宇宙に散った白い悪魔の最期!ガンダムが最後の命令を遂行した後が寂しい

2025年4月21日(月)7時30分 ABEMA TIMES

 アニメ「機動戦士ガンダム」第43話で描かれる“ラストシューティング”。上空のジオングを撃ち抜いた一撃を最後に、ガンダムは戦場からも、いるのが当たり前だった“あの画面”からも姿を消した。

【映像】静寂で放つガンダム最後の一撃(7分12秒ごろ〜)

 頭部と左腕を失った状態となったガンダムは、アムロの「最後の命令」を受けると吹き抜けになった空間まで自走。そしておもむろに上に向かってビームライフルを放つ。この一撃は上空で攻撃のタイミングを見計らっていたジオングの頭部を破壊し、これを退けたものの、同時に右腕と右脚に攻撃を受け、膝をついて崩れるように倒れていった。

 その動きは、これまで数々の戦局を変え、敵に“白い悪魔”と恐れられた姿とは対照的だった。猛々しくもなく、華やかでもない。だが確かに、最後まで「戦っていた」姿だった。

 ここで、物語の主役であり続けたモビルスーツ「ガンダム」はその任務を終える。そしてこのあと待っていたのは、ビームライフルでもサーベルでもなく、“人間同士”がぶつかり合うというこれまでとは違う戦いだった。

 この構図の変化こそが、ラストシューティングの意味を決定づけている。それは、戦争の象徴だったガンダムがその役目を終えて退き、以後の物語が“人間の思い”を描く舞台へと切り替わる、静かなバトンの受け渡しでもあった。

 結局、2人の戦いは決着がついたのかどうかさえ曖昧なまま終わった。アムロは、シャアとの戦いを経て、崩壊するア・バオア・クーから脱出を図る。最後に彼を助けたのはまぎれもなくガンダムだった。戦場を駆け、仲間を守り、数えきれないほどの敵を撃ち倒してきた“白い機体”は最後の最後までアムロを守り、ア・バオア・クーとともに沈んでいった。

 序盤から続いていた、“ビームサーベルを振るうガンダム”というTVアニメのアイキャッチが、この最終話で消えていたのも印象的だ。ガンダムではなく、アニメタイトルだけの画面に差し替えられたことで、ガンダムがいなくなったことがより鮮明になったといえるだろう。

 ガンダムは、ただの兵器ではなかった。アムロの戦いとともに歩み、多くの視聴者にとっても特別な存在となった“もう一人の主人公”だった。そのガンダムが、何も語らず横たわっているだけという最期は、やけに寂しく、静かに胸に残るのだ。

 アニメ「機動戦士ガンダム」は1979年4月から1980年1月まで放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、富野由悠季監督が手掛けた作品。“リアルロボットアニメ”という新ジャンルを開拓し、以後のロボットアニメに多大な影響を与えた。放送当時の視聴率は振るわなかったが、再放送や劇場版の公開で人気が急上昇すると、「ガンプラ」ブームも生まれた。以降のガンダムシリーズや、スピンオフなどの派生作品も多数制作され、現在も高い人気を誇る。2025年4月からは新作アニメ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」が放送中。

(C)創通・サンライズ

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