出産控える蒼井そらが麻生財相の「産まないほうが問題」発言を改めて批判し「保育士さんの待遇改善にもっと予算を」!

4月22日(月)6時58分 LITERA

少子化問題責任転嫁を批判した蒼井(オフィシャルサイトより)

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 現在、国会では安倍政権が消費税増税のエクスキューズとして持ち出した「幼児教育無償化法案」の審議が始まっている。だが、この法案の一方で、まったく進んでいないのが、待機児童対策だ。安倍政権は一応、2020年度末までに32万人分の保育の受け皿を整備する「子育て安心プラン」をぶちあげているが、待機児童対策にかけられる予算は、無償化の予算の半分以下。


 ようするに、安倍政権はすでに子どもが保育所や幼稚園に通っている家庭へのケアには腰を上げたものの、それ以前に子どもを保育所や幼稚園に入所させられない家庭については、相変わらず放置したままなのである。そのためか、SNSでは、「子育て政策おかしくないですか」「待機児童対策を先行させるべき」という批判の声が広がっている状況だ。


 そんななか、現在、双子の子供を妊娠し、出産を間近に控えているタレントの蒼井そらが、安倍政権の少子化対策や子育て政策への姿勢の問題点を指摘する、きわめてまっとうな発言をしている。


 本サイトでも以前報じているが(https://lite-ra.com/2018/12/post-4447.html)、かつてAV女優の仕事をしていた蒼井は、昨年12月に妊娠を発表した際、「AV女優が子どもを作るなんて子どもがかわいそう」といった意見に対し、ブログを通じて毅然と反論をしたことがある。


 親の職業という子どもに選べないファクターによって、子どもの幸・不幸が決まるような社会のおかしさを蒼井は指摘。また、自分が幸せかどうかを決めるのは他人ではなく〈その子、自身〉であるとし、これから生まれてくる子どもが自分自身を幸せであると思えるような〈環境〉をつくると新たな家庭をつくる決意を綴ったのだ。


 そんな蒼井が、最近、発売された「婦人公論」(中央公論新社)2019年4月23日号掲載のインタビューで、妊娠や今後に控える出産、子育てについて語ったのだが、その内容は、個人的な思いだけでなく、さまざまな立場の女性を見渡す視点や社会への問題意識をもった、非常に理知的なものだった。


 まず、感心したのは、自分が妊娠している状況で、蒼井があえてこんな発言をしたことだ。


「前にある大臣が「子どもを産まないほうが問題」という発言をしましたね。少子化で大変なのはわかるけれど、国は人ひとりの産む・産まないという人生の大切な選択にもの申すというのはどうなのかな? 身体的・環境的な理由で産めない方もいます」


 蒼井の語る「子どもを産まないほうが問題」は、ご存知の通り、2019年2月3日に福岡県で行われた会合で出席した麻生太郎副総理兼財務相が語った「いかにも年寄りが悪いと言う変な野郎がいっぱいいるけど、間違っていますよ。子どもを産まなかったほうが問題なんだから」との暴言のことだ。


 蒼井の言う通り麻生財務相の発言は国民を愚弄した度し難いものだ。というのも、子どもが産めない環境をつくっているのは他ならぬ政治家だからだ。


●蒼井そらが「待機児童の問題が理由で出産を躊躇する方もいる」


 そもそもこの安倍政権下においては、不安定な雇用しか得られない人が増加の一途を辿っており、結果として労働者の賃金も伸びていない。また、長時間労働に晒されている人びとにとっては、とても子どもを産み、育てることを考えられるような状況にない。


 そうした貧困と格差が広がる状況にあって改善策を打ち出すどころか、社会保障費をガンガン削り、さらに生活を圧迫する消費税増税を進めようという麻生財務相こそ、少子化問題の“諸悪の根源”ではないか。にもかかわらず、麻生は、その問題を国民に責任転嫁し、個人の生きる姿勢にまで介入しようとしたのだ。


 蒼井が自分が妊娠している状況で、あらためてこの発言をもちだしたのは、それが、いまの安倍政権や日本社会の子育てへの姿勢の本質が表れているからだろう。


 さらに、蒼井は「婦人公論」のインタビューで、具体的に待機児童の問題にも踏み込んでいた。蒼井は自分自身の子育ての環境について、「私の場合は、夫はもちろん、両親、きょうだいみんなが、大なり小なり子育てに教育してくれるはず。しかも芸能界は会社員に比べ、多少はスケジュール調整もきく。そんな恵まれた環境だから、安心して双子を産めるんです」と語る一方で、そうではない人のためのサポートがこの社会には足りないと語る。


「待機児童の問題が理由で出産を躊躇する方もいると聞くと、尊い命を預かる責任の重い保育士さんの待遇をよくするために、もう少し国の予算をつけたら、働き手も増えるのでは? なんて。こんなことを思うようになったのも、子どもを授かったお陰かもしれないですね」


●児童教育無償化法案の一方で待機児童を放置、保育士の賃上げは3000円


 まさしく蒼井の言う通りだが、しかし、安倍政権の待機児童対策は、冒頭で指摘したようにまったく的外れなものだ。32万人分の保育の受け皿を整備するというが、保育士の受け皿の確保内容に認可保育園を増やすというより、企業主導型保育事業や認証保育所などの認可外保育施設に肩代わりさせる、というもの。一番問題なのは蒼井の言うように、保育士の対偶が劣悪で、なり手がいないことなのに、今回の対策で打ち出されるのは、わずか1%、月額3000円程度の賃上げにすぎない。これでは、保育士のなり手が増えるはずがないだろう。


 しかも、2016年3月には安倍首相は保育士についてこんなトンデモ答弁までしていた。


「菅官房長官の下で、時代の変化に対応した栄典の授与に関する有識者懇談会を開催しており、叙勲において、保育士や介護職員を積極的に評価していくことについても検討していきたい」(NHKニュースより)


 ようするに安倍首相は、待機児童問題の背景にある保育士などの“待遇改善”のかわりに、勲章などの栄典を授与することを検討していたというのだ。


 保育の現場に必要なのは、働きやすい環境づくりであり、労働に見合った報酬が得られるよう賃金を上げることだ。勲章ひとつで保育の現場の苦労が解決できるのだと思っているのなら、これほど国民を愚弄する話もない。


 そもそもこの国の庶民にとって、子どもを産み、育てることがどれほど大変なことなのか。安倍政権も自民党の議員も、理解しようとすらしていない。2018年に杉田水脈衆議院議員がつぶやいたこのツイートが、それを何よりも雄弁に物語る。


〈待機児童、待機児童っていうけど 世の中に『待機児童』なんて一人もいない。子どもはみんなお母さんといたいもの。保育所なんか待ってない。待機してるのは預けたい親でしょ〉


「保育園落ちた日本死ね!!!」の悲痛な叫びはこれからも響き続け、保守層が「子どもを産まないほうが問題」などと少子化の問題を国民のせいにしている間に、日本はどんどん子どもがいなくなってしまうのだろう。
(編集部)


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