絶対にカンペーを読まぬ所ジョージは「芸能界最強の褒め上手」

4月7日(金)7時0分 NEWSポストセブン

人気を保つ秘訣は「褒めかた」にアリ?

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「一発屋」という言葉が一般名詞になって久しい。一発ギャグでテレビを席巻し、ブームが終われば消えていく──栄枯盛衰激しい芸能界を象徴する存在だ。その対極にあるのが、長くレギュラー番組を続ける大御所タレントだ。特にビートたけし、明石家さんま、所ジョージの3人は、テレビでその姿を見ない日はない。彼らはなぜ、いつまでもテレビに出られるのか? 彼らの出演番組はなぜ長寿なのか? 吉川圭三氏の新著『たけし、さんま、所の「すごい」仕事現場』(小学館新書)は、その謎を正面から解き明かす。


 吉川氏は日本テレビで数々の長寿番組を立ち上げた元名物プロデューサーだ。『世界まる見え!テレビ特捜部』ではたけし・所と、『恋のから騒ぎ』『踊る!さんま御殿』ではさんまとタッグを組んだ。吉川氏がいう。


「私は30年超のテレビ屋生活で、幸運にも3人の天才の『プロフェッショナリズム』を間近に目撃することができた。彼らは一見、天衣無縫に見えるけれども、その内実は『仕事人としての哲学』にあふれている。安易な焼き直し番組が量産され『テレビ離れ』などと揶揄されるなか、後進のためにプロとしての彼らの姿を残しておきたいと執筆を決意したのです」


 ここでは、心に残る所の「すごい」逸話を一部公開しよう。


■所ジョージは「カンペー」を見ない


 吉川氏は「所さんほどの『テレビのプロ』はいない」と断言する。彼の職人気質を象徴するのが、「所はカンニングペーパーを絶対に読まない」という事実だ。


 所はその理由を、あるテレビ番組でこう語った。


〈テレビではいつも茶の間、視聴者のことを考えている。カンペーを読むと、見ている人が『あ、読んでる』って思うでしょ。その瞬間、きっと何か大事なものが失われると思うんだよね〉


■所はどんな感動的VTRでも決して涙を流さない


「お茶の間最優先主義」を貫く所は、「自作自演な感じ」「押しつけがましさ」が画面に出ることを何より嫌う。だから過度な感情を表に出さない。


「驚くべきは、彼が収録でどんな突飛な発言をしたと思っても、オンエアで使えないことがほとんどない事実。視聴者の気持ちを慮るような『なるほど』と思える発言ばかりなのです。彼は私によく『番組収録では生放送のように編集なしの完パケで撮るのが理想』と語っています。現場での空気感をどうお茶の間に伝えるかを常に考えている彼ならではの言葉です」(吉川氏)


■最強の「人たらし」


 さらに所は「芸能界最強の褒め上手」であるという。


「決して歯の浮くようなお世辞はいわないが、“面白いね〜”“最高じゃん”という一言でスタッフから共演者まで、相手を選ばずいい気持ちにさせる。過去には、収録開始時に激怒していた横山やすしをいつの間にかニコニコ笑顔にさせてしまったこともある。黒澤明や大江健三郎にも愛されていました」(同前)


●吉川圭三(よしかわ・けいぞう)/1957年東京生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、82年に日本テレビ入社。上記の番組のほか、『特命リサーチ200X』『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』なども担当。2013年より株式会社ドワンゴへ出向。現職は会長室・エグゼクティブプロデューサー。


イラスト■佐野文二郎


※週刊ポスト2017年4月14日号

NEWSポストセブン

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