ルーシー・ボイントン出演『キングスマン』の元ネタ「ハリー・パーマー」記者会見レポ到着

2022年4月18日(月)18時30分 シネマカフェ

「ハリー・パーマー 国際諜報局」 (C) Altitude Film Entertainment Limited 2021 All Rights Reserved. Licensed by ITV Studios Ltd.

写真を拡大

ジェームズ・ボンドとは対極の主人公として60年代に一世を風靡した“元祖黒縁メガネスパイ”が半世紀ぶりに復活する最新海外ドラマシリーズ「ハリー・パーマー 国際諜報局」が、5月6日(金)よりスターチャンネルEXにて配信開始。日本上陸に際し、イギリスでの放送前、昨年12月にロンドンで開かれたオンライン記者会見のレポートが到着した。

本作の原作は作家レン・デイトンが1962年に「007」へのアンチテーゼとして執筆したスパイ小説「イプクレス・ファイル」。『国際諜報局』(原題:THE IPCRESS FILE)として映画化され、主人公ハリー・パーマーを演じたマイケル・ケインを一躍スターにした。労働者階級出身、黒縁メガネで料理好きとジェームズ・ボンドとは対照的なキャラクターは人気を博しシリーズ化。映画『キングスマン』シリーズがオマージュを捧げた作品としても知られている。

そのハリー・パーマーが新たなキャストで57年ぶりに復活。「ピーキー・ブラインダーズ」『暁に祈れ』のジョー・コール、『ボヘミアン・ラプソディ』ルーシー・ボイントン、『キングスマン:ファースト・エージェント』トム・ホランダーら豪華キャストで、映画『トレインスポッティング』のジョン・ホッジが初のTVドラマ脚本を手掛け、「ブラック・ミラー」のジェームズ・ワトキンスが監督した。

——ドラマ化の経緯と思いは?

ジョン・ホッジ:10代の頃から原作の大ファンでした。スパイ物は暗い話が多いけど、シリアスな中にユーモアや人との交流の温かさがあり、原作にある人間性や人間愛のようなものを描きたいと思いました。

ワトキンス監督:8年くらい前から映像化の構想がありました。レイシズムとの戦い、女性の扱いなども含んだスパイ・サスペンスというアイデアをジョンに話し、練りました。ウィット、ユーモア、危険なスパイの世界などの原作の持ち味を活かしたいと思いました。

——ハリー・パーマーを演じることにプレッシャーはありましたか。

ジョー・コール:実はハリー・パーマーについて詳しくはなかったのですが、調べるうちにとても重要なキャラクターだとわかり緊張しました。これまでとは違うタイプの役を演じるチャンスであり、偉大なマイケル・ケインの物真似にはならないように心がけました。

——ジーン・コートニーというキャラクターについて。

ルーシー・ボイントン:ジーンはジョンの脚本によって原作よりも深堀りされています。彼女の物語を通じて、60年代の男社会のなかで女性がどういう存在だったか、当時若い女性が体験したことが描かれています。

——ポール・マドックスのキャラクターについて。

アシュリー・トーマス:60年代はアフリカ系アメリカ人に対して人種的抑圧があったという問題をちゃんと扱いたいと監督と話し合いました。この時代、能力の有無に関わらず、黒人が機会を与えられることは少なかった。ポールがCIAエージェントという役職についているのは、彼に大変な能力があるということであり、敬意をもって臨みました。

——ドルビー少佐を演じていかがでしたか?

トム・ホランダー:ジョンが手掛ける初めてのTVドラマで、本当に素晴らしい脚本です。ドルビーは葛藤を抱えたキャラクターで演じるのはとても楽しかった。

——世界中を舞台にしたスケール感のある作品ですね。

ワトキンス監督:ベイルート、南太平洋の島、フィンランドなどが登場します。でも、『007』のような紀行映画にするつもりはありませんでした。ジェームズ・ボンドはスーパーヒーローだけど、ハリー・パーマーは普通の人間です。週末は働かず、料理が好きで、経費を請求する(笑)そういう生活感のある人物なんです。

——衣装も素晴らしいですね。

ワトキンス監督:1960年代のファッションを研究して、キャラの性格も組み込んで考えました。今はいろいろ大変なことが多いときですから、現実逃避かもしれないけど、エレガントな世界を楽しんで欲しいです。


「007」へのアンチテーゼ的な主人公を57年ぶりに映像化

1965年にマイケル・ケインが主人公ハリー・パーマーを演じ大ヒットした『国際諜報局』の原作で、世界で1000万部のベストセラーとなったレン・デイトンのスパイ小説を57年ぶりに新たに映像化。『国際諜報局』は当時先にヒットしていた「007」シリーズのジェームズ・ボンドと対照的なキャラクター設定の主人公を描き大ヒット。BAFTA(英国アカデミー賞)作品賞などを受賞しシリーズ化された。

その後『オースティン・パワーズ』ではパロディ化され、『キングスマン』では主人公の名前、黒縁メガネと傘などハリー・パーマーにオマージュを捧げており、多くのスパイ映画に影響を与えている。本作は『トレインスポッティング』で英国アカデミー賞脚色賞を受賞したジョン・ホッジが初めてTVドラマの脚本を手掛け、全6話の尺を活かし主要キャラクターの人物像を深掘り、映画版では描かれなかった数々のシーンを映像化。2022年3月6日英ITVで放送を開始した、壮大なスケールのスパイ・サスペンスだ。

ジョー・コール、ルーシー・ボイントン、トム・ホランダーら豪華英国キャストの共演

新ハリー・パーマー役に抜擢されたのは、「ピーキー・ブラインダーズ」でキリアン・マーフィの弟役を演じ、強烈なインパクトを残した注目の俳優ジョー・コール。彼は頭脳明晰で料理好き、シニカルだが冷酷ではない労働者階級出身のハリーをマイケル・ケインとは違うアプローチで演じている。

映画版では助手に過ぎなかったジーン役は本作では男性優位社会で活躍する優秀な女性スパイとして描かれ、演じるルーシー・ボイントンは60年代のファッションに身を包んで活躍する。

そして彼らを率いる上司のドルビー役に『キングスマン:ファースト・エージェント』も記憶に新しいトム・ホランダー、CIAエージェントのマドックス役にAmazonOriginalシリーズ「ゼム」アシュリー・トーマスとイギリスの豪華スターの共演に注目。


深掘りしたハリー・パーマー像、マイケル・ケイン版へのオマージュも

本作ではハリー・パーマーがかつて朝鮮戦争に従軍していたことや離婚を望んでいる妻がいること、軍法違反行為で投獄されるまでのエピソードなど、映画版では描かれなかった彼のバックグラウンドが詳しく描かれ、人物像により一層深みが与えられている。ジーン・コートニーも60年代の女性が持っていたであろうリアルな葛藤を抱えた深みのあるキャラクターに。

さらに米国が原爆実験を行う太平洋環礁の島やベルリンの壁、ベイルート、フィンランドなど舞台が世界にまたがりスケール感が大幅にアップしている点も魅力の1つ。一方で映画版へのオマージュとされるオープニングシーンや、パーマーのコーヒーの淹れ方、象徴的なカメラアングルなど、映画版から踏襲した点も多く、パーマーのアイコニックな黒縁メガネや、ユーモラスなキャラクター像はもちろん健在。

2022年1番の話題作に世界が注目!続編も期待

本国ITVの放送が始まる前から日本のほか米国、オーストラリア、香港、インド、インドネシア、マレーシアでの放送・配信がすでに決定しているという異例の注目度。製作総指揮のウィル・クラークはハリー・パーマーシリーズの原作本の残り3本についてもドラマ化の権利とキャラクター権を取得済みと明かしており、シリーズの継続が大いに期待できる。

シネマカフェ

「記者会見」をもっと詳しく

「記者会見」のニュース

「記者会見」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ