出る出演が増え、気がつけば、『秘密のケンミンSHOW』で、出身地・奈良の話を熱く語る関西弁ネイティブの面白おじさんに。私はご本人に取材したことがあるが、イメージはまさにこのまんま。それだけに白髪まじりのナチュラルな表情の「白薔薇」のアキラは、加藤雅也進化過程のひとつの完成形に見える。


 思えば80年代後期、バブル時期のイケメンは、映画『はいからさんが通る』の阿部寛が数々の変人役で大成し、映画『彼のオートバイ、彼女の島』の竹内力が強面方面で独自の路線を開拓するなど、方向転換で成功している。どちらも基本は面白おじさんである。


 次作の朝ドラ『なつぞら』には、70年代のイケメンにして元祖面白おじさん路線を開拓した草刈正雄が出演する。予告編で見た、よれた帽子にヒゲの草刈正雄は、「ちびまる子ちゃん」の佐々木のじいさんみたいだったが、面白おじさんとして、まだ進化しそうな気配もある。さすがだ、先輩…。加藤雅也のおっちゃんも完成形というには、まだまだ早いのかもしれない。観察を続けます。

NEWSポストセブン

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