イタリア映画の新しい収穫 「幸福なラザロ」を採点!

4月22日(月)17時0分 文春オンライン

〈あらすじ〉


20世紀後半のイタリア。深い渓谷で外界から隔絶された小さな村では、小作制度が数年前に廃止されたにも関わらず、領主のデ・ルーナ侯爵夫人(ニコレッタ・ブラスキ)が村人たちを小作人として働かせていた。村を訪問した侯爵夫人の息子タンクレディ(ルカ・チコヴァーニ)は、純朴で働き者の青年ラザロ(アドリアーノ・タルディオーロ)と強い絆で結ばれる。母親への反抗心から、タンクレディが狂言誘拐を画策したことを契機に、侯爵夫人の労働搾取が大々的に報じられる。自由になった村人たちが村から出て行った頃、事故で意識を失っていたラザロが奇跡的に目を覚まし、導かれるように町へと向かう。


〈解説〉


脚本・監督は、『夏をゆく人々』のアリーチェ・ロルヴァケル。2018年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。1980年代初頭に実際に起きた詐欺事件から着想された寓話的ヒューマンドラマ。127分。





  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆“聖なる愚者”を演じる若者(美しい顔にモッサリとした体)が圧倒的に見ごたえあり。イタリア映画の遺産を深く継承。




  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆寓話すれすれの奇譚。舵取りはきわどいが、イタリア山間部の村と、癖の強い顔の人々を対比させた映像に特殊な磁力。




  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆ラザロの純真さが穏やかに残酷に現実を提示している。搾取や虐待、見せしめに気づかず参加している可能性に震えた。




  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★★下層の美を見つめ、進歩の頽廃を撃つ。昔ながらの地産に拘ったイタリア映画の新しい収穫。この若手監督の飛躍に驚く。




  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆懐かしいイタリア映画の名作を思わせる堂々とした映像美。宗教的、寓話的。ラザロの瞳に映る何かに吸い寄せられた。







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INFORMATION


「幸福なラザロ」(伊)

4月19日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

監督・脚本:アリーチェ・ロルヴァケル

出演:アドリアーノ・タルディオーロ、アルバ・ロルヴァケル、ニコレッタ・ブラスキ、ルカ・チコヴァーニほか

http://lazzaro.jp/




(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年4月25日号)

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