ファッション界のレジェンド、コシノ3姉妹ブーム再び

4月2日(日)7時0分 NEWSポストセブン

「金子國義×コシノヒロコ EROS2017」(公式HPより)

写真を拡大

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、ファッション界のレジェンド、コシノ3姉妹にクローズアップ。


 * * *

 3月末、3姉妹全員が日本を代表するファッションデザイナーである、コシノヒロコ氏、コシノジュンコ氏、コシノミチコ氏が出生地、大阪岸和田に揃った。2006年3月26日、92才で亡くなった母、小篠綾子さんの墓参りのためだったという。


 その綾子さんの半生を描いた連続テレビ小説『カーネーション』(NHK)が、尾野真千子(晩年は夏木マリ)主演でオンエアされたのは2011年のこと。その際も、娘たちは母の生き方共々注目されたものだが、いままたコシノ姉妹に注目が集まり、何度目かのブームを迎えているとファッション関係者は指摘する。


 現在、『KHギャラリー銀座』にて、「金子國義×コシノヒロコ EROS2017」なる展字が開催されている(5月7日まで)。これは、ファッションデザイナー以外に、アーティストでもある長女、ヒロコ氏と、絵画のみならず、着物デザイン、写真、歌舞伎舞台の美術なども手掛けた金子氏が、文字通り、エロスを掛け合うというもの。ヒロコ氏は、春画から生まれた油彩画と人物画シリーズを初披露している。


“本職”では、3月、恵比寿ガーデンホールにて2017秋冬コレクションを開催。KHギャラリー共に、幅広い年代の有名人が駆けつけた。



 今年1月、傘寿を迎えたヒロコ氏だが、昨年はゴルフでホールインワンを記録。ヒロコ氏と20年来の付き合いがあるという芸能関係者は、「とにかくお元気だし、何事にも精力的。この年齢になってもネットワーキングに熱心で、どんな人にも分け隔てなく丁寧に接してくださる方」と、その人柄を教えてくれた。


 件のコレクションで、顧客やマスコミを仕切っていたのは、娘のコシノユマ氏。コシノ3姉妹の末妹、コシノミチコ氏のブランド「ミチコロンドン」のアシスタントデザイナーを経て、母・ヒロコ氏のデザインオフィスに入社。98年には「ユマコシノ」ブランドをスタートさせ、海外の映画祭で賞を獲得した『ホテルチェルシー』の衣装担当などの活躍も話題になった。


 つまりユマ氏は、コシノブランドの後継者。日本の著名なファッションデザイナーの多くが後継者を残せていないなか、叔母・ミチコ氏やジュンコ氏、そして祖母・綾子さんの世界観を受け継ぐ、貴重な存在なのである。


 そしてジュンコ氏は、陸上自衛隊の「特別儀仗隊」の制服デザインを監修したことが話題になったばかり。実に52年ぶりの刷新だといい、報道陣に公開された制服は、現行のタイプとは異なり、詰襟。夏服は白、冬服は紺で、日の丸を表す赤いラインがあしらわれている。


 さらにジュンコ氏は、思わぬところで、その名が取沙汰されている。それは、早くも、今年最大のブレイク芸人と評価され、テレビ番組から引っ張りだこで、桐谷美玲主演の新ドラマ『人は見た目が100パーセント』(フジテレビ系)で女優デビューを果たす女ピン芸人、ブルゾンちえみが関係している。彼女が「キャリアウーマン」に扮してネタを披露するときの、あの特徴的なメイクは、コシノジュンコ氏を手本にしているのだ。


 二人は既に“対面”を果たしており、ブルゾンはジュンコ氏からあたたかい言葉をかけてもらったと聞く。


 今年2月には『ニノさん』(日本テレビ系)で「コシノギドラ」なる怪獣に扮し、嵐の二宮和也に人生を説いたことも。「自分の家こそ美しくしていたい」「なぜ他人が作った服を着ないといけないの?」などと言い切るジュンコ氏に、二宮は「カッコイイ」と感心しきりだったという。


 そして、「トータル・ファッション・アドバイザー」YOKO FUCHIGAMIだ。これは、ロバート秋山の「クリエイターズ・ファイル」の中でももっとも有名なキャラクター。3月25日にはオリジナルグッズ付のブックレットが2冊同時に発売。パナソニックの大ヒット商品「衣類スチーマー」の発表会ゲストにも招かれ、家電メーカー主催のイベントにはめったに来ない、著名なスタイリストや、セレブ雑誌のエディター、ファッションジャーナリストら250人が集まった。


 そんな出席者の中で話題になっていたのが、「YOKOは、コシノヒロコ先生やコシノジュンコ先生を思わせる」ということ。YOKOは1957年生まれという設定なので今年還暦を迎える。「その年代のファッション関係者がリスペクトしている日本デザイナーといえば、ヒロコ先生やジュンコ先生」「ロバード秋山さんは、絶対にコシノ3姉妹を参考にしているハズ」というのである。


 思えば、沢尻エリカ主演のドラマ『ファーストクラス』(フジテレビ系)に出てきたファッション界の大御所女性も、コシノ3姉妹をモデルにしていた気がする。余貴美子や、『カーネーション』に続いて出てきた夏木マリだ。


 つまり、日本人の多くが想像する“ファッションデザイナー=コシノ3姉妹”。そして、その後継者としてユマ氏が居るということは、「素晴らしいことだし、うれしい限り」と目を潤ませるファッション誌のエディターも居た。


 さらに興味深いのは、有名女優やファッショニスタと呼ばれる女性タレントのスタイリングを手がけるアラフォーの著名スタイリストの弁だ。「私たちの世代だと、ミチコ先生のお洋服にもっとも馴染みがあって、ヒロコ先生やジュンコ先生のお洋服は敷居が高くて、ほとんど着ることはありませんでした。でも、“1周回って”いまの若い人たちは、ヒロコ先生やジュンコ先生含め、コシノ3姉妹が編み出す世界を『カッコイイ』『素敵』と思っているようです」


 確かに、「コシノヒロコ秋冬コレクション2017」の会場では、20代の顧客と思しき女性たちがランウェイに熱い視線を送っていたし、取材に訪れたファッション関係者の中にも若手の姿が多数あった。


 KHギャラリー銀座で開催中のコシノヒロコ氏が金子國義氏とコラボした温厚で上質な“EROS”な絵画空間も若い層には新鮮に映るだろうし、年配層とはまた異なるパッションを抱くかもしれない。


 ファッションの流行は何年周期かで巡ると言われているが、「コシノブランド」ブームは間違いなく到来している。

NEWSポストセブン

ファッションをもっと詳しく

BIGLOBE
トップへ