いっそコメンテーターがいなくなればテレビもマシになる?

4月14日(金)7時0分 NEWSポストセブン

コメンテーターがいなければTVがマシになる?

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 テレビの情報番組やワイドショーをつけると、様々な肩書きの「コメンテーター」たちが政治から芸能ニュースまでアレコレと意見を述べている。しかし専門的でもなければ意外性があるわけでもない、どーでもいい“うす〜い”コメントばかり聞かされて、視聴者もいいかげんウンザリしてきているのではないだろうか。


 例えば、女優・清水富美加が「幸福の科学」に出家するために事務所を離脱した騒動を報じる『ビビット』(TBS系・2月15日放送)で、オリエンタルラジオの中田敦彦はこう口にした。


「働き方が妥当だったかどうかだと思う。不当な働き方をさせられていて、こういう辞め方をするのは普通。でも、ちゃんとしていたのであれば、この辞め方は非常に問題がある」


 また、旅行会社てるみくらぶの破綻問題を取り上げる『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系・3月29日放送)では、カンニング竹山はこう語った。


「払うべきところを払っていなくて、お客さんにどうぞいってらっしゃいと言ってるわけですから、ある意味これは騙したってことになるわけじゃないですか」


 各局のワイドショーを騒がせた「森友学園」問題では、専門家として政治ジャーナリストや政治評論家たちも登場したが、こんな違和感もあった。


 情報番組に引っ張りだこだった元TBS政治部記者の山口敬之氏が、安倍昭恵夫人が籠池夫人と交わしていたメールについて、


「最後のメールは昭恵夫人なりのお別れのメッセージ」(テレ朝系『モーニングショー』・3月20日放送)


 昭恵夫人付きの職員が籠池氏に送っていたファックスについては、


「谷(査恵子氏)さんのファックスは非常に完璧な答えだったよね、というのが内閣府と官邸の受け止めなんですね」(フジ系『直撃LIVE グッディ!』・3月29日放送)。


 まるで政府の代弁者かのように昭恵夫人や内閣府、官邸の感情を語るのだ。こうした事態には、元テレビマンたちも失望をみせる。元日本テレビ政治部長で、日本大学客員教授の菱山郁朗氏はこう言う。


「ネットを含め情報があふれているから、今の記者はそうした情報を運ぶだけの“ポーター”になっている。取材で疑惑の本丸を追及すべきが、足で稼いだネタがないから、コメンテーター頼みの番組作りになっているのです。ワイドショーは芸人のネタ披露の場ではないのです」


 元NHKヨーロッパ総局長の大貫康雄氏も、こう指摘する。


「日本は情報閉鎖国家で、海外の報道番組がどう作られているかをまったく知らない。欧州なら隣国の報道と比較できるし、米CNNでは、たとえば、トランプ陣営—反トランプ陣営と対立する両陣営を呼んで、意見を戦わせる。日本では民間人である籠池氏をよってたかって叩き、政府による問題のすり替えに乗っかっている。これは深刻な問題だと思います」


 ネット番組「ニューズオプエド」のプロデューサー・アンカーを務めるメディアアナリスト上杉隆氏は、日本のテレビでこうした問題が起きる原因をこう分析する。


「政治評論家は官邸に忖度し、コメンテーターは、同じ番組に出ている政治評論家に忖度し、インテリ芸人もコメンテーターに忖度して話が違った方向に行きかけると、引き取って茶化してにごす。政府の圧力なんて何もないのに、忖度の積み重ねで結果として政府の言いなりの番組になっていくわけです」


 いっそ、コメンテーターがいなくなれば、テレビも少しはマシになるのかもしれない。


※週刊ポスト2017年4月21日号

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