「恐ろしいものを見た」藤井聡太七冠、名人戦開幕局から魅せた!“異次元”の収束に「こういうのを見せつけられると…」解説棋士もあ然
2025年4月11日(金)7時30分 ABEMA TIMES

絶対王者が見せたあまりにも美しく恐ろしいほどの強さに、解説棋士も圧倒されるばかりだった。
将棋の第83期名人戦七番勝負が4月9日に開幕。防衛3連覇を目指す藤井聡太名人(竜王、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)に、タイトル戦で5度目の激突となる永瀬拓矢九段(32)が挑戦するシリーズに、初戦から大注目が集まった。
振り駒で挑戦者の先手と決まると、戦型は両者得意の角換わりに。今年3月に行われた前期の棋王戦五番勝負第3局の▲藤井棋王 対 △増田康宏八段戦で千日手が成立した将棋をなぞる展開とあり、藤井名人の研究があることは必至だ。「壁銀とはなるものの、玉は深い」と判断し採用した藤井名人に対し、初の9時間の将棋に臨んだ永瀬九段は、たっぷりと持ち時間を投じてその真意を探ることとなった。
1日目の封じ手を前に終盤戦に突入した本局。それでもABEMAの「SHOGI AI」は形勢は互角の数字を示したまま推移し、難局を物語っていた。局面が動き出したのは対局2日目の午後。永瀬九段が受けに回ったところで、勝負所と見た藤井名人が銀を打ち込み先手陣へと迫った。長考合戦ながら、流れは激流。藤井名人がペースを握ったかと思われたが、表情は苦し気なものだった。
永瀬九段の迫力のあるラッシュが続いたが、藤井名人はここでも正確に対応。顔をゆがませる場面もあったものの、終盤は得意領域だ。紙一重で自身に手番が回ると、まるで“一人・詰将棋解答選手権”スタート!?攻防手か詰ますしかないという局面となったものの、長手数の詰みを読み切って圧巻の勝利を飾ってみせた。

ABEMAで解説を務めた広瀬九段は、終局直後に「すごいものを見ました」とポツリ。自身も棋界トップクラスの詰将棋の実力を誇る広瀬九段だが、「(最終盤に)詰みそう、というのは分かるのですが…。詰将棋の変化でこういう“ピッタリ詰み”というのはよく出てくるのですが、それを彷彿とさせるような綺麗な詰み筋でしたね」と圧倒されるばかりの様子だった。
投了図以降の解説を終えた広瀬九段は、「見事な収束で終盤の正確さがあまりにも際立った。恐ろしいものを見た」とコメント。「最後のインパクトが強くて…。すさまじい終盤の信用度があると思うので、こういうのを見せつけられると、いかんともしがたいとてつもない武器を兼ね備えているなと改めて実感した」と重ね、藤井名人が見せた異次元の美しい収束を改めて称えることとなった。
これにはファンも大興奮。「このスカスカが詰むのか」「広瀬さんにもダメージを与えた」「全部読み切ってたってこと」「水も漏らさぬだったな」「強さを引き出した感じ」「これが名人か…」「あざやか おそろしい…」「恐ろしい子」「凄すぎる詰みだ」とコメントが尽きることはなかった。
シリーズは始まったばかり。最強・藤井名人は、挑戦者の永瀬九段とともにどのような名局を生み出すのか。注目の第2局は4月29・30日、東京都大田区の「羽田空港第1ターミナル」で予定されている。
(ABEMA/将棋チャンネルより)