『オールスター感謝祭』現場スタッフが語る舞台裏…大規模特番ならではの「お祭り感」と「緊張感」
2025年3月29日(土)7時0分 マイナビニュース
従来より1時間拡大して過去最長の6時間半にわたり生放送されるTBS系の名物大型バラエティ特番『オールスター感謝祭’25春』(29日17:40〜)。91年秋にスタートし、67回目を迎えるこの番組は、同局の人気番組・新番組の出演者が一堂に会するのと同様に、裏方では様々なレギュラー番組を担当するスタッフたちが集結している。
その中で23年秋の放送から参加するのは、『マツコの知らない世界』を担当する制作会社・UNITED PRODUCTIONSの面々。準備や本番の様子など、知られざる舞台裏を語ってもらった——。
○オフショット撮影は「メンタルの強さが必要」
TBSの看板番組からのオファーに、「本当に誰もが知ってる番組なので、うれしかったです!」と喜びを振り返るのは、AP(アシスタントプロデューサー)の山根知之氏。全体チーフADとして佐久間雅貴氏、イベントチーフ・フロアADとして加賀瑞季氏、SNSディレクターとして三谷彌姫氏に声をかけて参加することになった。
クイズだけでなく、「赤坂5丁目ミニマラソン」「プレッシャーアーチェリー」などイベント企画も名物の同番組。加賀氏は「イベントチーフとして、担当班から企画に必要な衣装・美術品や、全体に必要な備品などを取りまとめて資料を作るのですが、都度変更もあるので、毎度結構大変だなと思います」と打ち明ける。
生放送中には番組公式X(Twitter)で、出演者のオフショットを次々に公開。「ドラマチームやスポーツ選手などの写真は絶対にSNSに上げたい」という番組プロデューサーからの要望を受け、三谷氏は「全員がそろうわずかなタイミングでサッと写真を撮らなきゃいけないので、意外とメンタルの強さが必要でした。グイグイ撮りにいったので“こんなに撮れてすごい”とプロデューサーが褒めてくれました(笑)」と裏側のさらに裏側での闘いを振り返った。
最近は生放送でのドッキリというチャレンジングな企画も敢行。TBS局外の中華料理店から中継することになった際は、「1人で5〜6軒ロケハンに行き、2個ぐらいに絞り、総合演出に見てもらう。決まってからも技術ロケハン、美術ロケハンとなどもあり、決定までに2カ月ぐらいかかりました」(佐久間氏)と厳しいプロセスを経て選ばれた。この決定後も、「当日までに準備することが多く、時間もかかって一番大変でした」という。
○水を配る際は「皆さん降りて来てください!」
全スタッフで約200人という大所帯の番組だが、佐久間氏は「緊張感やピリついたりすることはなく、現場は意外と和やかで文化祭のようなお祭り感があります」と雰囲気を紹介。一方で加賀氏は「レギュラーでついてる番組より『感謝祭』のほうがたくさんの演者さんが目の前にいらっしゃるし、自分の役割も多かったので緊張しました」と吐露する。
クイズの入力パッド機器は水に弱く、出演者が座席に水を持ち込もうとするとMCの島崎和歌子が本番中でも本気で注意する光景がおなじみだ。機械トラブルが起きると番組の進行がストップしてしまうため、ここは制作側も緊張感を持って注意しているそうで、スタッフがCM中に出演者に水を配る際は「皆さん降りて来てください!」「上(座席)まで持っていけません!」と声かけをしている。
関わる人数が多いため、普段の番組に比べてコミュニケーションが重要に。加賀氏は「音声さんとかと仲良くなったり、毎回知り合いを増やせるように心がけています。そうすると当日助けてくれる人が多くなるので、自分の課題にして頑張っています!」と意識しているそうだ。
また、生放送において下準備がいかに大事であるかも実感。三谷氏は「クイズの編集も関わっていたのですが、クイズは『正ピリオド(絶対に出すVTR)』と『補ピリオド(予備のVTR)』があり、全てのクイズに予備を作っていました。生放送は尺が短いのが一番ダメなので、念入りに準備をしているんだなと感じました」と糧になった。
ちなみに、24年春と秋のスタッフTシャツは、芸人・やす子がデザインを担当。色やパーツをどう配置するかはADで投票を取るなどして決めることから、それを着て臨む本番はより身が入りそうだ。さらに、本番当日には有名焼肉店「叙々苑」の弁当が振る舞われるといい、スタッフたちのモチベーション向上に寄与しているようだ。