藤井聡太名人が先勝!挑戦者・永瀬拓矢九段に勝利し防衛3連覇へ好発進 シリーズ成績1勝0敗に/将棋・名人戦第1局
2025年4月10日(木)20時55分 ABEMA TIMES

将棋の第83期名人戦七番勝負第1局が4月9・10の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で指され、藤井聡太名人(竜王、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に134手で勝利。シリーズ先勝を飾り、防衛3連覇に向けて好スタートを切った。藤井名人の連勝か、永瀬九段が追いつくか。注目の第2局は4月29・30日、東京都大田区の「羽田空港第1ターミナル」で予定されている。
将棋界の聖地とも呼ばれる椿山荘を舞台に指された開幕局は、名人が熱戦を制した。藤井名人の3連覇か、挑戦者・永瀬九段の初戴冠か、大きな注目の中で行われている今期の七番勝負。振り駒で永瀬九段の先手に決まると、両者得意の角換わりの戦型へと進行した。
本局は今年3月に行われた前期の棋王戦五番勝負第3局の▲藤井棋王 対 △増田康宏八段戦で千日手が成立した将棋をなぞる展開に。同じ将棋を経験した藤井名人に研究があると見られ、永瀬九段は持ち時間をたっぷり使ってその狙いを探ることとなった。
両者の驚異のバランス力により、終盤戦まで形勢は完全に互角。しかし、時間の経過とともに盤上の緊迫感は増大することとなった。張り詰めた空気の中、永瀬九段が受けに回ったところで藤井名人が強く踏み込みを決断。自玉の危険をいとわず銀の打ち込みから先手へプレッシャーをかけていった。しかし永瀬九段も簡単には譲らず、高難度の応酬の中で藤井名人が苦しそうな表情を見せる場面も。それでも先手からの猛攻を正確に対応し、藤井名人が接戦を制した。

藤井名人は、「1日目から終盤戦のような展開になり、時間を使って考えていたがわからなかったところが多かった。かなりずっと際どい局面だったが、9時間の将棋で目いっぱい考えることができた点は良かったと思う」とコメント。次戦に向けて、「(約3週間と)少し期間が空くことになるので、しっかり準備をしていきたい」と語った。
一方、永瀬九段は「序盤早くも準備が薄い形になってしまったのと、中盤はバランスが取れているかわからないまま指していた。銀を打たれてペースが上がってしまったと感じる。終盤は本譜と違う順を発見しなければいけなかったと思う」と一局を総括。「他棋戦もありますが、先後も決まったので準備をしていきたい」と第2局を見据えていた。
この結果、藤井名人がシリーズ先勝。防衛3連覇に向けて好発進を遂げた。しかし、念願の名人戦にたどり着いた永瀬九段とあり、熱戦は必至だ。藤井名人がリードを広げるか、永瀬九段が次戦で追いつくのか、大きな注目を集めることになりそうだ。
注目の第2局は4月29・30の両日、東京都大田区の「羽田空港第1ターミナル」で指される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)