古舘伊知郎「天才じゃないから」名実況を生み出す秘けつは豊富な言葉の引き出し「本当のアドリブはない」
2025年4月21日(月)19時14分 スポーツニッポン
フリーアナウンサーの古舘伊知郎(70)が、21日放送のニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」(月〜金曜前11・30)に出演。サザンオールスターズの桑田佳祐との過去のやりとりを振り返りながら、自身の実況について語った。
1977年、全国朝日放送(現テレビ朝日)に入社。その後は、フリーとして活動しながら、プロレスなどのスポーツからニュース番組まで、幅広いジャンルの情報を発信。独自の切り込みと、包み隠さず持論を述べる古舘のキャラクターは、今でも高い人気と信頼を得ている。
この日、数々ある実況の中から、昭和の名実況ベスト3を紹介。テレビ朝日の局アナ時代に担当した、『衝撃の蔵前』と言われた昭和58年6月2日、アントニオ猪木対ハルクホーガンのIWGP決勝戦を取り上げた。「猪木さんが失神して起き上がれないって時に、1万1250人の猪木コールが悲しげに聞こえたんです。そのときにちょっとアドリブかまして“乾ききった時代に送る、雨乞いの儀式のように猪木に対する悲しげなコールが響きわたっている蔵前”って言いながら酔いしれた」と回顧。視聴者からも、会場の雰囲気をしっかりと捉えた実況が好評だったという。
アシスタントの松本明子が「サザンの桑田佳祐さんも言ってました。“古舘さんの実況があったから僕はプロレスが大好きになった”って」と明かすと、古舘は「桑田佳祐と昔話したときに、作詞家でもあるから“雨乞いの儀式とかグッときた。あれはアドリブ?”と言われた」と告白。
桑田の問いかけには「アドリブだって言っちゃった」とおどけながら、「よく考えたらアドリブじゃないと思うんですよ。何かの雑誌とか本とかで読んでて、“雨乞いの儀式”みたいなのいいなって思ってて、どっかで使おうと思っているはず。本当のアドリブって俺の場合はない。天才じゃないから。どっかで入ってたものが、ぶわっと出た出合い頭でくるのかなって」と明かした。