「エクセルも知らないの?」セクシー女優・小湊よつ葉(28)が明かす“会社員時代”に直面した“厳しい現実”

2025年4月19日(土)7時10分 文春オンライン

〈 「間違えてないですか? 本当に私ですか?」芸能界引退→セクシー女優になった女性(28)がなぜか“パリコレ”モデルに選ばれた“意外すぎる経緯” 〉から続く


 有名ボーカル&ダンスグループのメンバーとして活躍後、会社員を経てセクシー女優に転身した小湊よつ葉。アイドル時は、デビュー年にレコード大賞・最優秀新人賞を受賞するなど、華麗なキャリアを誇る彼女は現役時代どのような思いで活動していたのか。そして、グループ解散後に会社員へと転身した理由とは。



写真=野澤亘伸


◆◆◆


自分に自信がなかったアイドル時代


──グループとしてのデビューは、友達にお別れを言う時間もなく、突然の上京だったそうですね。


小湊よつ葉(以下、小湊) 「明日、転校することになったよ」って、お母さんに言われたんです。長崎県に住んでいた私は通うのが難しいため、急遽一人で東京に行くことになって。最後の日に学校に行って、クラスのみんなの前で「今日転校します」と伝えました。


 仲の良い子たちにも、事前に伝えることができなかったんです。だから、とても不義理なことをしてしまったと今でも後悔しています。嫌われても仕方なかったのだけれど、その後も連絡を取ってくれる子もいました。


──ボーカル&ダンスグループとしてのレッスンは厳しかったそうですね。


小湊 夏休みとかは、一日10時間くらいのレッスンがありました。それは私のレベルが表に立てるものじゃなかったからなんです。メンバーは7人いて、みんな歌もダンスも本当に上手かった。スタイルも良くてキラキラして見えた。私は田舎から出てきた芋な感じで(笑)。


 レッスンについていけなくて、先生から「下手くそ!」ってよく叱られていました。スタジオの廊下に出されて、そこで一人で練習して、見せられるレベルになったら戻ってきなさいと……。いつ首になるか、不安で仕方がなかったです。


──華やかな世界に出るまでには、辛い下積みがあります。心が折れそうになったことはなかったですか。


小湊 毎日、母に電話していました。寂しい、レッスンがきつい、みんなは上手にできるのに私はできない、みんな可愛いのに私は……。弱音を吐いてばかりいました。最初、母は「誰にでもあるチャンスじゃないとやけん、頑張らんばよ」と言ってくれていたのですが、ある日「もう本当に頑張れんなってなったら、いつでも帰ってきてよかけんね」と言われたんです。そのときに気づきました。


 いつまでも子どもじゃダメだと。


 母に頼ってばかりじゃダメだと。


 家庭の事情で色々な意味でしんどいはずなのに、母はこんなにも優しくて強いんだと目頭が熱くなりました。そのときに流した涙は、母に頼る涙ではなく、こんな弱音ばかり吐いてごめんねという、母への謝罪と自分の弱さに気づいた涙でした。


 そのとき、母が私に安心して頼れる状況を作ろう、そういう人間になっていこうと思いました。


ネットに厳しいことを書かれたりもしました


小湊 最初、ライブは小さなイベント規模でやっていたのですが、上手な子と私の差は歴然でした。あと、私は痩せるためにエステに通って食事制限もしていたのですが、頑張りすぎてホルモンバランスを崩してしまって。反動で逆に太ってしまい、それを2ちゃんねるで「デブ」とか「こんなブスがいるのか」とか叩かれていました。人の前に立つ仕事なので、こうした声があっても仕方ないのですが、その状況からどうやって抜け出したらいいのか、わからなくて辛かったです。


 私は物事をネガティブに考え過ぎてしまうところがあって、メンバーから「そこまでいくと特技だよ!」と言われたこともありました。


──厳しい意見がある一方で、暖かい声援もあったと思います。


小湊 私推しで来てくださる方もいました。握手会で私のレーンに並んでくれる人は、最初は本当に少なかったのですが、徐々に増えていって。私にも味方がいるって思えて、その方たちの声に支えられて頑張り続けました。


 それでも、他のメンバーとの差は明らかでしたね……。私はいつも少ない方から1、2番目でした。終わった順に楽屋に戻るのですが、同じ寮で帰りは一緒だから、待っていなければならない。


 その時間をいかに辛いと感じないように過ごすか、考えていました。メイクさんとくだらない話で盛り上がったり、次に戻ってきた子と、「イエーイ! また最初だね」とハイタッチしたり。自虐的ですけど、落ち込んでいると気持ちが悪い方に向いてしまいますから。


──メンバー同士の絆は深かったのですか。


小湊 みんなが大好きでした。学校も寮も仕事も、ずっと一緒でした。誰しも少しは嫌なところもありますけど、誰かを見下すようなところはなくて、それぞれの良いところを認め合っていた。グループとして、みんなで一つという意識が強かったです。


 一緒にお風呂に入っていたときに、お互いの地元の話題になったことがありました。そこでホームシックになっているのは私だけじゃないとわかって、救われた気持ちでした。寂しさに負けないで、頑張ろうって思えたんです。


──グループは17枚のシングルを発表し、9年間の活動を経て解散を迎えました。


小湊 事務所には伝えていなかったのですが、一緒にやってきた仲間と、この1年間をやり切って終わりにしようって決めていたんです。それぞれが個人の活動も頑張りたい気持ちが強くなっていたのですが、グループが優先だから、ソロとしての仕事は断ることが多くて。だからこの1年間をグループの活動に徹して、それで今の状況と人気が変わらないのなら、もうそれぞれの道に行っていいんじゃないのかって話しました。


 私もみんなの気持ちを理解できたし、自分にこの道があっているのかずっと悩んでいた。だからこの1年だけは絶対頑張ろうって思ったんです。


 最後は事務所から解散ライブをしてもらえることになっていたのですが、その時期、コロナ禍になってしまった。結局解散ライブができずに文面だけで伝えることで終わってしまったんです。突然の報告だったからファンの間では「何があったんだろう?」って感じで、すごい心残りでした。


「エクセルも知らないの?」アイドルから会社員へ


──解散後は芸能活動を離れて会社員の道を選びました。


小湊 23歳のときで、ずっと迷っていました。自分は一人になったときに何がしたいのかを探して、解散前はいろいろなところに足を運び、たくさんのものを見るようにしていました。


 ソロとしての活動に興味はあったけれど、続けていける自信はなかった。それまで不安定な仕事だったので、正社員という雇用にも魅力を感じていました。


 どちらを選んでも大変なことはわかっていたので、フラットに考えてみようと思いました。すると、私は今まで人と比べてばかりで、自分の気持ちに従うことができていなかったことに気がついたんです。心が示す方を頑張ろうと思って、会社員として再出発する決断をしました。


──就職活動はいかがでしたか?


小湊 簡単じゃなかったですね……。結局、採用してもらえるまで13社受けました。


 私の経歴を見て、「え?」ってリアクションが多かったんですよ。「そんなキラキラした世界にいた人には、うちの会社は向いていないですよ」とも言われました。ネガティブな反応が多くて、ああ、私の経歴はこういう捉え方をされるんだなって思いました。


 そんな中で「おもしろい」と言ってくれた会社があったんです。「9年間も人の前に立つ仕事をしてきたなんて、度胸があるね」って評価してくれて。面接官の方の価値観は人それぞれだなって感じましたね。


──初めての会社員生活はどうでしたか?


涙を拭って仕事に戻る日々


小湊 何もできない自分を知りました。本当に世間を知らないんだなって。まずパソコンが使えない(笑)。エクセルの使い方さえも全然わからないから、最初は呆れられました。「こんなこともやってきてないの?」って。


 私は覚えるのも遅くて、毎日メモしながら聞いていたんですけど、聞かれても、どこに書いてあるかを見つけるのにも時間がかかる。「この間、教えたでしょ!」みたいな感じで怒られる日々でした。


 お昼休憩のときに屋上で泣き、家に帰っても泣いて(笑)。でも、私にはもうこの道しか残されていないという思いで、涙を拭って仕事に戻っていました。


──会社の人間関係はどうでしたか。


小湊 私は会社勤めの経験がなかったから、指導について最初は「意地悪されているのかな」って思ったこともありましたが、話していく中で理解できました。上司の女性はすごい仕事ができる方で、厳しいけれど、みんなが憧れる存在で、彼女のようになりたいと思って、昇格するために試験勉強に取り組んだり、落ちても再チャレンジしたり。昇格後に私の成績を認めてもらえる機会があったのは、とても嬉しかったです。


──仕事の内容はどんなものだったのですか。


小湊 美容関係のカウンセラーで、担当は脱毛がメインでした。私は元々毛深くて、小学生の頃は眉が繋がっていたんですよ。学校ではイモトさんみたいだって言われていました。だから同じ悩みを持っている方に寄り添えるかと思いました。


 デリケートな部分なので、その人が何を一番気にしていて、どうしてここに来たのかを見極めることが重要でした。


 それにはグループ時代の経験が活かされたところがあるかな。私は人の言葉の抑揚やちょっとした表情の変化で、気持ちの変化に気づいてしまうところがあって。自分でそれを気にしすぎてしまうところが嫌なんですけど。


 ファンとの握手会のときなど、小さなリアクション一つで、「もう来てくれないかも」と思うと、本当にそうなったり。逆に来て欲しくて、こちらから好意を伝えすぎても来なくなってしまったり。距離感の取り方は本当に難しくて、いつも考えさせられました。


◆◆◆


 9年間のアイドル活動を終え、会社員として奮闘を始めた小湊よつ葉。しかし、2年ほど勤めた後、突如アダルトビデオ業界に転身する。正社員雇用という安定を捨て、セクシー女優デビューを決意したのはなぜなのか。関連記事では、当時の経緯について紹介する。

〈 「借金でも作ったの?」「今後関わらないでくれ」…芸能界を去り、セクシー女優デビューした小湊よつ葉(28)が受けた周囲からの“辛辣すぎる反応” 〉へ続く


(野澤 亘伸)

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