『なつぞら』 草刈正雄の演技&セリフに心打たれる人続出

4月18日(木)16時0分 NEWSポストセブン

朝ドラで今最も注目されている泰樹役を演じる草刈正雄

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 第1週から「毎回、泣いてしまう」と大反響を呼んでいる。NHK朝ドラ『なつぞら』が好調だ。第1週の平均視聴率は22.1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録し、過去5年の朝ドラで最高の出だしとなった。


 朝ドラ通算100作目となる節目の本作は、脚本家の大森寿美男さんのオリジナル作品だ。序盤は広瀬すず(20才)演じるヒロインの奥原なつが太平洋戦争で両親を亡くした後、きょうだいと別れて移り住んだ北海道・十勝の牧場で成長する姿を描く。


『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)の著者でライターの木俣冬さんは、今作のヒロイン像についてこう話す。


「明るく元気に爽やかに、夢に向かって一生懸命、苦労した努力が報われそうな予感がするという朝ドラのヒロイン像を満たしています。朝ドラらしいヒロインが帰ってきたなという感じですね」


 懐かしのヒロインが続々登場する点も見どころだ。


松嶋菜々子さん(45才)、岩崎ひろみさん(42才)、北林早苗さん(75才)ら歴代ヒロインが登場するというのも、めくるめく走馬灯のように朝ドラの歴史がよみがえってきてお祭りっぽい。


 過酷な運命を背負いながらも健気に生きた『おしん』を演じた小林綾子さん(46才)がなつに、『いろいろと大変なことがあったんでしょうね』と語りかけるシーンは、おしんが経験した大変さが二重写しになってグッときました。ちょうど今、BSでは『おしん』が再放送されているんですよ(笑い)」(木俣さん)


 さまざまな趣向を凝らすなかで放送後に毎回話題になるのは、なつや歴代女優の言動ではない。草刈正雄(66才)の演技とセリフだ。


 草刈演じる柴田泰樹は、なつが引き取られた北海道・十勝の柴田家の重鎮。泰樹は18才の時に十勝にたったひとりで入植して荒れ地を切り開いたという人物で、偏屈で頑固な性格だが深い愛情をもった「大樹」のような男として描かれる。その一挙手一投足に視聴者はゾッコンだ。


「一つひとつの言葉に経験に裏打ちされた深さがあって、朝から心を打たれます。草刈さんの言葉に涙が止まらなくなってしまった回もありました」(60代主婦)


「一見強面で近寄りがたいのに、なつへの大きな愛情を感じさせる草刈さんの演技がすごい。なんであんなに響くのでしょうか…」(50代主婦)


 泰樹の数々の名言が『なつぞら』の高視聴率を支えていると言っても過言ではない。木俣さんの解説と共に、彼の“言葉”を振り返っていこう。


「『アルプスの少女ハイジ』のおんじに似ていると、『泰樹おんじ』と呼ぶファンもいるようですね(笑い)。厳しさもありつつ、なつのよき理解者であり、いろいろなことを教えてくれる頼りがいのある人物。子供を決して下に見ないので、なつにとっては師匠であり、同志といってもいい存在ですね」(木俣さん・以下同)


 毎回、「泰樹おんじ」のセリフにホロリとくる視聴者は多い。第4話では「無理に笑うことはない。謝ることもない。」「言い合える仲間がいるだけで人は恵まれとる。」「一番悪いのは、人がなんとかしてくれると思って生きることだ。人は人を当てにする者を助けたりはせん。」などの名セリフがあった。そして、なかでも大きな反響があったのは第8話だ。


《怒りなんていうのはとっくに通り越しとるよ。怒る前にあの子は諦めとる。諦めるしかなかったんだ。それしか生きる術がなかったんじゃ。あの年で。怒れる者はまだ幸せだ。自分の幸せを守るために人は怒る。今のあの子にはそれもない。争いごとを嫌ってあの子は怒ることができなくなった。あの子の望みはただ生きる場所を得ることじゃ》


 戦争孤児という身の上のため、普通の子供のように素直な感情を表に出せないなつ。同情し、ただ気を使う周囲の大人と泰樹は一線を画す。そしてなつの胸中をこう代弁する。


「怒れる者はまだ幸せだ」というセリフに木俣さんは「現代性」を読み取る。


「そもそも人が怒ることができるのは、満足や幸せを知っているからとドラマでは語ります。戦後に豊かさを追い求めてバブルが崩壊した今の日本では、何が幸せや満足なのかわからなくなり、怒ることができなくなっています。泰樹の言葉は、未来に希望が抱けず諦めるしかないという現代人の心境を反映している。シンプルでストレートな言葉が好まれる昨今のドラマに珍しい“屈折”したセリフなんです」


※女性セブン2019年5月2日号

NEWSポストセブン

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