恒松祐里、子役時代のオーディションで鍛えられた度胸「緊張しない体質に」 これまでの転機も語る

2025年4月6日(日)17時45分 マイナビニュース


●デビュー20周年の節目に今の思いや転機を語る
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』でヒロインの幼馴染を演じ、Netflix『全裸監督 シーズン2』ではヒロインを好演するなど、数々の作品で存在感を放っている恒松祐里。ディズニープラス「スター」で独占配信中の『ガンニバル』シーズン2では、キーパーソンである若き後藤銀を演じた。今年デビュー20周年の節目を迎える恒松にインタビューし、今の仕事に対する思いやこれまでの転機を聞いた。
本作は、累計発行部数400万部を超える二宮正明氏のサスペンスコミックを実写化し、2022年12月にディズニープラス「スター」で独占配信された『ガンニバル』の続編。人里離れた供花村(くげむら)が隠してきた「この村では、人が喰われるらしい」という恐ろしい噂をめぐる真相が明らかとなる。主人公の警察官・阿川大悟役の柳楽優弥をはじめ、供花村を支配する後藤家の当主となった後藤恵介役の笠松将、大悟の妻・阿川有希役の吉岡里帆らが続投。そして、後藤家のかつての当主で、シーズン1で倍賞美津子が扮した後藤銀の若き頃を恒松が演じ、妖艶かつ狂気に満ちた演技を披露している。
——2005年にデビューされてから20年経ちますが、今のお仕事に対する思いをお聞かせください。
最初の10年は子役としての活動だったのでお仕事が多かったわけではないのですが、お芝居のレッスンが週2回あって、よりお芝居が好きになったと思います。長い間、役者という仕事を続けてこられたのはやはりお芝居が好きだったからだと思います。その気持ちを大切にして、楽しみながら初心を忘れないでこれからも続けたいなと思っています。
——このお仕事を続けたいと覚悟が決まったのはいつ頃でしょうか。
子供の頃から楽しいなとは思っていました。同じ時期に習っていたプールはすぐ辞めてしまいましたが、お芝居はやめなかったということは、子供ながらに好きだったのだと思います。続けたいなと思ったのは、本格的に仕事をいただけるようになった高校生以降です。いろんな現場でいろんな役を経験していく中で、続けたいと思うようになりました。
——それ以降は、このお仕事から離れたいと思ったことはないですか?
そうですね。お芝居が好きですし、役者の仕事は様々なことにも挑戦できると感じていたので、やめようとは思わなかったです。
——これまでの活動を振り返って、大きな転機になったなと感じている出来事を教えてください。
16歳のときに公開された『くちびるに歌を』という映画が一番の転機だと思います。オーディションで選んでいただいた役なのですが、生徒役の中でも物語の中心的な役を演じさせていただいて、撮影している日数も一番多かったと思います。それを経験して、大変だけど楽しいと思いましたし、ありがたいことにその作品から徐々にオファーをいただくことができるようになりました。
——それ以降だといかがでしょうか。
この仕事をしていて一番大変だったなと思った作品が、昨年出演した舞台『ハザカイキ』です。スキャンダルを起こした芸能人が最終的に謝罪会見をするという物語で、私はそのスキャンダルを起こした芸能人の役でした。舞台の終盤で、観客を報道陣に見立てて謝罪会見をするという演出があり、15分間、台本13ページ分のセリフを言うというシーンでしたが本当に大変すぎて、毎公演戦っていました。
——大変だったからこそ鍛えられた部分も大きかったですか?
鍛えられたというのは確実にあると思います。今後どの作品に入っても、あのシーンを乗り超えられたんだから大丈夫と思える気がします。昨年の1、2月に『ガンニバル』の撮影があり、そこから舞台の稽古をして、本番を迎えたのですが、昨年の上半期が非常に濃い時間でした。舞台は生ものなので失敗できないというプレッシャーもありましたが、『ガンニバル』も同じくらい大変でした(笑)
●『ガンニバル』で中心人物を演じるやりがい実感
——『ガンニバル』出演はご自身にとってどんな経験になったと思いますか?
ディズニープラスは海外の方にもご覧いただけますし、こんなにハードな役はなかなかな経験できないので大きな挑戦になりました。銀の過去を描いた5、6話では重要な役どころを担当させていただいて、これまでは主人公を支えるような役だったり、逆に物語をかき乱すような役を演じることも多かったのですが、『ガンニバル』の過去編では堂々と真ん中でお芝居させていただいて周りを引っ張っていく立ち位置だったので、難しくもあり、楽しさも味わうことができました。
——また中心の役を演じたいという思いが芽生えましたか?
そうですね。さらに経験を積んで、そういう面も出していけたらいいなと思います。
——ここ数年で何か変わったことや変えたことがありましたら教えてください。
年々肩の力が抜けている気がします。もとから全然緊張しないタイプなんですが、段々と自分らしくいられるようになっていると思います。以前はバランスを取らなきゃいけないとか、共演者の方がこうだからもうちょっと明るくしようとか考えていましたが、そういうのをあまり気にしないようになってきて、自分らしくお芝居していけたらいいなと思うようになりました。
——何かきっかけがあったのでしょうか。
『ガンニバル』が真ん中で自分の道を歩いていく役柄だったので、それも影響しているのではないかなと思います。
——もともと全然緊張しないタイプというのもすごいですね。
子供の頃にオーディションを受ける機会が多くて緊張しない体質になったのだと思います。
——どれぐらいオーディションを受けていましたか?
子供の頃は週1ぐらいのペースで受けていました。それから長い間、そんな感じでやらせてもらっていたので、だいぶ鍛えられたと思います。
——それぐらい受けていると、合格できなくても毎回落ち込んではいられないというように心が強くなっていくのでしょうか。
1次で落ちていたのが、2次で落ちたり、3次で落ちたりという風になっていくのですが、最終審査で残り4名くらいに絞られた後に落ちるといったことが何度もあると本当に悔しくなります。でも、それもご縁だなと思うようになりました。
——オーディションとはいえ、人前で演じることに慣れていくというのもありましたか?
そうですね。その場で演じるドキドキすらも楽しむというか、興奮と高揚感だと捉えられるようになっていった気がします。でも、緊張しないのはこのお仕事に関してだけです。学生時代に国語の授業で順番に立って本を読むときとかはすごく緊張しました(笑)。学校にいるときは女優の自分ではなかったので。
——この先はどういう風になっていきたいと考えていますか?
いろんなことをやっていきたいというのはもちろんですが、事務所の先輩の仲里依紗さんがアパレルブランドを立ち上げていらっしゃって、私もモノ作りをしたり、絵を描いたりするのが好きなので、そういうのを発信していける場をいつか作れたらいいなと思っています。
——どんなものを作っているんですか?
ここ2年ぐらいは編み物にハマっています。母が編み物が得意で、お洋服も手編みで作れるんです。今までは母が作ってくれるし、教えてもらうのも恥ずかしい気持ちがあったのですが、2年前にやっぱやりたいと思って始めて、バッグやマフラーなどを作りました。最近はセーターに挑戦しています。いつかそういうものを披露できる場があったらうれしいです。
——女優としてはいかがですか?
物語の中心的な役をさらにやっていけるようになれたらなと思います。その経験を積み重ねて、その現場の居方も学んでいきたいです。
■恒松祐里
1998年10月9日生まれ、東京都出身。2005年にドラマ『瑠璃の島』で子役としてデビューし、2009年『キラー・ヴァージンロード』で映画デビュー。2019年公開の映画『凪待ち』で『おおさかシネマフェスティバル2020』新人女優賞を受賞。代表作は、ドラマ『おかえりモネ』『泣くな研修医』(21)、『ザ・トラベルナース』(22)、『リバーサルオーケストラ』(23)、『わたしの宝物』(24)、映画『きさらぎ駅』(22)、『Gメン』(23)、Netflix『全裸監督 シーズン2』(21)『今際の国のアリスシーズン2』(22)、『御手洗家、炎上する』(23)など。『きさらぎ駅 Re:』が6月13日公開予定。

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