俳優の山口崇さん死去 88歳、肺がん 「天下御免」平賀源内役、「タイムショック」2代目司会
2025年4月21日(月)15時15分 スポーツニッポン
NHKドラマ「天下御免」平賀源内役やクイズ番組「クイズタイムショック」2代目司会者などで知られた俳優の山口崇(やまぐち・たかし、本名山口岑芳=やまぐち・たかよし)さんが18日に肺がんのため死去していたことがわかった。88歳。21日に所属事務所が公式サイトで明らかにした。
サイトには「オフィス天童所属俳優・山口崇(やまぐちたかし本名・山口岑芳)は2025年4月18日15時36分肺癌により入居中の高齢者施設で永眠いたしました ここに生前のご厚誼に深く感謝いたしますとともに謹んでご通知申し上げます」と記載された。
所属事務所によると、山口さんは昨年10月に現在放送中のNHK大河ドラマ「べらぼう」ドラマ・ガイドの取材を受けたのが最後の仕事になった。「天下御免」で自身が演じた「平賀源内」と時代についてインタビューに応じた際、声がかすれており、病院で検査を受けて肺がんと診断を受けた。その後、治療と療養に専念。死去5日前までは元気で「まだまだ生きるよ」と語っていたが、直前に突然体調が悪化。長男にみとられて安らかに穏やかに旅立ったという。
山口さんは1936年11月17日生まれ、兵庫県淡路島出身。早大教育学部英文科中退後、NHK俳優養成所、劇団三十人会、劇団俳優小劇場を経て、1974年に小沢昭一らと芸能座を結成した。
国民的ドラマとなったNHK「天下御免」では魅力あふれる主人公・平賀源内を演じて話題に。テレビ朝日のクイズ番組「クイズタイムショック」では、2代目司会者として人気を集め、1986年3月放送の最終回まで司会を務めた。
時代劇「大岡越前」では、徳川吉宗を約30年演じていたことでも知られた。
邦楽に造詣が深く、ドラマや舞台で三味線、琴、鼓などを披露。長唄では人間国宝七代目杵屋巳太郎(杵屋浄貢)に師事し、夫人の元女優・平尾桂子(杵屋巳貴)とともに本人も名取で杵屋巳楓として活躍した。長女・山口由紀は杵屋巳織として、長男・山口太郎は杵屋巳三郎として第一線で活躍している。また、ライフワークである民話研究家としても長く活動した。
2019年9月公開の映画「記憶にございません!」に三谷幸喜監督からの強い要請を受けて出演した総理大臣の恩師・柳友一郎役が最後の出演作品となった。
通夜は25日午後6時、告別式は26日午前9時半から、いずれも東京都渋谷区西原2の42の1、代々幡斎場で営まれる。喪主は長男の山口太郎さん。