いつまでたってもお兄ちゃんでいたい!「機動戦士ガンダム」シスコンを確定させたシャア目線のセイラ
2025年4月17日(木)7時0分 ABEMA TIMES

シャアといえば、執着心の男である。アニメ「機動戦士ガンダム」第31話では、そんなシャア・アズナブル(CV:池田秀一)の“妹セイラ”への強烈な執着が、改めて浮き彫りになる印象的なワンシーンが描かれている。
【映像】なぜかコミカルなお兄ちゃん目線のセイラ(17分39秒ごろ〜)
物語は、ホワイトベースがジャブローを発ち、地球連邦軍の正規軍、第13独立部隊として宇宙へ戻るところから始まる。一方、シャアは彼らを追うべく、旗艦ザンジバルで急行。追撃の途中、ホワイトベースの熟練した戦闘スタイルを見て、ふと妹の存在を思い出す。
「聡明で、戦争を人一倍嫌っていたはずのアルテイシアが……再び宇宙戦艦に乗りこむなどあり得んな」——シャアはホワイトベースへの砲撃準備が整った瞬間、誰にともなくつぶやいた。
「アルテイシア、乗っていないだろうな……」妹を気遣うその言葉の直後、シャアの脳内にアルテイシアの記憶がフラッシュバックする。そこに現れたのは、笑顔で手をふりながら走り寄ってくる幼少期のセイラだった。
しかも“ボヨヨーン”という謎の効果音まで添えられており、緊張感に包まれた戦場とはあまりに不釣り合いな、どこか笑ってしまうような演出となっていた。
この描写は、幼い頃のセイラ・マスことアルテイシアに対するシャアの理想化された記憶を象徴しているのかもしれない。現実にはすでに凛とした女性士官として自立しているセイラだが、シャアの中ではいつまでも「守るべき妹」のままなのだ。
シャアの回想の中のセイラは、まるで「お兄ちゃん、だ〜いすき!」とでも言いそうな雰囲気だった。そのギャップは思わず笑ってしまうほどだが、裏を返せばこれは、シャアがどれほど兄という立場にこだわっているかの証明でもある。
このシーンを境に、シャアとセイラの関係はさらに複雑さを増していく。敵対する立場にありながら、どこかで「兄」としての自分でいようとする彼の執着は、後のエピソードで悲劇的な対立を招くことになる。
あの効果音にすらシャアの願望が込められていたとしたら、それはやっぱり、“ちょっとお兄ちゃん、重い”……?というより、完全にシスコンだったのかもしれない。
アニメ「機動戦士ガンダム」は1979年4月から1980年1月まで放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、富野由悠季監督が手掛けた作品。“リアルロボットアニメ”という新ジャンルを開拓し、以後のロボットアニメに多大な影響を与えた。放送当時の視聴率は振るわなかったが、再放送や劇場版の公開で人気が急上昇すると、「ガンプラ」ブームも生まれた。以降のガンダムシリーズや、スピンオフなどの派生作品も多数制作され、現在も高い人気を誇る。
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