河合優実 ジャルジャル福徳の感性に「凄い」 芸人のコントで表現に学び 福徳原作の映画「今日空」に思い
2025年4月21日(月)7時30分 スポーツニッポン
女優の河合優実(24)が、4月25日公開の映画「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」(監督大九明子)でヒロインを演じる。お笑いコンビ「ジャルジャル」福徳秀介による恋愛小説が原作。唯一無二のコント職人が独特の観察眼で描いた恋物語を、河合はどう見ているのか。スポニチアネックスの取材に応じ、物語への印象を明かした。(中村 綾佳)
実は「お笑いが大好き」という河合。福徳原作の作品とあり「オファーをいただいたときはうれしかったです」と率直な感想を明かす。
数々の賞レースで頂点に立ってきた“コント王者”ジャルジャル福徳の小説家デビュー作を実写化。「勝手にふるえてろ」「私をくいとめて」の大九明子監督がメガホンをとり、福徳の母校・関西大学を舞台に学生の恋模様をリアルに描く。
福徳について、河合は「いろんな芸人さんを見ていますが、ジャルジャルさんも凄く好き。以前から、YouTubeのコント動画をよく見ていたんです」と笑顔で振り返った。
純粋にコントを楽しむと同時に、芸人の観察力と表現力から演技のヒントも得ているという。特に福徳については「“こういう人っているよね”と、みんなの頭の中にすんなりと浮かぶような人物を体現することが凄くお上手だと思いながら見ています」と、その感性に驚いていた。
そんな福徳が生み出した河合演じるヒロイン・桜田花は、お団子頭が印象的な“ぼっち女子”だ。孤独を恐れぬ凛とした女子大生。桜田のキャラクターについて、河合は自身の実体験を重ね「学生特有の、グループで群れをつくる感じに違和感は持っていました。桜田のように堂々と一人で…とまでは振り切ることができませんでしたが、抱いている感情は理解できます」と共感し、そのキャラクターを解像度高く表現した。
大学を舞台とした恋愛物語は豊富にあるが、福徳の鋭い観察目を通して描かれた世界はこれまでの学園ものとは一線を画す。独特な表現に、河合も「このシーン、どうやって演じよう」と悩む場面もあったという。
特に終盤に描かれる大学生・小西徹を演じる萩原利久との2人でのクライマックスシーンについては「難しいなと思いました」というほど。「でも“大九監督の映画にこのシーンが出てきたらワクワクするだろうな”という楽しみもあって。今まで見たことがないようなシーンが撮れたら、きっとこの作品は特別な、他の作品とは違う色になると思ったんです」と、強い覚悟を持って挑んだ。
無我夢中で取り組んだそのシーンは、感情を込めた結果「当日はあまり苦戦しなかった」と振り返る。「本当に夢中だったので、あんまり記憶がないくらいです」というほど、役にのめり込んでいた。
河合演じる桜田をはじめ、作品には、SNS全盛の時代だからこそ他人と自分を比べてしまう、想像以上に緊張を強いられて生きている現代の若者たちの不器用な姿が反映されている。そんな若者を、運命を変えてしまうほどの出来事が襲う…その衝撃的な展開に胸を打たれる。
河合は「自分が誰かを傷つけたり、逆に悲しみを負わされたり、人生山あり谷ありと、それぞれつらいことが絶対にあると思うんですけど…それをなかったことには絶対にできなくて。それを背負って生きていくんだと思わせてくれる物語です」と見どころを語った。