「ピアノは両手で弾くもの」という偏見を砕く“左手のピアニスト”の音色

4月23日(火)17時0分 文春オンライン

 舘野泉さんは、演奏家として絶頂期にあった65歳のとき、脳溢血で倒れ、右半身に麻痺が残ったが、2年後に「左手のピアニスト」として復帰した。ご子息のヤンネ舘野さんがコンサートマスターを務める「ラ・テンペスタ室内管弦楽団」と共に5月25日東京ほか札幌や福島など5都市で日本フィンランド国交樹立100周年記念公演を開く。



舘野泉さん


 シベリウス、光永浩一郎氏などの曲が並ぶプログラムの中で一際目を引くのが『死体にまたがった男』という曲だ。


「フィンランドの作曲家・ノルドグレンが小泉八雲の怪談からインスピレーションを得て、左手の曲として僕のために書いてくれたものです」


 復帰後、初めてオーケストラと弾いたのもこの曲だそう。


「病気で弾けなかった時期に、『音楽はいつだって君のそばにある。いつでも聴くことはできるじゃないか』と慰めてくれる人がいました。しかし演奏家というのは、弾いて誰かに聴いてもらってこそ生きている実感を得られる。曲もまた、誰かに聴いてもらうことで大きく育っていきます。ですから、今回も聴衆の皆さまに耳を傾けてもらえれば」


 ホールに響く音色はきっと、「ピアノは両手で弾くもの」という偏見を砕くだろう。



INFORMATION


詳細はジャパン・アーツHPを

https://www.japanarts.co.jp/artist/IzumiTATENO




(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年4月25日号)

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