NHK会長 「軍艦島」元島民への謝罪にコメント「誠心誠意対応させていただいた」
2025年4月16日(水)14時24分 スポーツニッポン
NHKの稲葉延雄会長が16日、東京・渋谷の同局で定例会見を行い、長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)を扱ったNHK番組「緑なき島」について、元島民が事実と異なる映像により名誉を傷つけられた抗議している問題について改めて言及した。
同問題を巡っては、稲葉会長が先月26日に元島民に直接面談。「長期にわたって大変おつらい思いをさせたことに対して、NHK会長として大変申し訳なく思っています」と謝罪した。
同番組は端島で暮らす島民の日常生活などを描くもので、1955年に制作。その後、韓国の公共放送KBSに提供され、同国内で放送された際、劣悪に見える端島炭坑内の映像が強制労働の証拠として扱われた。
元島民らは炭鉱内の一部映像は端島で撮影されたものではなく、名誉を傷つけられたとして、訂正と謝罪を求め、昨年12月に民事調停が成立。その中でNHKは一部の映像が端島炭坑内のものだと確認できなかったことを認めていた。
稲葉会長は「先月26日に、元島民の方と直接お会いさせていただきまして、大変長い間にわたってつらい思いをさせてしまい、申し訳ないという心からの気持ちを伝えさせていただきました。これを元島民の方に直接お伝えすることができて、私としては良かったなというふうに思っています」と改めて謝罪。「もちろん、元島民の方としては十分ではないというお気持ちが残っているのもしれませんが、調停が成立したことを踏まえて、私としては元島民の方に思いをはせつつ、誠心誠意対応させていただいた、そういう気持ちがあります」とコメントした。
今回の謝罪の件はNHKの番組では報道されなかった。この件については「ニュース報道については個別の編集判断について、コメントを差し控えさせていただきますけれども、いろいろな番組でどのように扱っていくべきかについては報道機関としての編集権に基づいて自主的に判断させていただいている」と見解を示した。
報道がないことで、会長の気持ちが広く伝わっていないのでは?との意見も出たが、稲葉会長は「元島民の方に対して、そういう気持ちをお伝えさせていただきまして、それなりに伝わってるというふうに考えております」と私見。「私としては元島民の方に私の気持ちを率直にお伝えしたいというのが大事な要件で、それは伝わっていると思ってます」とした。