『上方漫才協会 十周年記念 特別興行』日本最高峰のネタを劇場で‥

2025年4月21日(月)16時3分 ジェイタメ


大阪のお笑い文化の継承と発展の為に、舞台に立つ若手漫才師たちのサポートを行う「上方漫才協会」が、2014年12月1日の発足から十周年を迎えた。これを記念して全国4会場を回るツアー『上方漫才協会 十周年記念 特別興行』の初日公演が、4月20日(日)、東京・ルミネtheよしもとで開催。人気芸人が、劇場を笑いの渦に巻き込んだ。


今回は、中田カウス(上方漫才協会 会長)をはじめ、これまでに上方漫才協会大賞を受賞した見取り図、アインシュタイン、ドーナツ・ピーナツ、審査員特別賞、文芸部門賞のコットン、エバース、話題賞のバッテリィズ、劇場賞のもりやすバンバンビガロ、そして東京漫才をけん引するタカアンドトシが登場。それぞれが、珠玉のネタを披露した。


中田カウスと芸人とのトークコーナーでは、前半戦にコットン(西村真二、きょん)が登場。西村は、広島でアナウンサーをしていた時代の話を回顧。プロ野球中継でまさかの……というエピソードを披露する。


「3〜5歳とは話が合う」というきょんは、ベビーシッターのアルバイト時代の話を告白。ふたりの失敗談に会場は笑いで包まれた。


後半戦には、トリを務めたアインシュタイン(稲田直樹、河井ゆずる)が、中田カウスとトーク。


ふたりの出会いから、どちらが声をかけてコンビを結成したのか、などが語られる。大盛り上がりのなか、稲田が、しっかり者に見える河井のネタ中での“失敗”を明かす。すると、河井が「7、8年前に1回噛んだだけやんけ! それをずっと言うんですよ!」とツッコミ。感情を露わにしていた。

河井副会長にハマらないと解雇される!?


大盛況だった公演終了後には、カウス会長、見取り図(盛山晋太郎、リリー)、アインシュタイン、コットン、ドーナツ・ピーナツ(ドーナツ、ピーナツ)、エバース(佐々木隆史、町田和樹)、バッテリィズ(エース、寺家)、もりやすバンバンビガロが参加した囲み取材会が行われた。


超満員の劇場で、ネタは爆笑に次ぐ爆笑。良いスタートを切った本公演について、カウスは「丸10年、11年目に入りましたけど、ここに並ぶ人気者もたくさんいます。まだこれからも続くので、ご紹介していきたいと思いますが、まずは今日の顔ぶれ……。お客さんの喜ぶ顔を見て、“10年やってこられて良かったな”と思うのと、またひとつ嬉しいことに、副会長が誕生いたしました!」と、副会長の河井を紹介。すると、稲田が自身を指し「申し遅れました。ヒラの漫才師です」と挨拶して笑いを誘った。


本イベントには、過去に大賞を受賞した芸人が3組も出演。記者からは、大賞受賞後の変化や変わらず大切にしていること、について質問があった。


第一回受賞のアインシュタインは、河井が「大賞を獲らせていただいて以降、たくさん舞台に出させていただくようになりました。変わらず大切にしているのは、お金を払って来てくださったお客さんに、“来て良かったな”と思ってもらえるように(すること)」と返答。すると、稲田が「まったく同じです」とコメント泥棒をして笑いを起こす。


第四回受賞の見取り図も、劇場が増え、地方に行く機会が増えた、と盛山。「NGK(なんばグランド花月)やよしもと漫才劇場で漫才をするときは、和尚が見てくださって」と、カウスを“師匠”ではなく“和尚”呼びをして笑いを誘う。一方、リリーは「僕たちからすると(大賞は)初めての賞だったんで、お互い本当に感動して……その日、初めて結ばれました」とまさかの告白(!?)。会場を爆笑に包んだ。


今年(第十回)受賞したばかりのドーナツ・ピーナツも、同じく全国で漫才をする機会が増えた、とドーナツ。ピーナツは「一個一個の舞台の重みが違うなと思います。調子に乗らんようにだけしないと……」と自戒のコメントを残した。


若手にとって「上方漫才協会」の賞はどんな位置づけなのか。登壇者のなかで、最若手のエバースに質問が投げかけられた。マイクを向けられた町田は「生まれたときからの目標です」と、“そんなはずがない”返答する「それだと(町田が)10歳になる」と周囲からツッコミが入ると、上方漫才協会誕生と同じ時期にコンビを結成したため、“芸人として”生まれてからの目標だ、と訂正。佐々木は「(エバースは上方漫才協会の)申し子と言っても過言ではない」と自己紹介した。


この他、「10周年を迎えて、今後どんな組織にしていきたいとお考えでしょうか?」との質問があった。


中田カウスは「ほぼ、かたちが出来上がりましたから、このかたちを崩さず、この世界を目指す子たちが人気者になっていけるよう協力していきたいと思います」と意気込み。一方、河井は「『面白い芸人が報われるように』というのと、僕にハマらない芸人は解雇していこうと思っています」とまさかの宣言で後輩を驚かせ、笑いを誘った。


笑いが溢れるなか、中田カウスは協会の現状について、こう続けた。


「ものを持たず、しゃべくりだけでやる近代漫才は、横山エンタツ・花菱アチャコ師匠からで、吉本興業で出来上がったもの。これは『絶対に守っていかないといけない』という思いで作らせていただいた協会ですので、僕ひとりでは無理です。なので、副会長、そのあとに続く子たちが守っていってくれると思います。みんなが(ネタに)磨きをかけて、それを後から若手が追い上げていく……という、非常にいいかたちやなと思いますね」

『上方漫才協会 十周年記念 特別興行』は、今回の東京公演を皮切りに、5月18日(日)に福岡・よしもと福岡 大和証券劇場、6月14日(土)に大阪・大阪市中央公会堂、8月2日(土)に京都・よしもと祇園花月を巡る予定。お楽しみに!

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