ロッテ・高部瑛斗、“野球人生”を救った2曲のレゲエナンバー「音楽の力、大きいです」【千葉ロッテ×オリコン Vol.1】
2025年4月1日(火)7時0分 オリコン
千葉ロッテマリーンズ・高部瑛斗 写真/球団提供
■「初めて買ったCD」の質問に衝撃の回答「もうそっちの世代になってたんで(笑)」
——そもそも、普段どんな音楽を聴かれますか?
【高部】ジャンル問わず全体的に音楽は好きですね。今流れてる曲も聴きますけど、そんなに長い期間ハマるってことは、あまりなくて。昔の曲の方が聴き心地がよくてずっと聴いてる感じです。
——昔の曲というと?
【高部】サザンオールスターズさんとか、桑田佳祐さん。自分の母とか父が、車の中で流していて、そういう曲が懐かしいなと思ったりとか。あと、倖田來未さんとかも。おかん、めっちゃ好きだったんで。おかんの趣味がバレそうですね(笑)。
——音楽の情報はどうやって入手してますか?
【高部】植田将太や、安田(尚憲)、池田(来翔)あたりはサザンとかミスチル(Mr.Children)とか、自分たちの生まれ年くらいの90年代のヒット曲が好きで話をしたりしますね。あとは、練習中に流れてて「お、この曲いいな」みたいなこともありますし、自分のチームや他球団の選手が登場曲にしてて、いいなって思うことも多いです。
——他球団の選手の登場曲も聴かれてるんですね。
【高部】そうですね。意外と守備中も歌ってますしね。結構口ずさんだりします。たまに『パテレ』(パ・リーグTV)で抜かれている人もいます(笑)。
——守っていて、投手の登場曲で印象的な曲は誰の曲ですか?
【高部】そうですね…やっぱ益田(直也)さんの曲(Don Omar「Danza Kuduro ft.Lucenzo」)は、(この曲が流れると)益田さんっていうイメージがすごすぎて、印象深いですね。最初に『ピピピピ』って鳴るんですけど、それを聴くとお客さんも盛り上がりますし、「(最終回)きたわー」って感じになります。
——ちなみに、「初めて買ったCD」は?
【高部】GReeeeN(現GRe4N BOYZ)さんですね。あっ、でも買ったんじゃなくて借りました。それでiPodに入れた記憶があります。
——CDを買わない世代ですね。
【高部】もうそっちの世代になってたんで(笑)。借りて、パソコンに入れてそこから落として…。一番最初はGReeeeNでしたね。曲は「キセキ」とかだったと思います。子どものころに野球の塾に通ってたんですけど、その道中が長かったので、聴いてました。当時は深く理解していたわけではないんですけど、リズムとか心地よく聴いてましたね。
■現在の登場曲に隠された秘話「野球人生が終わるまでこれでいこうと思ってます」
——ちなみに試合の前に聴く曲は決まっていたりしますか?
【高部】あんまり決まってないんですけど、なんて言うんすかね、日本語すぎると、入ってきすぎちゃうんで、あえて洋楽とか聴くようにしてます。歌詞が入ってきすぎると、言葉に集中しすぎてしまうというか…。あえて歌詞に入り込まない、意味がわからないような曲が心地よかったりしますね。もちろん、日本語の曲も聴くんですけど。どちらかというと、メロディーをじっくり聴いて落ち着きたいというのがあります。
——なるほど、試合への集中力を高めていくためですね。
【高部】繊細すぎるのかもしれないですけど。調子がいい時とか、あんまり気にならないですけど、自分が不安定な時って、結構気にしすぎちゃうんで。
——試合に勝った時、負けた時、活躍した時、失敗した時、それぞれの後で聴く曲を変えたり?
【高部】いや、それは変えないようにしてます。あんまり差をつけないように。良くても別に、悪くても別に、みたいな。波を作らない。常にこう、一定でいたい自分がいます。絶対に(調子は)上下はするんですけど、常に真ん中にいれるように。良かったら抑えて、悪かったらあげていきたいというか。ペナントレースは長いし、いいことばっかりじゃないので、一喜一憂しすぎないように。
——長いペナントレースを乗り切る秘訣はそこにあるんですね。高部さんというとレゲエシンガー・寿君が歌う「Believe in myself」を登場曲にされていますが、この曲にはどういったこだわりがあるのですか?
【高部】プロ3年目(2022年)から使わせてもらっているんですが、もともとは、高校時代の友達が教えてくれた曲です。高校2年生の時、弟が病気になったんですけど、その時に結構メンタルが限界にきていて。その時に友達が「この曲、俺いいと思う」って言って、一緒に聴いて。そこから寿君のファンになって、いろんな曲を聴いたんですけど、この1曲がすごい僕の中に残ってて。当時の境遇に合ってるというか、(歌詞が)僕のなんか人生に似てるんじゃないかというか、勝手に照らし合わせて。
——つらい境遇を励ました楽曲だったんですね。
【高部】はい。でも自分の中で大切な曲すぎて、プロ1、2年目は使わなかったんですけど、やっぱ活躍できなくて、「もうここでクビになるかもしれないな」と思ってこの曲にしたら、その年ブレイク(盗塁王・ゴールデングラブ賞獲得)できて。僕の中では今でもすごく大切にしてる曲ですね。
——この曲を聴いてバッターボックスに向かうと、背中を押される感覚に?
【高部】はい、入りやすい気がします。頑張ろうというか、力が湧き立つ感じにはなります。
——昨年7月にはZOZOマリンスタジアムで、寿君が生歌を披露してくれました。
【高部】めちゃめちゃ感動しましたね。絶対に会えないと思ってた人じゃないですか。高校時代の自分から考えたら、その人が目の前で歌ってて、僕にエールを送ってくれたりとか(考えられない)。レゲエのアーティストなので夏が本番じゃないですか。シーズン中なので、ライブもまだ行けてなくて。またマリンで歌ってるというのも特別な感じでした。
——今年もこの曲の予定ですか?
【高部】もちろんです。僕はもう野球人生が終わるまでこれでいこうと思ってます。もう変える気はないです。
■23年、ケガ中に励まされた楽曲の存在「リハビリや、トレーニング中もずっとかけてました」
——もう1曲、ご自身の“野球人生”を支えられた曲があるとお伺いしました。ブレイクした翌年にケガの影響で、1軍出場がなかった時に励まされた曲だと…。
【高部】はい。これも友達に教えてもらったんですけど、HACNAMATADAさんの「笑ってりゃいいじゃない feat Jr.Santa」という曲です。この曲もレゲエですね。「別に良くないことがあっても、大したことないでしょう」みたいな、「笑っとけよ」「きっと良くなるでしょう」みたいな前向きな言葉が並んだ曲なんです。
——深刻になりすぎずに、物事をポジティブにとらえた楽曲ですね。
【高部】そうです。「別に自分なんてそんなきつくないよね」「周りに比べてもそんなに“悲劇のヒロイン”じゃないよね」みたいな感じで。(ケガをした)今はきついけど、長い人生考えたら、別にそんなきつくないんじゃないかって思えました。実際はきつかったですけど(笑)。でも今思ったら、別にそんな大したこともないですし。
——音楽の力は大きかった?
【高部】大きいですね。やっぱ曲を聴く回数も増えてましたし。なんか、いつもだったらバラエティーを見たり、ドラマを見たりとかしてた時間も、音楽を聴いてた時の方が多かったイメージがあります。リハビリや、トレーニング中もずっとかけてました。
——「曲の力」という意味で言うと、ロッテには12球団イチの応援団による応援歌もありますもんね。
【高部】応援歌の存在、大きいっすね。「声でっか」と思いますもんね(笑)。ビジターに行っても、相手の応援を飲み込むときも全然ありますし。この間(オープン戦最後)の東京ドームとかも、まさに。
【千葉ロッテ広報】東京ドームでのジャイアンツ戦で、巨人ファンのライデルコールを、ロッテファンの高部コールが上回ったって話題になってました。
——思い入れの深い登場曲と応援歌を背に、今シーズンも打席に向かうわけですね。
【高部】そうですね。曲の鳴り出しとかで、このタイミングで歩いていって、このタイミングで素振りしてみたいな、自分の中でもリズムが決まってて。歌に沿って打席に入ってるみたいな感じだと思うんすよね。心地いい流れができてるんですよね。
——では最後に野球の話を。今シーズンの目標を教えてください。
【高部】そうですね。チームもすごい大事ですけど、まず僕自身が活躍することがチームのためになると思うので、まずは試合に出続けること。143試合近くしっかり出続けることと、その中で全てをやらなきゃいけないタイプなんで。打率であったら3割、ヒットであったら試合数以上、盗塁数は40個した年を超えられるようにやんなきゃいけない。あとゴールデングラブ賞も目指して、守備の面でも貢献したい。全ての面でハイパフォーマンスをすることが目標ですし、そうするためには、今ケガをしたらその土俵にも立てないので。しっかり自分を奮い立たせられるように、自分に厳しくやりたいなと思ってます。