“地方政界のドン”次々引退 統一地方選や参院選で波乱も

3月30日(土)7時0分 NEWSポストセブン

内田茂・元東京都議(時事通信フォト)

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 4月に行なわれる統一地方選を前に、永田町が慌ただしい。政権中枢にいる議員らの発言ばかりが逐一取り上げられているが、趨勢を決める“鶴の一声”は実は地方から発せられる。


 東京都議会では連日、自民党が小池都政を追及して大紛糾しているが、かつて「都議会のドン」と呼ばれた内田茂・元東京都議(80)が“影の司令塔”として存在感を強めているという。


「地方のドン」は他にもいるが、そうした大物地方議員にとって、統一地方選は書き入れ時だ。彼らがドンへとのぼる階段は、自分の手で知事をつくり出すこと。


 例えば、当選9回を数える愛知県議会の実力者、水野富夫・県議(69)は大村秀章・知事をバックアップし、神奈川では、小泉純一郎・進次郎父子を支えてきた横須賀選出の竹内英明・県議(68)が黒岩祐治・知事を擁立することで「県議会のドン」にのしあがった。


 その一方で、今回の統一地方選では、各地でドンの引退が相次ぐ。「竹下王国」と呼ばれる島根では、竹下登・元首相の時代から“国家老”として県政を仕切ってきた浅野俊雄・県議(88)が引退する。その途端に、“クーデター”が勃発した。


 元首相の実弟で県連会長の竹下亘・前自民党総務会長が知事選に元消防庁次長を擁立したのに対し、竹下系県議14人が別の総務官僚を担いで造反したのである。県議の1人はこう突きつけている。


「都会と地方の格差の中で、地方出身の国会議員が必死に地方を守る姿勢を見せてくれない。島根県をわかった者が考えてやるべきだ」


 島根の自民党国会議員には竹下氏、最大派閥の細田派会長である細田博之・元官房長官という2人の派閥領袖に加えて、“参院のドン”と呼ばれて引退後も国政に影響力を持つ青木幹雄・元自民党参院議員会長という実力者がいるが、県議たちの造反を抑えることができない。


 ポスト安倍候補、岸田文雄・政調会長が長く県連会長を務めていた広島でも、県政重鎮の引退で夏の参院選がキナ臭くなってきた。


 改選数2の広島選挙区は岸田派大幹部の溝手顕正氏が改選を迎えるが、党本部は河井克行・首相補佐官の妻で県議の河井案里氏を「2人目の候補者」として擁立する方針を固めた。


「広島には新旧2人のドンがいる。岸田氏の後見人的存在である林正夫・県議(78)が引退を決めると、そのライバルで非主流派に追いやられていたかつてのドンの檜山俊宏・県議(74)が力を盛り返してきた。参院選に出る河井案里は檜山派だから、岸田さんも出馬を止めることができない」(自民党市議)


 島根でも広島でも、自民党の大物議員たちは、地元のドンがいなくなると地元議員のコントロールを失って選挙を仕切ることさえできずに右往左往している。


※週刊ポスト2019年4月5日号

NEWSポストセブン

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