阪神・ロサリオはぬるま湯体質だった!?

4月21日(土)11時0分 文春オンライン

 満足している虎ファンはどのくらいいるのでしょうか。助っ人ロサリオの成績に。先日のドラゴンズ戦では猛打賞の活躍をみせたものの、これまで(4月19日現在)16試合を消化して、打率は.258。ホームラン1本に打点7。得点圏打率は.286と決して高いとは言えない数字にとどまっています。


 これだけを見れば、寂しい気がしないでもないのですが、正直言ってここまでのロサリオに私は大満足なのであります!!


「どこが?!」


 そう思った虎ファンのみなさん! 一度数字から離れて、ロサリオの表情や行動をよーく見てください。


ザ・真面目な男の1日


 毎日早く球場入りするロサリオの1日は、ぬるま湯につかることから始まります。そのあとジムで体を動かし、マシーンでバッティングをしてからチームの練習に向かいます。体をスムーズに動かすためのこだわりの調整方法だといいます。試合前もただの練習では終わりません。


 今月11日。甲子園での広島戦。試合前練習でロサリオは片岡ヘッド兼打撃コーチとバットでグラウンドに線を引きながらなにやら話し込んでいました。元々軸足の右足を少し動かしながら打つロサリオですが、少し動きが大きすぎるのではないかという事でこの日は片岡コーチと確認作業をしていたとのこと。この光景は決して珍しいことではありません。


 とっても「真面目」なロサリオは、気になったことは逐一コーチに確認。日々アドバイスを求め練習に励んでいるのです。


「日本野球は競争が激しいと感じているよ。メンタルを強く、戦う姿勢を持って毎日臨んでいるよ」


 MLBコロラド・ロッキーズで正捕手、韓国ハンファ・イーグルスでは2年連続3割30本100打点を記録するなど成績を残してきたロサリオですが、日本野球のレベルは高いと感じているといいます。プロフェッショナルの集まりである日本で野球ができることに喜びも感じているようです。



日々コーチにアドバイスを求め、練習に励んでいるロサリオ


まるで高校球児のよう


 この日の試合は4対1で阪神が勝ちましたが、私が気になったのは8回表です。セカンドを守っていた糸原選手が失策し、その後ピンチを迎えます。マウンドに集まるとロサリオはすぐに糸原選手の肩に手を回し、言葉をかけていました。こういった光景が頻繁にみられるのです。


「日本語の勉強はまだできていない」と話すロサリオなので、もちろん言葉は通じていないはずなのですが、ファーストを守っている時も積極的に声をかけているのです。


 梅野捕手は「自分は3回までしか投手のもとへ行けないから、すぐにマウンドに行ってくれるのは本当に助かります。以前は健斗(糸原)になるべく声をかけてとお願いしていたので……言葉が通じる通じないではなくその気持ちが嬉しいし助かります」。それだけではありません。仲間がいいプレーをした時には笑顔で大きな声を出しチームを盛り上げるのです。その姿はまるで高校球児のように私の目には映ります。



日本文化に馴染むために


「日本は住みやすくてとても好き! 家族も気に入っているよ!」


 外国人選手にとっては日本での生活に慣れることも時間がかかる場合があります。遠征先では橘佳祐通訳と積極的に外食にでかけ、お寿司やカニなど日本食を口にするそうです。最近のブームは親子丼だとか。


「日本円の使い方や、道のこともよく聞いてきます。なるべく文化を知るために、他の選手はタクシーを使いたがるところを電車やバスを使って移動するんです」


 ロサリオがエルマーノ(スペイン語で兄弟)と親しむ橘通訳によると、日頃の生活から日本文化を知ろうという気持ちが強いということです。


 真面目だからこそこれまでの成績には落ち込むこともあったよう……。本人に話を聞くと「シーズンの初めはいつもこんな感じ! 自分の形を探しながらやる段階なのでそれがまだ整っていないんだ!」と明るく答えました。


 しかし、「ここ最近は苦しみ、2人でいるときは落ち込んでいました。プレッシャーや責任も感じているようでした」。エルマーノの前では野球のことで頭を悩ませることも……それでもみんなの前では明るく振舞い、チームに元気を与えようと振る舞う。まさにプロフェッショナルです。


 野球を離れるとマテオ、ドリスと同じように音楽と踊りが大好きな明るい性格。すぐにウインクをするお茶目さもあります。


 日本に馴染もうとし、状態を上げるために悩みながらも練習を工夫し、かつチームを盛り上げようとしている助っ人・ロサリオ。若い選手が多い今、彼の姿勢、行動だけでも阪神にもたらしているものは大きいのではないかと思います。


 5ヶ月後、阪神ファンは口をそろえてこう言うはずです。


「ロサリオめっちゃいい助っ人やったな!! 来年も頼むわ!!」って。


※「文春野球コラム ペナントレース2018」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/-/6760 でHITボタンを押してください。



(市川 いずみ)

文春オンライン

「阪神」をもっと詳しく

「阪神」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ