NGT事件の秋元康批判にホリエモンがイチャモン! 一方、NHK新潟は“秋元の指揮監督”がガバナンスの問題点と本質を指摘

4月23日(火)15時25分 LITERA

卒業を発表した山口真帆(公式Twitterより)

写真を拡大

 NGT48暴行事件は被害者の山口真帆が卒業するという、最悪のかたちになった。暴行事件を告発した被害者が厄介払いのようにグループを追われるというのはどう考えてもおかしい。


 当然、世論は猛反発。ワイドショーでもさすがにAKSおよびNGT48運営への批判が大きく報道されている。また、ネットで改めて指摘されているのが、AKB48グループの総合プロデューサーである秋元康氏の責任だ。秋元氏は、NGT48についても深く関与しているのに、今回の事件については一切コメントを出していない。そうした姿勢に対して「無責任」「謝罪すべき」という声がくすぶってきたが、それがここにきて再燃しているのだ。


 ところが、そんななか、ホリエモンこと堀江貴文氏が秋元批判を攻撃するこんなツイートを投稿した。


〈そもそも組織のトップは秋元さんじゃねーだろ笑。ちゃんとみろ。世間一般がそう思ってるだけだろ笑。それにおれは事実関係知らんし。興味ないから調べる気も起きないそれお前らの吊るし上げ願望だろ。要は功なり名を遂げた有名人を事実関係がどーなのかとかに関わらず人民裁判に掛けて無理やり貶めてニヤニヤしたいだけじゃん笑笑〉
〈吊るし上げられたほうは堪らんぜ。だけどお前らは週刊文春みたいなクソ週刊誌が発明した『有名税』なる空虚な概念を利用して『仕方ない』とか言うんだろ〉
〈だからお前単に秋元さんが困ってる顔して出てきたりするのを面白がって溜飲下げて、つまらないお前の人生に少しでも潤い与えたいんだろ。可哀想なやつだな〉


 影響力の高い人間や企業が「社会的責任」を負うのは当たり前なのに、金持ちや権力者への物言いをすべてルサンチマンとみなし、強者の権益を守るために批判を封じ込める。相変わらず公共性のかけらもない新自由主義丸出しの妄言だが、しかし、堀江氏ほどの暴論ではなくても、「AKSと秋元康は関係ない。だから謝罪する必要はない」といった意見を言う人は多い。


 だが、こうした意見は完全に間違っている。たしかに、秋元氏は現在AKSの役員でなく株も保有していない\。だが、それは自分に責任が及ばないよう名前を出していないだけで、秋元氏がAKBビジネスから巨額の利益を得て、AKBグループ最大の権力者、事実上の最高責任者として君臨している状況は今もまったく変わっていないのだ。


 実は、意外なメディアがそのことを指摘していた。NHK新潟放送局が4月9日にNGT問題を特集し、そのなかで、「組織のなかでの役割と責任の所在が明確になっていないというのが、AKSという組織の特徴」として、秋元康氏の問題に踏み込んだのだ。


 まず、アナウンサーが「NGT48だけでなくAKB48グループ全体の総合プロデューサーとしてみなさんが広く認知しているのが、秋元康さんですよね。でも秋元さんは今回のこの問題についてあまり公での発言が聞こえてきてませんよね、なぜなんでしょうか」と口火を切る。すると、解説役の記者がこう答えた。
 
「そうですね。記者会見で松村取締役は、NGTの運営はAKSが全権を握っているとしていて、秋元さんは音楽の提供や企画などクリエイティブな部分を担当していて、組織の運営にはタッチしていないと説明しています。しかし、松村取締役は、秋元氏が今回の問題についてたいへん憂慮しているとしたうえで、秋元氏からメンバーのケアをすることを考えなさいと叱責されたことを明らかにしているんです。
 ただですね、組織運営の権限がないとされる秋元氏が経営者を叱責するという事態は会社のガバナンスから見ても、こちらも問題があるんじゃないかと思います」


●NHK新潟が「秋元康氏から叱責うけた」発言とりあげガバナンスの問題を指摘


 そう、NHK新潟は1月14日に開かれたAKSの会見で、松村匠取締役が秋元氏に「叱責されました」と語ったことにこそ、ガバナンスの問題があると指摘したのだ。そして、この問題について「企業のガバナンスに詳しい専門家に話を聞いた」として、若槻良宏弁護士のこんなコメントVTRが放送された。


「記者会見をしている取締役を叱責する別の人物がいるっていうのは、それはガバナンスとして機能しているのかというところは疑問として残るんだろうと思います。本来であれば、監督を受ける立場というのは上司であったり代表取締役であるわけですけれども、そうではない方(秋元氏)から指揮・監督・命令を受けているとなると、まさにガバナンスが問われるんじゃないかと思うんですね。この会社はいったい誰が意思決定をしていて、誰が責任を負っている会社なのか、ということが不明瞭になるような発言だったんじゃないかと思うんですよね。あの発言があることによって、まわりが疑心暗鬼になりますよね」


 このコメントを受けて、アナウンサーが「なるほど。やはりちょっと専門家の観点から言ってもおかしいんではないかということですね」と念押し。記者が「やはり経営トップの吉成社長やグループをプロデュースしてきた秋元さんが前面に出て、どうガバナンス体制の見直しに取り組んでいくのか。それが問われているんだと思います」と締めた。


 つまり、NHK新潟は、秋元氏が「運営統括責任者」である松村AKS取締役を「叱責」できる明らかに“上の立場”であり、“事実上の最高責任者”であることを示唆。にもかかわらず、秋元氏の存在が隠され、表に出てこないことが、組織を歪にしている最大の原因だと指摘したのだ。


 まさに何から何まで、NHKの言う通りだろう。実際、秋元氏がNGTの“事実上の最高責任者”であることを「証明しているのは、NHKが例あげた松村取締役の「叱責」発言だけではない。そもそも、今回のトラブルの元凶と言われる今村悦朗・前NGT48劇場支配人や松村AKS取締役じたいが、秋元氏の息のかかった人物なのだ。


 今村氏はNGT48劇場の支配人となった際、〈秋元(康)さんとは25歳のときからの付き合いだから約30年〉(「週刊プレイボーイ」2015年3月30日号/集英社)と語っていたし、松村氏は元フジテレビ社員で、秋元氏が関わってきた『とんねるずのみなさんのおかげです』でAD、ディレクターを務めてきた。


●秋元康に暴行事件は報告されていた! そして、秋元のもう一つの責任


 さらに、秋元氏は今回の暴行事件についても、発生当初から報告を受けていた可能性が高い。それは、1月12日にニコニコ生放送で放送された『直撃!週刊文春ライブ』で公開された、一通のメールだ。これは山口真帆への暴行事件が起こった際に今村劇場支配人がメンバーに送ったとされるメールなのだが、そのなかでは、こんな一文も登場するのだ。


〈秋元さん、伸介さん、AKS、AKS弁護士への報告もしてあります。〉


 このメールが事実であれば、秋元氏は暴行事件の報告を受けながら、それを黙って見ていたことになる。いや、今村氏や松村氏との関係を考えれば、秋元氏が運営の対応を決めていた可能性だってあるだろう。


 しかも、メールに登場する「伸介さん」というのは、秋元氏の実弟であり、AKBグループのスキャンダル対策を率先しておこなってきた人物で、主に週刊誌やスポーツ紙を担当。カレンダーやパンフレット、公式本などといった“利権”を各出版社に分配することでメディアを手なづけてきたことで知られている。


 いずれにしても、これだけの関与、疑惑があって、「秋元さんは関係ない」なんてありえないだろう。秋元氏もまた、公の席で暴力事件の隠蔽について釈明し、謝罪する責任があるのは当たり前ではないか。


 また、秋元氏が本当にグループの運営にはノータッチだったとしても(メンバーの人事やスキャンダル対応まで口を出している以上、それはありえないが)、秋元氏には問われるべきもう一つの責任がある。それは「握手会ビジネス」を生み出したという責任だ。


 すでにメディアやネットでも指摘されているが、今回の暴行事件の根本には「握手会ビジネス」がある。AKB48グループのメンバーは、個別握手会の売上や総選挙の順位といった指標で常に激しい競争に晒されており、握手券を数十枚数百枚単位で買ってくれたり選挙で大量に投票してくれるファンを無下にできない状況がある。


 そういった過当競争を強いられることでメンバー間にも分断が起こる。私的交流を「営業」ツールとして使用し、握手券売上や選挙の順位を上げることをめぐっての分断だ。表向きのルール上は禁止されているにも関わらず実際は横行していたこれらの「営業」に関してメンバー間で諍いが起こり、それが暴行事件の背景となっているのはおそらく間違いのないところである。


 そして、メンバーに過酷な状況を強いるこの歪なシステムを生み出し、いまも、そのシステムによってCDを大量に売り、甘い汁を吸い続けているのが、他ならぬ秋元氏なのだ。少なくとも、この問題については、秋元氏に説明責任がある。


●AKSは批判しても秋元康を批判しない東京のテレビ局、スポーツ紙


 しかし、現実には秋元氏は一貫して「他人事」の姿勢を変えず、側近たちも必死になって秋元氏を守り、表に出さない。これはどう考えてもおかしいだろう。


 しかも、おかしいのはマスコミだ。秋元氏の責任を追及しているのは、ネット、そしてせいぜい先に紹介したNHK新潟や新潟日報など地元のメディアだけで、東京のテレビ局、スポーツ紙はNGT48暴行事件に関して秋元氏の責任を指摘しようとはしないし、「握手ビジネス」の問題について批判しようとはしない。


 たとえば、4月22日放送『スッキリ』(日本テレビ)でMCの加藤浩次は「昔は隠す、隠ぺいするってことが色んなところであったと思う。でも、いまの時代、組織を守るためには、嘘をつかないで全部言うことが組織を守ることなんだと、いまはもう変わってきていませんか」と発言し、AKSの隠ぺい体質を明確に批判した。しかし、これだけ明確にAKS批判に踏み込んだにも関わらず、加藤の口から秋元康の「あ」の字も出てこなかった。


 そして、こうしたマスコミによる秋元隠し、“トカゲの尻尾切り”状況を、冒頭で紹介したようなホリエモンに代表される「訳知りのふりをした秋元擁護論」が容認する。


 しかし、何度でも繰り返すが、NGTで発覚した問題は、秋元康が生み出したシステムに起因するものであり、AKSの隠蔽体質やガバナンス欠如の背景には、秋元康氏が事実上の最高責任者でありながら、責任を取らないという歪な組織構造がある。


 この問題を改善しない限り、ほかの48グループ、坂道シリーズでも同じようなことが起きるのは目に見えている。そういった悲劇を繰り返さないためにも、メディアは秋元氏の責任を追及するべきなのだ。
(編集部)


LITERA

「事件」をもっと詳しく

「事件」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ