舘ひろし、藤井道人監督最新作で7年ぶり単独主演 『港のひかり』11.14公開決定 共演に尾上眞秀

2025年4月17日(木)6時0分 クランクイン!

舘ひろしが7年ぶりの単独主演を務める、藤井道人監督最新作『港のひかり』が、11月14日より公開されることが決定した。共演に歌舞伎界の新星・尾上眞秀を迎えるほか、名キャメラマン・木村大作が撮影を担当。併せて、舘と尾上を捉えた場面写真が解禁された。

 本作は、元ヤクザの“おじさん”と、両親を事故で失い視力を失ってしまった不遇の少年との十数年間の友情を描く物語。親子以上に年齢が離れ、出自も全く関係がなかった二人の交流を通して、たとえ血のつながりはなくても「誰かのために生きる」という自己犠牲の精神が胸に迫る感動エンタメ大作となっている。

 監督は、『余命10年』や日台合作の『青春18×2 君へと続く道』で男女の繊細な思いを紡ぎ、『ヤクザと家族 The Family』では現代任侠の生きづらさや人間味を鋭く描き出すなど、幅広いジャンルを手掛けてきた藤井道人。今回、『鉄道員(ぽっぽや)』ほか数多くの名作の撮影を担ってきた名キャメラマンで、監督としても『散り椿』『劔岳 点の記』などを作り上げた木村大作と初タッグを組み、北陸の港町を舞台にした完全オリジナル脚本に挑んだ。

 撮影は、2023年10〜12月に能登半島・富山県にて全編フィルムで敢行。クランクアップ直後に起こった能登半島地震の影響により、海が隆起してしまい入船することが難しくなってしまった大沢漁港や、焼失してしまった輪島の観光名所・朝市通りなど、重要なシーンの多くを、美しい輪島や富山の情景の中で撮影した。

 その中で主演を演じるのは、舘ひろし。藤井とのタッグは、『ヤクザと家族 The Family』(2021)以来2度目となる。藤井監督との映画をもう一本撮りたいと熱望していたという舘は、今回企画から作品に参加。監督と脚本の内容について、何度も打合せを重ねていたという。その打合せの中で舘は、無償で自らの人生をささげる愚直な男という、故・渡哲也の面影を宿すようなキャラクターを演じたいと直談判。舘の熱い思いを受け、藤井監督が脚本を練り上げた。

 舘は「人の強さとは何か、誰かのために生きるとはどういうことか、かつて親分に教えられたその思いを愚直に守りながら、漁師として孤独に生きようとする男を演じました。この役は藤井監督と何度も話し合い作り上げたものです」と、本作に懸ける熱い思いをコメント。そして「“強い男”とは何かを考えたとき、石原裕次郎さんや渡哲也さんの生き様が頭をよぎりました」と、自分を育ててくれた先輩の影を投影したと明かした。

 今回、新しい挑戦として日本映画界のレジェンドとも言える木村とのタッグに挑んだ藤井は「発見と勉強の連続で、沢山の偉大な背中を見せていただきました」と撮影現場を振り返り、「ロケーションへの敬意、撮影現場での情熱、そして何より映画への愛。35mmフィルムでの撮影、モニターのない撮影現場のスタッフ、キャストの集中力は凄まじく、『先輩たちは、この集中力の中で映画を作っていたのか』と圧倒されました」と、先輩映画人たちへの敬意をにじませた。

 一方木村は、「この作品のショートプロットを読んだとき、これは他人への自己犠牲の物語であり、今までにない新しい映画ができると思った」と述懐。監督としてのキャリアも持つ木村は、本作の映像について藤井監督と打合せを何度も行い、「この作品は、元ヤクザの漁師が盲目の少年のために自らを犠牲にして光を与える、という限りなく非日常の物語。だからリアリティではなく、叙事として作りたい」と撮影手法だけではなく、どう観客に見せたいかまで議論を重ねたと明かした。

 様々な映画人がお互いの思いをぶつけ合って生まれた本作。舘は「大スクリーンでこそ味わうべき、一見の価値がある映画です。きっと映画史に残る感動作だと自負しております」と並々ならぬ自信を見せている。

 本作において、もう一人の主人公とも言える重要なキャラクターが、事故により両親を失い、自身の視力も失ってしまった不遇の少年・幸太。演じるのは、寺島しのぶの息子として、歌舞伎界でも注目を集める尾上眞秀。本作で映画初出演を果たした尾上は、理不尽で辛い境遇にいる少年という難役について「撮影前に盲学校に行かせてもらったり色々準備をしました。お芝居の中で特に難しかったのは涙を流すシーンでした」とコメント。

 続けて「舘ひろしさんはいつも優しくて、撮影が終わったらよく焼肉屋さんに連れて行ってくださいました。藤井監督や藤井組のスタッフの皆さんにもとてもよくしていただきました。キャメラマンの木村大作さんもすごく優しかったです」と、初の映画出演で緊張しながらも充実した環境で撮影に臨んだことを語った。

 そんな尾上の演技について、藤井監督は「日本映画界の未来といっても過言ではない尾上眞秀くんも、素晴らしい演技でスクリーンを彩ってくれています」と称賛。ファインダーで見つめ続けていた木村も「映画初出演とは思えない、自然体で豊かな感情表現を見せてくれた」と太鼓判を押した。今後は、成長した幸太を演じる俳優にも注目が集まりそうだ。

 解禁された場面写真は、元ヤクザで漁師のおじさん(舘)の船に乗る幸太(尾上)を捉えたもの。見えないはずの海を感じ微笑む幸太と、彼の隣に立ち遠く海を見つめるおじさん。2人の間に親子以上の年の差を感じさせないほど心の交流があることを感じさせる、フィルムの質感そのままのエモーショナルなスチールとなっている。

 映画『港のひかり』は、11月14日より全国公開。

※キャスト&スタッフのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■舘ひろし(おじさん役)

2021年公開の映画「ヤクザと家族」の撮影が終わった時、藤井監督と「必ずもう一度ご一緒したいです」と約束しておりました。その後、東映さん、スターサンズの河村プロデューサー、藤井監督とともに、約3年間にわたり企画について議論を重ねてきました。紆余曲折しながらも、「深みのある人間ドラマを作りましょう」と河村プロデューサーから一枚のプロットをいただき、即決しました。

今回、私が演じたのは、すべてを捨てた元ヤクザという役どころです。「人の強さとは何か」「誰かのために生きるとはどういうことか」かつて親分に教えられたその思いを愚直に守りながら、漁師として孤独に生きようとする男を演じました。この役は藤井監督と何度も話し合い作り上げたものです。“強い男”とは何かを考えたとき、石原裕次郎さんや渡哲也さんの生き様が頭をよぎりました。
                           
本作は、日本映画界を代表するキャメラマン・木村大作さんが、35mmフィルムに地震前の能登半島の美しい自然を、役者の心情と共に見事に焼き付けてくださいました。また、地元の皆様の多大なるご協力をいただきながら完成した作品です。現在、能登半島は復興の途上にあり、大変な状況が続いておりますが、本作を通じて少しでも恩返しができればと願っております。

大スクリーンでこそ味わうべき、一見の価値がある映画です。きっと映画史に残る感動作だと自負しております。ぜひ劇場でご覧ください。

■尾上眞秀(幸太役)

港のひかりの撮影で一ヶ月くらい能登にいました。僕にとって初めての映画だったので張り切ってやりました。幸太は孤独で目が不自由な役だったので、撮影前に盲学校に行かせてもらったり色々準備をしました。お芝居の中で特に難しかったのは涙を流すシーンでした。

舘ひろしさんはいつも優しくて、撮影が終わったらよく焼肉屋さんに連れて行ってくださいました。藤井監督や藤井組のスタッフの皆さんにもとてもよくしていただきました。撮影中寒かった時はみんなであったかくしてくださったりして、嬉しかったです。撮影最後の日は本当に皆さんと別れたくありませんでした。キャメラマンの木村大作さんは怖い方なのかなと思っていましたが、すごく優しかったです。

この映画は二年前に撮影したのであまり細かいことは覚えていませんが、試写を見てまだ小さかったなぁと思いました。撮影中は沢山美味しいものを食べました。地元の方にもとても親切にしていただきました。地震や災害の事をとても心配しています。この映画で皆さんに少しでも元気になっていただきたいと思います。

■藤井道人(監督・脚本)

2022年に急逝した河村光庸プロデューサーの企画である『港のひかり』は、自分の人生においてもとても意味のある作品になりました。『自己犠牲』をテーマに描かれる本作は、『ヤクザと家族 The Family』以来、常に気をかけてくださっていた舘ひろしさんを主演に迎え、北陸・能登半島の美しい景色と地元の皆さまのお力で完成した日本映画です。

そして木村大作さんとの共同作業も、発見と勉強の連続で、沢山の偉大な背中を見せていただきました。ロケーションへの敬意、撮影現場での情熱、そして何より映画への愛。そのすべてが、デジタルによって便利に、そして簡易になった現代へのメッセージともとれる大作さんの哲学を感じました。35mmフィルムでの撮影、モニターのない撮影現場のスタッフ、キャストの集中力は凄まじく、「先輩たちは、この集中力の中で映画を作っていたのか」と圧倒されました。大作さんはじめ、美術の原田満生さん、音楽の岩代太郎さんなど、日本映画を代表する先輩方と若輩者の藤井組が一つの集合体となり、『港のひかり』を作れたこと、誇りに思います。

そして、何より主演の舘ひろしさんが現場の中心に立って下さり『監督、楽しんでますか?』といつも優しく声をかけてくれたことが、毎日の心の支えでした。日本映画界の未来といっても過言ではない尾上眞秀くんも、素晴らしい演技でスクリーンを彩ってくれています。本作公開まで是非楽しみにしていてください。そして撮影地でもある、北陸地方の皆さまの一日でも早い復興を、心より願っています。

■木村大作(撮影)

映画100年の歴史の中で名作と言われる作品も、実は過去の作品の模倣の連続であり、その模倣を超えてオリジナリティを生み出している。この作品のショートプロットを読んだとき、これは他人への自己犠牲の物語であり、今までにない新しい映画ができると思った。

キャメラマンとして「映画を撮る」のではなく、「映画を作る」というスタイルを貫き通してきた私は、「この作品は、元ヤクザの漁師が盲目の少年のために自らを犠牲にして光を与える、という限りなく非日常の物語。だからリアリティではなく、叙事として作りたい」という意志を藤井監督に伝え、その意志をベースに、能登半島・富山の素晴らしい場所にこだわって撮影を行った。そこに立つ舘ひろしは、誰かのために生きる男を情感たっぷりに演じ、自分がこの人を一番表現できる位置にキャメラを据えた。

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