悲劇!物語の最高潮で飛び出す強烈な土佐弁がわからない…!でもそれがかえってイイ【あんぱん第17回レビュー】
2025年4月22日(火)16時0分 ダイヤモンドオンライン
悲劇!物語の最高潮で飛び出す強烈な土佐弁がわからない…!でもそれがかえってイイ【あんぱん第17回レビュー】
『あんぱん』第17回より 写真提供:NHK
日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第17回(2025年4月22日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)
これまでぼそぼそしゃべっていた嵩が豹変する第17回
「こんな情けねえ俺、もうやだよー、やだやだ、うわー」
嵩(北村匠海)が叫んだ。
この叫びを棒読みと思ってはいけない。これは詩である(きっぱり)。そこから主題歌への流れはとてもハマっていた。さすがRADWIMPS好きな北村。みごとな連携だ。
この魂の叫びをはじめとして、第17回はこれまでぼそぼそしゃべっていた嵩が豹変して怒声になる。北村匠海が声のコントロールを巧みにしていて、怒声でもそこまで癇に障らない。
そこにやがて嵩がひとかどのものになっていく片鱗を感じる。成績がどんなに悪くても嵩はなにかを持っている。
受験まで半年。のぶ(今田美桜)と嵩は一緒に勉強をはじめた(わからないことは賢い千尋に教えてもらうようだ)。ある日、またのぶが嵩の家に行くと、嵩はいなかった。
その頃、嵩はぼんやり線路を歩いていた。寛(竹野内豊)と千尋が話していることを立ち聞きしてしまったのだ。寛は、千尋が医学部を目指すことをやめたのは、嵩に柳井医院を継いでほしいと思ったからではないかと問いかけた。
そうすれば嵩がこの家で大事にされる。寛の養子に入って安泰な千尋と、いまのままでは単に居候の身でしかない不安定な立場の嵩。そのことを気にかけているのだろうと寛は推察していた。