「キタッ!」敵軍の藤井聡太竜王・名人も思わずニッコニコに!?関東B・中村太地八段、意表の振り飛車採用の瞬間/将棋・ABEMA地域対抗戦
2025年4月23日(水)7時30分 ABEMA TIMES

七冠王も思わずニッコニコになる瞬間がとらえられた。全国を8つのブロックに分け、エリア対抗の形式で行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦2025 inspired by 羽生善治」の決勝戦、関東B 対 中部が4月19日に放送された。居飛車党として知られる関東B・中村太地八段(36)だが、決勝戦の大勝負でまさかの振り飛車を採用。中部控室の藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)も思わず「キタッ!」と楽しそうに声を上げていた。
決勝戦ステージ1の第5局・大将戦を任された中村八段。居飛車党で鋭い攻めが持ち味として知られ、2017年度には王座のタイトルを獲得。順位戦A級に所属するトップ棋士だ。しかし、今期の地域対抗戦ではなかなか白星がつかめず苦戦。本局では中部の勝ち頭となった青嶋未来七段(30)との対戦となったが、「本局に向けて準備してきた。青嶋七段に振り飛車穴熊をさせないような作戦で行きたい」と気合十分の表情で対局場へと向かった。
注目の一戦は、青嶋七段が先手中飛車を採用。すると、中村八段は迷いのない手つきで飛車を振り、相振り飛車の戦いとなった。中村八段が温めていた作戦に、ファンは騒然。「振った」「あいふり!!!」「なんと!」「いいねえ」「これは珍しい」「ほほー」「露骨に対策してきたな」「面白いぞ」とコメントが殺到することとなった。

デビュー当時は振り飛車党で藤井システムを得意にしていたと話す中村八段だが、現在は完全に居飛車党とあり、驚いたのは棋士たちも同じ。中部の作戦会議では「相振りはしてこないでしょう」と口をそろえていただけに、その瞬間、藤井竜王・名人は「おー!キタッ!」楽しそうに声を上げ、豊島将之九段(34)も「うわ!きたっ!さっきは『(相振りは)ないですね』とか言ってしまった(笑)」と苦笑いを浮かべることとなった。
しかし、対戦相手の青嶋七段は想定の範囲内だったか、動じることなく冷静に対応。意表の作戦選択だったが、青嶋七段は端攻めから切り込むと中村八段の粘りを封じ込め、快勝を飾る結果となった。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)