カンヌ映画祭コンペ出品、早川千絵監督長編2作品目『ルノワール』11歳の主人公に心揺さぶられる予告編

2025年4月11日(金)11時41分 オリコン

早川千絵監督最新作『ルノワール』(6月20日公開) (C)2025「RENOIR」製作委員会 / International Partners

 長編初監督作品『PLAN 75』(2022年)が「第75回カンヌ国際映画祭」で注目された早川千絵監督の長編2作品目となる新作『ルノワール』が、「第78回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門に出品されることが決定。日本では6月20日より全国公開となる。

 高齢化社会が深刻化した近い将来の日本を舞台に、75歳以上の国民に生死の選択を迫る衝撃的な物語を描いた『PLAN 75』から3年——。待望の最新作『ルノワール』で綴られるのは、80年代後半の夏、闘病中の父と、仕事に追われる母と暮らす11歳の少女・フキの物語。

 主人公・フキを演じるのは多数の候補者の中からオーディションで抜てきされた新人・鈴木唯。役柄と同様11歳だった彼女の、真っ直ぐに大人を見つめる視線、この年齢ならではの自然な躍動感、時折見せる寂しげな表情など、スクリーン一杯に広がる瑞々しい演技に誰もが心奪われる。

 フキの母・詩子役に石田ひかり、父・圭司役にリリー・フランキー、フキが出会う大人たちを中島歩、『PLAN 75』に続き河合優実、そして坂東龍汰らが演じる。

 子どもと大人の淡い境目をたゆたう少女のひと夏を描いた本作。マイペースで想像力豊かな主人公・フキは、事情を抱えた大人たちと触れあう中で、11歳の小さな体に宿る“うれしい・楽しい”という感情をむくむくと膨らませていくが、時折見せる子供特有の残酷な一面や鋭い視線にどきりとさせられることも。

 早川監督は、少女が積み重ねていく感情のひだを細やかに描写すると共に、大人たちの人生のままならなさや、人間関係の哀感を温かなまなざしとユーモアを持って描き出した。観客は自分にも覚えのある子どもならではのひりひりとした感情と、今の自分に似た大人たちの孤独や痛みに共感し、激しく心を揺さぶられるだろう。

 今回解禁された予告編は、11歳のフキ(鈴木唯)が「みなしごになってみたい」というタイトルの作文を提出し、母親(石田ひかり)が担任教師に呼び出されるシーンから始まる。自由な発想で時たま大人を驚かせるフキだが、闘病中の父親(リリー・フランキー)をいつも気にかけ、放課後は父親の病室へ通う。そんな日々の中で、フキがそれぞれに事情を抱えた大人たちと対峙する姿が紡がれていく——。

 同じマンションに住む久理子(河合優実)が、哀しみに暮れた表情で、ベランダから下を見下ろしている事に気付くフキ。久理子は誰にも話せずにいた秘密をフキに打ち明け始める。またある時は、母が知り合った男性・御前崎(中島歩)や、大学生・薫(坂東龍汰)と出会い、フキの日常が変化していく。「人が死ぬと泣く、どうして悲しいんですか?」と大人に問いかけるフキの声。子どもと大人の間で揺れる、ひと夏が繊細に描かれる。

オリコン

「監督」をもっと詳しく

「監督」のニュース

「監督」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ