
(『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』/(c)NHK)
大河ドラマ『べらぼう』
横浜流星さん主演の大河ドラマ『べらぼう』(NHK総合/毎週日曜夜8時ほか)。第14回「蔦重瀬川夫婦道中」が4月6日に放送され、話題になっています。
*以下「蔦重瀬川夫婦道中」の放送内容のネタバレを含みます。
●「蔦重瀬川夫婦道中」あらすじ
幕府による当道座の取り締まりで、検校(市原隼人さん)と瀬以(小芝風花さん)は捕らえられ、蔦重までも同心に連行されてしまう。
その後釈放された蔦重は、大文字屋(伊藤淳史さん)から五十間道に空き店舗が出ると聞き、独立して自分の店を持てないかと考える。
そんな中、いね(水野美紀さん)からエレキテルが効果のない代物だと聞き、源内(安田顕さん)を訪ねた蔦重。
源内はエレキテルが売れないのは、弥七(片桐仁さん)のせいだと訴えるがーー。
ついに結ばれた蔦重と瀬川
鳥山検校と離縁をすることになった瀬川。
離縁状を手に蔦屋を訪れると、蔦重は大喜びで瀬川を抱きしめ、その夜二人はついに肌を重ねることに。
それから二人で店を構える覚悟を決めた蔦重は、駿河屋へ所帯を持つことを申し出ます。
すると「多くの人から恨みを買っている検校の元妻という立場上、瀬川を店に出すのは危険では」と心配する駿河屋。
対して蔦重は吉原には番所がある分、市中よりも安全であることや、厄介者とみられがちな花魁という存在を吉原が放り出さずに面倒をみることが、世間からの見え方を変えるのでは、などと主張。二人の仲を認めてもらうまでに至ります。
鳥山玉一とも縁を切りよき民として暮らすよう
その後、除夜の鐘をききながら耕書堂の開店準備に勤しむ蔦重。
同じころ、松葉屋の寮では幸せそうな表情をした瀬川が、蔦重と一緒になるための荷造りを進めていました。
その中で蔦重が手掛けた『青楼美人合姿鏡』を、ふと手に取った瀬川。吉原遊女の日常が描かれたその本をめくっていくうち、徐々に表情が険しくなっていきます。
するとそこから回想シーンが。
「吉原を楽しいことばかりのところにしたい」「女郎が良い思い出をいっぱい持って大門を出て行くところにしたい」といった蔦重の夢があらためて語られたところで、場面が戻り、はたと本を閉じた瀬川。
長い長い初恋を
それから明けて新年。
蔦重が松葉屋へ瀬川を迎えに行くと、女郎の”はつ”から文を渡されます。
そこには、この先耕書堂の向かう道がより険しくなるということ、そこにいわく付きの自分がいるのは弱みを増やすことになりかねない、といった旨が記されており、瀬川が去ったことを察した蔦重は、その姿を求めて街を歩き回ります。

(『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』/(c)NHK)
瀬川を見つけることが出来ないまま、誰もいない蔦屋を訪れた蔦重。
松葉屋の寮から戻ってきた本の中に、幼い時に瀬川へ手渡したはずの赤本『塩売文太物語』が加わっていることに気付きます。
すると再び回想シーンが挿入され、瀬川の声で、蔦重がいたおかげで女郎の闇に堕ちていかずに済んだという感謝が伝えられ、最後に
「いつの日も、わっちを守り続けてくれたその思い。長い長い初恋を…ありがた山の鳶(トンビ)がらす」
と告げたところで、ドラマは幕を下ろすのでした。
小芝風花さんのインタビュー
蔦重の夢をかなえるために、身を引くことを決めた小芝風花さん演じる花魁・瀬川。夫婦になるどころか、いきなりの別れという急転直下すぎる展開に、衝撃を受けた視聴者も多かったのでは。
そのようななか、『べらぼう』の公式サイト(https://www.nhk.jp/p/berabou/ts/42QY57MX24/)に、演技を終えた小芝さんのインタビューが掲載されました。それによると、別れのシーンについては
——10年以上思い続けた人と一緒になるための荷造りが、離れるための荷造りに変わっていくシーンは演じていても本当に苦しかったです。最後に文を残すのですが、「カット」の声がかかったあとも涙が止まりませんでした——
といった感想が。また吉原を去るのを決意した理由についても、
——花魁(おいらん)が平和に笑い合っている絵姿が描かれた本には蔦重の夢が詰まっていて、これは私がいたらかなわない。吉原が苦境にあるいま、検校の妻だったといういわくつきの自分がいたら妨げになると気づいてしまったから——
とあらためて語られていました。
視聴者の声
一方、ここまでの放送回を通じて既に視聴者の側からは、小芝さんの演技を賞賛する声が多数見られていましたが、退場回を経て、一層その声が多く生まれていたようです。
たとえば「小芝風花ちゃん、この作品で凄く好きになった。とにかく演技が素晴らしい」「ハッとするほど見目麗しいお姿。艶のある聞き取りやすいお声。今週で見納め、聴き納めかな」「最初は花魁のイメージないな…と思ってたのに、回を追うごとにどんどん夢中になって今や一番の推し!来週から見れないの淋しい」「小芝さん、同世代の女優から頭ひとつ抜けて実力派のイメージになった」「日本にもこんな女優がいたのかと驚きつつも圧倒されていただけに、退場が残念でならない」といった退場を惜しむ声が、SNSやコメントなどに溢れていました。
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大河ドラマ第64作となる『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった、”蔦重”こと蔦屋重三郎が主人公。
蔦重を演じるのは、NHKドラマ初出演となる横浜流星さん。脚本は、連続テレビ小説『ごちそうさん』大河ドラマ『おんな城主 直虎』などを手掛けた森下佳子さん。
さらに語りは、蔦重らを見守る吉原の九郎助稲荷(くろすけいなり)として、綾瀬はるかさんが担当する。