原因は自分にある。、過去最大規模のホールツアー完走 3.5万人を魅了「俺ら7人最強だろ!」【ライブレポート】
2025年4月20日(日)21時0分 オリコン
ホールツアー『LIVE TOUR 2025 嘲笑倫理学のすゝめ』を開催した原因は自分にある。(撮影:Hanna TAKAHASHI、松本いづみ)
本ツアータイトル『嘲笑倫理学のすゝめ』は、デビュー曲「原因は自分にある。」の歌詞にも出てくる『嘲笑』という言葉と、ゲンジブはなぜこういった表現・行動を取るのかを考えてもらえるよう、学問の一つである『行動倫理学』という言葉を合わせた造語で、さらに福沢諭吉の『学問のすゝめ』を引用して、初めてゲンジブのライブを見る人にも“ゲンジブの教科書・一歩目”となるようなライブにしたいという想いが込められている。このタイトルの通り、哲学的かつ文学的で独創的な歌詞の世界観でみせるかっこよさと振り切ったかわいさの二面性で観測者(※ファンの総称)を魅了した。
※以下、ネタバレあり
観客の期待が高まる中、メンバー名が映し出された紗幕の後ろにメンバーが順番に不気味なかっこよさを放ちながら登場。BGMのボリュームが上がりステージ上に全員がそろうと、ひときわ大きな歓声が上がった。幾何学模様が多数映し出され、1曲目の「Operation Ego」がスタート。独創的な歌詞を投影しながらの一糸乱れぬダンスで、一気に観客をゲンジブの世界観へ引き込んだ。続く「柘榴」では、紗幕が上がり全員の姿がお披露目。強い眼差しと力強い歌声で会場のボルテージを上げていく。「余白のための瘡蓋狂想曲」は大倉空人の「会いたかったぞー!」という煽りからスタートし、緩急あるダンスと歌で魅了した。「Museum:0」ではレーザーが飛び交う中、武藤潤と小泉光咲の高音が響きわたり、目でも耳でも楽しませるステージとなった。
最初のMCでは、本公演の前日12日に誕生日を迎えた大倉が「昨日23歳になったよー!」と報告。観測者からの大きな拍手に照れ笑いを浮かべながら、「メンバー6人からも、しっかりおめでとうをいただきました!」と明かした。昨年のお祝いは2日遅れだったという吉澤要人からも今年は当日の0:03に、さらに小泉はその時間を上回る0:02だったとうれしげに伝えた。さらに長野凌大からは「生涯一緒にいようぜ」と熱いメッセージがあったと自慢し、大倉は「もうこれです」と左手の薬指を指し、会場は大盛り上がりをみせた。
MC後、大倉、杢代和人、小泉の3人がステージに残り「青、その他」を披露。優しい光が会場に差し込み、爽やかで澄んだ歌声が会場を包みこんだ。「チョコループ」「推論的に宇宙人」「GOD 釈迦にHip-Hop」では、前半とは打って変わって、アイドル全開のかわいい表情をさく裂。杢代から桜木雅哉への頬ツンツンや大倉・小泉、長野・桜木がお互いに「アイラブユー」を伝えあうなど、各所で起こるメンバーたちの絡みに、観測者もくぎ付けとなった。
日替わり曲となる11曲目は、ジャンケンで勝利した吉澤がくじを引き「ジュトゥブ」を披露することに。「メンバーのかわいさを見る準備はできていますか?」との桜木の煽りの通り、“かわいい”が爆発した歌とダンスに、会場中がメロメロになった。曲途中には、大倉が長野へ「生涯一緒にいような!」と誕生日メッセージのお返しをし、吉澤は杢代の頬にキス。あまりのほほ笑ましい姿に会場からは悲鳴が上がった。2回目のMCでは、この出来事を杢代がメンバーへ報告。武藤は「ライブでラブストーリーするのやめて」と頬を膨らませたが、吉澤から「誰からキスされたいの?」と質問されると「そりゃ、みんなにしてほしい!」と答え、笑いを誘った。
.ENDRECHERI./堂本剛が楽曲を提供したファンクミュージックを基調とする「LLL」では、一気に時代が遡り70年代を彷彿(ほうふつ)とさせるネオンがきらめく中、セットアップのスーツで華麗な姿を見せた。「Foxy Grape」「In the Nude」「灼けゆく青」では、力強い視線と挑戦的な表情で会場中を圧倒した。デビュー曲「原因は自分にある。」では、大切に歌ってきたことが伝わる想いのこもったステージを披露。続く「嗜好に関する世論調査」「マルチバース・アドベンチャー」「Go to the Moon」では、観測者とのコール&レスポンスで一体感が会場内に広がった。
ファンへの感謝を詰め込んだ「原因は君にもある。」の曲前には、長野が「僕が初めてライブをしたのが、この(東京国際フォーラム)ホールAなんです」と明かした。「最初はめちゃくちゃ端っこで。でもみんなのペンライトが全部自分を輝かせてくれていると思って、この活動を今まで続けて来られました」と感謝し、「今日は、僕と大好きなメンバーだけでこのホールで(ライブを)やってます!みんなも大変なことがあるかもしれないけど、僕らができたんだからみんなもできます。そんな歌をみんなと歌いたいです!」と力をこめた。この長野の言葉に答えるように、観客からは公演一番の大きな歓声が上がった。
「原因は自分にある。【別解】」「無限シニシズム」など、ゲンジブならではの哲学的な歌詞と力強く妖艶な表情でラストスパートをかける。「遊戯的反逆ノススメ」では、大倉が「俺たちは7人で売れてやるからな!」「俺ら7人最強だろ!」、吉澤が「俺らが一番最強だ!」と絶叫。メンバーの想いを表すかのようにステージ上では炎が上がり、会場のボルテージも最高潮に達した。全19曲を披露した本公演の最終楽曲は「Mania」。狂気的な表情で観測者を最後までゲンジブの世界観で魅了し、楽曲が終了すると同時に本ツアーのロゴが映し出され、約1時間50分の公演の幕を閉じた。
【東京国際フォーラム ホールA〈1部〉セットリスト】
M01.Operation Ego
M02.柘榴
M03.Mr.Android(feat.izki)
M04.余白のための瘡蓋狂想曲
M05.Museum:0
M06.a 青、その他
b 結末は次のトラフィックライト
c 545
M07.多分、僕のソネット
M08.チョコループ
M09.推論的に宇宙人
M10.GOD 釈迦にHip-Hop
M11.ジュトゥブ
M12.LLL
M13.Foxy Grape
M14.In the Nude
M15.灼けゆく青
M16.a 原因は自分にある。
b 嗜好に関する世論調査
c シェイクスピアに学ぶ恋愛定理
d マルチバース・アドベンチャー
e Go to the Moon
f 原因は君にもある。
g 原因は自分にある。【別解】
M17.無限シニシズム
M18.遊戯的反逆ノススメ
M19.Mania