“眠れる獅子”が本領発揮!関東B・永瀬拓矢監督代行が全勝で決勝進出へ導く ファンも圧倒「鬼だな」/将棋・ABEMA地域対抗戦
2025年4月6日(日)11時50分 ABEMA TIMES

眠れる獅子が“リミッター”を解除!?本気モードで3戦全勝を飾った。全国を8つのブロックに分け、エリア対抗の形式で行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦2025 inspired by 羽生善治」の準決勝第1試合、関東B 対 中国・四国が4月5日に放送された。関東Bの監督代行を務める永瀬拓矢監督代行(32)は、プレーヤーとして本領を発揮しチーム勝利に貢献。あまりの強さにチームメイト、ファンをも圧倒した。
予選トーナメントで1勝3敗と、やや不発だった永瀬監督代行。本来、関東Bで監督を務める予定だった渡辺明九段(40)が怪我療養のため、急遽その大役を任されることになったことも影響し、自身の中で選手よりも“監督業”の割合が大きくなっていたようだ。
しかし、本戦からはその割合を転換。“眠れる獅子”が完全にリミッターを解除したように勝ちまくることとなった。準決勝では第3局の中堅戦に登場。研究仲間でもあり中国・四国の有望株、藤本渚六段(19)と激突すると、雁木の形に一石を投じるような新構想を実らせ、まずは1勝をもぎ取ってみせた。
2戦目となったのは、勝負所の第8局。負ければチームの敗退が決まる崖っぷちで同学年の好敵手・菅井竜也八段(32)との対戦となった。ここでは、千日手指し直しの末に永瀬監督代行が持前の的確な受けを披露。強く攻勢に出た菅井八段を完全に受けきって勝利を飾ると、ファンからも「菅井を受けきるのかw」「鬼だな」「鬼軍曹」「激アツ過ぎる」「これは名人戦も期待だ」「面白かったわ」とコメントが殺到していた。

監督代行自らチームのピンチをしのぎ、最後の出番はフルセットの第9局。最終戦にふさわしく相手は山崎隆之九段(44)と“監督対決”が実現した。勝てば決勝、負ければ敗退の運命の一局では、相掛かりの一戦からここでも一切の緩みのない指し回しで敵将を圧倒。関東Bのチームメイトからも「強すぎる!」の声が上がるほどだった。
チーム勝利に貢献するとともに関東Bを2年連続の決勝戦へ導いた永瀬監督代行は、「本戦からは(“監督代行”という立場よりも)“選手”の割合を増やしていた」と告白。「本日は選手としてチームに貢献することができてとても良かったと思います」と対局中とは別人級のホッとした表情を見せていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)