“藤井聡太劇場”再び!「何か狙ってる?」→「キターッ!」の大逆転劇にトップ棋士&ファン騒然「一気に逆転するのこわい」/将棋・ABEMA地域対抗戦
2025年4月13日(日)11時0分 ABEMA TIMES

狙ったら必ず勝利を決める。これが“藤井聡太”の定めなのか——。全国を8つのブロックに分け、エリア対抗の形式で行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦2025 inspired by 羽生善治」の準決勝第2試合、中部 対 関西Aが4月12日に放送された。第5局に出場した中部の藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)は、エース対決となった稲葉陽八段(36)戦で大逆転勝利を飾ることに。「何か狙ってる?」→「キターッ!」というドラマティックな展開で、ファンを熱狂させた。
両軍2勝2敗のタイで迎えた第5局。激戦にふさわしく、中部からは藤井竜王・名人、関西Aからは稲葉八段と大将戦にふさわしいカードとなった。
エース対局となったこの一局では、稲葉八段の三間飛車に藤井竜王・名人が持久戦を選び、じっくりとした戦いとなった。過去のABEMAトーナメントで2度の優勝経験を持ち、“フィッシャー王”とも呼ばれている稲葉八段は、速いペースで指し進めて持ち時間を温存。じわじわと自身のペースへと持ち込んだ。対する藤井竜王・名人も同トーナメントでの優勝に加えて、前年の地域対抗戦でも“最強地域”の座を射止めている。やや劣勢の中でも豊富な経験を活かし、稲葉八段に猛ラッシュで迫っていった。
終盤で逃げ切りを狙う稲葉八段に対し、藤井竜王・名人の攻めが細くなったかと見れていたがその視線は鋭い。解説を務めた佐藤和俊七段(46)も「何かを狙っていそうで嫌ですね…。と対局者目線で藤井竜王・名人の読みに警戒心を深めていた。
さらに、「(藤井竜王・名人の)穴熊に詰めろがかかればはっきり(稲葉八段の)勝ちですが、無いと判断したようですね。いやー、どう指せばいいかわからないですよ」と大混乱。その言葉通り、藤井竜王・名人は怒涛の追い上げと超一流の勝負術で局面を複雑化させ、その刹那に出た稲葉八段の緩手を見逃さずに一気に華麗な逆転を決めてみせた。

これに関西Aの控室は「ギャー!」と悲鳴。谷川浩司十七世名人(63)、佐藤康光九段(55)らレジェンド棋士たちが大きく表情をゆがめることとなった。一方、中部控室では「キターッ!」と歓喜。「まだわからない!」と言いつつも、メンバーの顔は色めき立っていた。
あまりにドラマティックな“藤井聡太劇場”に、ファンも大興奮。「聡鬼キタ!」「聡太の終盤キター!」「速すぎる」「えーーーーーー詰み?」「フィッシャーらしい戦術と逆転」「藤井さんはこわすぎる」「この速さでどう読んでるのか」「一気に逆転するのこわい」「流石だな」「詰将棋だいじ」「いいもの見たわ」とコメントが殺到することとなった。
藤井竜王・名人は、「途中から形勢も時間も相当苦しくなってしまい、かなり厳しい展開だと思って指していた。でも何とか結果を出すことができて、チームに貢献できたのかなと思う」とコメント。自身でも苦戦を意識していたことを明かした。次戦の決勝戦は、2年連続で関東Bとの対戦に。「チーム中部を応援して頂いているサポーターの皆様に良い報告をできるように頑張りたい」と連覇を見据えていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)