『あなたの番です』Pが仕掛ける、テレビの前に視聴者を呼び戻すチャレンジ

4月21日(日)8時40分 オリコン

日曜ドラマ『あなたの番です』(C)日本テレビ

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『今日から俺は!』『3年A組-今から皆さんは、人質です-』と話題作が続く日本テレビの日曜ドラマ枠で、交換殺人をテーマにしたミステリー『あなたの番です』がスタート。昨今では異例の2クール連続放送に踏み切った意図、本作の狙いについて、日本テレビの鈴間広枝プロデューサーに聞いた。

■登場人物と謎が多いミステリー、伏線と回収で20話は必要

 日曜ドラマ枠で『あなたの番です』がスタートした。日本テレビとしては25年ぶりとなる2クール連続で放送される本作は、都内のマンションに引っ越してきた新婚夫婦が、住民の間で行われている“交換殺人ゲーム”に巻き込まれていくさまを描くミステリー。W主演の原田知世田中圭に加えて30人を超える豪華キャスト陣や、秋元康氏が企画・原案を務めていることが、放送前から話題になっていた。

「企画が立ち上がったのは、同じく秋元先生に携わっていただいたドラマ『愛してたって、秘密はある。』(17年7月期)の終了直後です。海外のミステリードラマのような中毒性と言いますか、次の展開が待ち遠しくなるようなドラマを目指そうという思いが一致して、今回の企画が走り出しました。秋元先生には物語の土台が固まってからは、ストーリーそのものというよりは、主に視聴者をザワつかせる仕掛けや次週への引っ張りといったエッジを立てる部分のアイデアをいただいています」

 交換殺人に関わるのはマンションの住民たち13人。それぞれが「殺したいほど憎い人物」を紙に書き、自分が書いた人物が何者かによって殺されたら、今度は自分が手を下す番となるのがこの“ゲーム”の仕組みだ。

「マンションの住民会に参加する人たち全員が共犯関係になるドラマなので、必然的に登場人物は多くなります。また、誰が誰の名前をどんな理由で書いたのかというだけでも謎が多いですし、それらの種明かしや伏線を回収していくだけでも20話は必要でした」

 日本において3ヶ月1クールという連ドラのサイクルが定着した背景はさまざまあるが、あまり長期で役者のスケジュールを抑えにくいことも理由の1つだと言われている。

「たしかにそこはハードルの1つですが、今回は通常の連ドラよりもかなり早めにプロットを完成させ、役者のみなさんにお声がけすることで乗り越えました。事前に確保できる日程をうかがい、ストーリーの流れ的にも登場シーンを調整しながら、無理なく撮影に参加していただけるスケジュールを組んでいます。ただ、お話をしてみると、『1クールでバタバタッと終わるよりも、役や作品にじっくり向き合える』と、前向きになってくれた方も少なくなかったです。生瀬勝久さんも、『昔はもっと半年くらいかけて作り上げるドラマが多かったよね』とおっしゃってくれました」

■1クールに慣れた視聴者を半年にわたって惹きつける

 1クールに慣れた視聴者を半年にわたって惹きつけ続けるのも課題の1つと言えるだろう。

「その点については、動画配信によって海外ドラマがより身近になり、長いスパンのドラマを楽しむ素地も定着しつつあるのではないか、という希望的な推測もあります。もちろんそれも内容次第なので、毎話が勝負ということに変わりはありません。心強いのは演技が巧みな役者さんに集まっていただけたことです。とくにマンションの住民会のシーンは毎回かなり長い会話劇になるのですが、みなさん苛烈な演技合戦を繰り広げていて、非常に見応えがあります」

 一方、2クールの連ドラは、海外市場に販売しやすいメリットもある。1クールのドラマパッケージは世界ではガラパゴス的であり、内容が評価されてもリメイク権の販売に留まることが多いのが実情だ。

「海外番販をする部署からは、2クールはありがたいという声が上がっています。ただ第一義はあくまでもおもしろい作品を作ること。なかには表現の検閲が厳しい国もありますが、それをおもんばかってマイルドにしようとは考えていません」

 そもそも22時30分という時間に始まる日曜ドラマは、挑戦枠としての位置付けが大きいという。

「多少見逃しても気軽に戻ってこられる1話完結型と違って、毎話謎解きが進行していくミステリーを半年にわたって放送するのはたしかにリスクがあります。昨今はうっかりするとSNSのタイムラインでネタバレが流れてきてしまう。しかし、だからこそリアルタイムで観ようと、前クールの『3年A組』ではそんな盛り上がりがありました。今回も決して手堅く勝ちを狙いに行くコンテンツではありませんが、今の時代だからこそテレビの前に視聴者を呼び戻すチャレンジができればと思っています」
(文/児玉澄子)

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