「高校“全員”無償化はどうなのか?」に吉村府知事「石丸さん風に言うと“思うツボ”だ」語った真意とは
2025年4月19日(土)7時0分 ABEMA TIMES

実績のある経営者が日本の課題に挑む全く新しい「実績重視」の政治トーク番組、ABEMA『For JAPAN シーズン3 #3』が4月18日に配信。大阪府知事・大阪維新の会代表、日本維新の会代表という三足のわらじを履く吉村洋文氏が、日本維新の会が与党と推し進める“高校授業料無償化の狙い”に答えた。
株式会社ハタメタルワークス代表取締役 畑敬三氏は「社会保障を削減して教育に予算を向けるのは大賛成だが、全員無償化はどうかと思うところがある。例えば経済的な理由で行けない子に支援することは賛成だ」と投げかけた。
これに対し吉村氏は「これは石丸(伸二)さん風に言うと思うツボだなと」と、前回配信で元広島県安芸高田市長で地域政党「再生の道」代表の石丸伸二氏が追求された際の対応を踏まえ、ニヤリ。
「結局、税の使い方が高校とか教育の方に向き始めている。税は国も府や市もそうだが、おかしなところにいっぱい使っている。僕はそれはやめて教育とか子どもの方に投資したいと思っている。子どもたちも将来は納税者になり生産者になり消費者になる。子どもがいない家庭だって誰かが育てた子どもによって社会は成り立っている。と考えた時に子どもにはできるだけ教育であったり、投資であったり、所得制限はかけるべきではないというのが僕の考え方だ。もう一つは、畑さんのお子さんは私学の高校に制度がなくても行けるが、そうじゃない家庭で畑さんの子と同じ学校に通いたい子どもが家庭の環境とか事情で諦める社会を僕は嫌だと思っている」
この回答に畑氏は「そこはすごく分かる。なので所得制限があるのがいいのかどうか」と聞くと吉村氏は「最終的には所得制限論につながると思う」と述べた。
吉村氏が舌を巻く「本当にリアルな意見」

大阪ラセン管工業株式会社 代表取締役社長小泉星児氏は「良い部分と悪い部分がどこかで出てくる。あまり言うべき意見じゃないかもしれないが、『学校のブランド』的なものがあったりして『この学校はこういう人たちが来る』とか、そこがグチャグチャになる。今、息子が通っているところは父の代から通っている学校だがちょっと寂しい気もせんでもない」と本音をこぼした。
これに吉村氏は「これは本当にリアルな意見としてよくおっしゃられたなと思う。高校無償化の時にずいぶん議論してぶつかって賛否がある中でやったが、表に出てきていないが『この学校にこのブランドがあって、こういう家庭層が入ってくる。そうじゃない家庭層が入ってくると、秩序が乱れる。だからやめてくれ』というのはアンダーからすごい声が上がった。でもこれは僕も分かる」と理解を示す。
その上で「理想論を言うわけじゃないがその子が行きたいのであればそこに行ったら変わるかもしれない。皆さんも元々社長で親から継がれている方もいるかもしれないがそうじゃない環境で頑張って社長になられて子どもに教育を受けさせられるようになった人もいると思う。そう考えたら他人の子だけどそういう子が今度そうなるかもしれない。能力が高い子がチャンスを握るべきだと思う」と述べた。
番組MCの古舘伊知郎も「もう時代が違う。固定観念はかなぐり捨ててお嬢さんとかお坊ちゃんしか入れないような固め方をするのは良くない。変わらなきゃダメ」と話した。
吉村氏は「僕は“両方”経験している。自分が裕福ではない家庭で育って勉強して弁護士になってある程度収入を稼げるようになってこういう社会があるんだと知った。日本の子どもに生まれたら行きたい学校を目指せる社会にしたい。政治家として」と決意を語った。
石丸伸二氏「優勝劣敗が生まれた瞬間に決まっている社会を認めちゃいけない」

さらに畑氏は「公立高校にお金を入れてもっと良くする考えはないか?」と質問。
吉村氏はこれに肯定し「今まさに私学を無償化にしているから、公立高校の方も『これじゃまずい』とすごく動き始めている。府立高校は150校あるが全部に海外留学制度を導入し、トイレも綺麗にしたりする。切磋琢磨することによって、教育の方にみんなが向いていく。僕はまさにそっちに向けたい」と答えた。
古舘氏は「石丸さんに聞きたい。東京は無償化をやったので、近隣の埼玉県から東京の私学に来ようと思っても親の住民票で(判断されて)補助が出ない。東京に親の住民票があればどこの近隣の県の私学に行こうがOK。この辺をどうすると思っていたが全国一律というふうになってきた。どう見るか?」と質問。
これに対し元広島県安芸高田市長で地域政党「再生の道」代表の石丸伸二氏は「本当にそこが維新に期待しているポイントだ。都道府県別に自由にやらせたら弱いところと強いところが出てしまう。でもそれって“地獄の様子”だと思う。だって生まれた瞬間に有利な地域と不利な地域がある。優勝劣敗が生まれた瞬間に決まっている社会を認めちゃいけない。東京都だけじゃなくて全国一律でという動きはすごく賛成」と述べた。