2軍落ちしたT-岡田と安達了一を見るために舞洲へ そこにあったオリックスらしさ

4月13日(土)11時0分 文春オンライン

 大変だ! 開幕早々に一大事、調子の上がらないT-岡田と安達了一が揃って2軍落ちしてしまった。まぁ、「競争」を強く意識したチーム作りを推し進める西村監督の思うところだ、それもじゅうぶん納得がいく。それに福田(周平)や西浦(颯大)、頓宮(裕真)といったフレッシュな選手達がこうも活躍を見せてしまうと、功労者だからといって特別枠で1軍に帯同させる事も難しいだろう。まして「BE AGGRESSIVE」をスローガンに戦うチームにとっては、今はグラブよりバットでの活躍に選出の比重を置いているはずだろうし。仕方がない、これはどうにも仕方がない事なのだ。


 だがいかんせん、こうまで長くバファローズに関わっている自分にとって、T-岡田と安達の活躍を見ないまま普段通りに音楽活動なんか出来るはずがない、いや日常生活にも支障が出てくるのではないか。そんなT-岡田と安達不足の日々を過ごすくらいならば見に行こうじゃないかと。T-岡田と安達の活躍を目に焼き付けて来ようじゃないかと。奮い立って今回向かったのは大阪舞洲地区。IR誘致でも最近頻繁に耳にする大阪ベイエリア舞洲。その舞洲に一昨年新設されたスタジアム「オセアンBS(バファローズ・スタジアム)舞洲」を訪れる事にした。



開幕早々に打撃不振で2軍に降格したT-岡田 ©文藝春秋


ファームをサポートする醍醐味とは?


 関西では桜満開のこの季節。しかし屋外球場での野球観戦にはいささか肌寒さも残る、そんなこの時期ならではの気候だ。プレイボールから少し遅れて到着した自分の目に飛び込んで来たもの、それはネクストバッターズサークルでタイミングを取るいつものT-岡田の姿だった。「今は我慢のしどきだぞ」と心の中で呟きながらT-岡田の打席を見守る事にした。思えば2軍スタジアムに来たのも久しぶりだ。普段は豆粒程にしか見る事ができない選手達のプレー、いや表情までもハッキリと確認する事が出来る。場内アナウンスも1軍に比べてほっこりとしていて、それはそれで心地よい。「ど平日のデーゲームによくもまぁこれだけの人間が集まれるな」とある意味で非日常を味わえるスタンドの感じも“ならでは”である。



 せっかく舞洲に野球を見に来たのだからと球団にお願いしてファーム主催ゲームの話を少し聞いてみる事にした。今回快く話し相手をしてくれたのはファームスタジアムDJの浜崎剛アナ。自分が舞洲に来たかった理由、それははもちろんT-岡田と安達のプレーを見たかったのもあるのだが、実はこの浜崎アナにお会いしたいと以前から思っていたからだ。ある意味自分と似たようなジャンルかとも思える“野球場で声を使った”ファンエンターテイメント。それも主催試合の現場で大車輪の活躍をする彼から少し話を聞いてみたかったのだ。


「ファームをサポートする醍醐味ですか? やっぱりここで一緒に戦った仲間達が、京セラやほっとと言った1軍の大舞台で活躍しているのを観れる事ですよね。昨年までここで頑張っていた西浦選手や翼(榊原翼投手)が今年は1軍で活躍している。本当に嬉しい限りです」と浜崎アナは嬉しそうに口にする。



「翼なんかこの前、『もう舞洲には戻りませんから』と豪語していました。会えないのは会えないで寂しいんですけどね」


 笑顔の浜崎アナからそんな言葉を聞いた時、自分には強烈に増井投手の顔が浮かんだ事は内緒にしておこう。



「ファームは面白いです。何より選手と距離が近い」


 良い話だけだと少し悔しいので、意地悪な質問もぶつけて見た。育成主体の希望に満ちた選手と、今回のT-岡田や安達のように悔しさと再起への誓いでここにいる選手。同じフィールドで戦うにはあまりに環境と境遇の違う選手がいるのだから、選手達と接する事が実は意外に難しいのではないかと、ふと思ったのだ。意地悪というか、本当はそこが聞いてみたかった所なのかもしれない。しかし、彼は迷わず口にした。


「その辺で接し方に迷う事は確かにあります。でも、いかに境遇の違う彼らでも目指す場所は同じ、みんな1軍のグラウンドなんです。そう言った意味では僕らにできる事は限られています。選手達が1軍に上がる事を全力でサポートする、実はそれだけなんですよ」


 夕暮れの舞洲の太陽のせいか、何とも彼の笑顔に深みが増す。



「DOMIさん、ファームは面白いです。何より選手と距離が近い! グラウンドレベルまでの距離もそうなんですがサイン会やハイタッチ、お出迎え等、1軍では決して実現出来ないようなファンサービスがここにはあります。是非みなさんで観戦に来て頂けるようDOMIさんも色々な人に宣伝して下さいね」


 確かに。驚くようなファンサービスが京セラのみならず舞洲にも溢れていて流石ORIXだと感心した。


「ウチのファーム観戦は有料なので、ファームを無料で開放している球団さんとはサービスの充実が違います! 自信を持って言えますよ」


 う〜ん、最後の一言まで流石ORIX。1軍からファームまでぶれない姿勢がやはり素敵である。


 舞洲を後にする際、 今日のT-岡田の3点タイムリーを思い出した自分は少しニヤついていたかもしれない。うん、確かにファームは面白い。また文春コラムのネタを探して舞洲を訪れる事としよう。しばらくはT-岡田と安達の京セラでの元気なプレーを待ちわびる、そんなライトスタンドへの土産話でも探す事にしようか。


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(DOMI)

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