市川知宏、『あんぱん』で念願の朝ドラ初出演 オーディション最終で落ちた過去も「約10年越しに…」
2025年4月14日(月)6時0分 マイナビニュース
●主人公・のぶの幼馴染で海軍中尉の貴島勝夫役にやりがい
俳優の市川知宏が、現在放送中の連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合 毎週月〜土曜8:00〜ほか ※土曜は1週間の振り返り)で朝ドラ初出演を果たす。演じるのは、主人公・朝田のぶ(今田美桜)の幼馴染で海軍中尉の貴島勝夫。14日放送の第11回で初登場する。市川にインタビューし、オファーを受けたときの心境や朝ドラへの思い、そして役どころについて話を聞いた。
112作目の朝ドラとなる『あんぱん』は、アンパンマンを生み出したやなせたかしさんと妻・暢さん夫婦をモデルに、何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。小松暢さんがモデルのヒロイン・朝田のぶ役を今田美桜、やなせたかしさんがモデルの柳井嵩を北村匠海が演じ、脚本は中園ミホ氏が手掛ける。
——朝ドラ初出演が決まったときの心境をお聞かせください。
とにかくうれしかったです。20代の頃は、朝ドラのオーディションを受けていたのですがご縁がなく、30代になってからはオーディションの機会も少なくなってきていたので、まさか出られるとは思っていませんでした。今回、『花子とアン』(2014)のときのオーディションでご一緒した(柳川強)監督が、貴島役が合うのではないかと思い出してくださったそうです。『花子とアン』は最終オーディションで落ちてしまったので、当時は本当に悔しくて。約10年越しに出演させていただけることになり、驚きと喜びがありました。
——約10年前のオーディションがきっかけで出演が決まるということがあるんですね。
監督が2年前にNHKの夜ドラに出ているのを見て思い出してくださったそうで、続けていたら叶うものなんだなと。積み重ねが大事だなと思いました。年齢が上がってオーディションの頻度が減ってきていたので、出たいという思いを忘れつつありましたが、今回出られるとなったときにすごくうれしくて、やっぱり自分は朝ドラに出たかったんだなと感じました。
——改めて朝ドラに抱いているイメージを教えてください。
ここまで歴史のある枠組みはなかなかないと思うので、役者業をしている人たちが出たいと思う作品という印象です。僕自身もそうで、若い頃は憧れが強かったです。
——貴島中尉という役についてはどう思いましたか?
男としてかっこいいなと思いました。1935年という戦前の設定で、ちょっと不穏な空気が漂っていたと思いますが、『あんぱん』に登場するキャラクターはそれぞれ苦悩しつつも、明るくひたむきに懸命に頑張っている人たちが多く、貴島はその中でも、これから起こる戦争に対して、国を背負って頑張って訓練や勉強をしていて、時代を表す意味で陰の部分を背負ったキャラクターだと思いました。それはプロデューサーや監督からも言われていて、最初に出てくる軍人ですし、戦前という空気を担うキャラクターとして、軍人らしさや、国を背負って懸命に生きているという姿勢をしっかり演じ、視聴者の皆様に届けないといけないなと思いました。
——『アンパンマン』との関わりもお聞かせください。
自然と見ていたという感じで、お風呂に浮かぶグッズやアンパンマンの顔のボールとかもありました。今でもたまに見ていて、国民的に愛されている作品なので、見るとやっぱり安心します。甥っ子と姪っ子と横浜アンパンマンこどもミュージアムも2回ぐらい行ってテンション上がりました!
——ご自身も親しまれてきた『アンパンマン』の生みの親であるやなせさんと妻・暢さんの物語に出られるという喜びもありましたか?
そうですね。日本人の誰もが知っている作品で、みんな興味があるテーマだと思いますし、やなせさんはみんなを元気づけたい、勇気づけたいという思いで『アンパンマン』を生み出されたと思いますが、その裏には弟さんを戦争で亡くされたり、つらい経験があって、そこにたどり着いたのだと思います。やなせさん自身も戦争を経験されていて、それが『あんぱん』において大きな出来事になると思いますが、貴島も戦争や国を背負うという、その1ピースを担わせていただけたことがすごくうれしかったですし、責任を伴う役だなと思いました。
●憧れていた朝ドラの現場に緊張も「喜びを噛みしめていた」
——念願の朝ドラの現場はいかがでしたか?
「朝ドラの現場にいる!」と思って緊張してしまい、自分の中に入り込んでいろいろ考えてしまいました。なので、あまり共演者の方とお話しすることができず、もっと自分から話しかけられたらよかったなと思っています。
——朝田家のシーンもあるそうで、その感想もお聞かせください。
一線で活躍されている、魅力的な役者さんがこんなに集まっている中で、お芝居するという環境はなかなかないなと思いました。その中でお芝居させてもらったので、リハーサルはすごく緊張しました。いきなり本番だったらガチガチになっていたと思うので、リハーサルがあってよかったです。
——憧れていた現場だったからこそ緊張が大きかったんですね。
そうですね。あと、渋谷のNHKのスタジオは僕にとってオーディションで行く場所だったので、そういう変な緊張もあって。オーディションで行っていた場所で収録できていることがうれしくて、朝田家のシーンでもその喜びを噛みしめて浸っていました。そして、もっと頑張らないといけないと改めて思いました。
■市川知宏
1991年9月6日生まれ、東京都出身。2008年、第21回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」にてグランプリを受賞し、芸能界入り。2009年、カンテレ・フジテレビ系ドラマ『カイドク〜都市伝説の暗号ミステリー〜』で俳優デビューし、数々のドラマや映画などに出演。2020年から2021年にかけてテレビ朝日系特撮ドラマ『仮面ライダーセイバー』でユーリ/仮面ライダー最光役を演じた。2025年度前期の連続テレビ小説『あんぱん』で朝ドラ初出演。