霞が関が恥部を晒して政権に自爆テロ 省庁再編巡り全面戦争

4月18日(水)7時0分 NEWSポストセブン

柳瀬氏は当初「記憶の限りお会いしていない」と繰り返したが…(共同通信社)

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 加計学園の獣医学部認可問題で官邸中枢に火が回った。〈本件は、首相案件〉という、柳瀬唯夫・元首相秘書官(現在は経済産業審議官)の発言を記録した愛媛県庁職員のメモの存在が明らかになったからだ。


 官邸の安倍晋三首相最側近の1人は、公文書問題の噴出はスクープした朝日新聞と手を組んだ霞が関の“謀叛”の動きだと感じ取っている。


「財務省は文書改竄問題で総崩れのように見えるが、責任を負わされたのは佐川宣寿・前国税庁長官だけ。加計メモでは柳瀬審議官という、いずれも総理が目をかけて出世させた2人の官僚が“スケープゴート”にされた。財務省など霞が関の反対勢力はたとえ役所が傷を負っても、政権を潰そうと一斉に自作自演の自爆テロを仕掛けてきたんじゃないか」(経産省出身の官邸スタッフ)


 反乱のきっかけは、官邸から浮上した中央省庁の再々編構想だ。甘利明・自民党行革推進本部長は、3月下旬に各府省に文書を送り、橋本行革の点検と検証のためのヒアリングを行なうことを通告。霞が関に激震が走った。通告が出たのが佐川喚問の直前だったことから、文書改竄問題で追い詰められた安倍官邸が“懲罰”として「霞が関大粛清」に乗り出すと受け止められた。


 自民党内では、「秋の総裁選の前に“新たな省庁再編案”の叩き台をまとめることになるだろう」(自民党幹部)というスケジュールが検討されている。“お家取り潰し”や“解体”の候補には財務省をはじめ、安倍政権の看板政策・働き方改革のデータ改竄を行なった厚労省、外務省、総務省、そして内閣府とほとんどの重要官庁が標的になる。


◆全面戦争が始まる


「官僚を黙らせる」ために新・省庁再編にゴーサインを出した安倍首相だが、官僚に責任を押し付ける姿勢が霞が関全体の怒りを買った。分割対象に名前が挙げられている経済官庁の局長級幹部が語る。


「官邸を裏で牛耳る経産官僚が、この機に省庁再編の主導権を握って総理に行革を吹き込み、権限拡大を図ろうとしているのは明らか。他省はそう見ている。そんな動機で省庁再編をやるというなら、官僚は官邸を信用して仕事ができない。もう総理への忖度は無用になった。財務省を先頭に、間違いなく内閣を潰しにかかるでしょう」


 事実、各省が自らの恥部を晒してでも政権にダメージを与える“自爆テロ”を激化させたのは省庁再編の方針が打ち出されてからだ。


 防衛省は1年間もPKO活動の日報を隠していた問題をいきなり公表し、改竄問題に揺れる財務省は森友学園に売却した小学校用地のゴミ問題について理財局が「口裏合わせ」を要求していたと国会で認めた。


 霞が関と安倍官邸が全面戦争に突入し、官邸に火の手が上がっていった。細田派議員は、「政権の致命傷になる」と心配する。


「省庁再編には大変な労力がかかる。憲法改正を優先する総理はもともと興味がなかった。ところが、党内の改憲論議が思うように進まず、政策的に追い詰められて手を出してしまった。財務省解体など再編に最も意欲的なのは菅義偉・官房長官、そして河野太郎・外相や厚労省分割案をまとめている小泉進次郎氏など首相と距離を置く顔ぶれで、野党にも行革賛成派が多い。


 そうした“抵抗勢力”を懐柔する手段にはなり得るが、それは諸刃の剣でもある。菅さんも再編は次の政権の仕事だと考えているから、論議を始めれば与野党の反安倍勢力が手を組んで首相に過激な改革を要求し、官邸と霞が関の対立を煽ってくる。安倍政権は焼き尽くされてしまう」


 公文書スキャンダルという燃料が次々とくべられる中、政権は火だるまになりつつある。


※週刊ポスト2018年4月27日号

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