国会前デモ、日当が出るならば暇人が一斉に群がるはず

4月23日(月)16時0分 NEWSポストセブン

4月14日に行われた国会前デモ(時事通信フォト)

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 都市伝説のようにネットの世界で流されているが、真偽が定かでない情報がある。そのうちのひとつに、「デモに参加すると○万円もらえる」がある。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、デモ日当問題について考察した。


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 警察発表で4000人が参加したという4月14日に行われた国会前デモだが、デモ嫌いの人々からは、「日当が出ている」と揶揄するネットの書き込みが多数見られた。まぁ、よくも根拠もないことを書き連ねられるものだ。募集要項から採用決定通知、領収書、通帳の振込み画面、日当配布所の受け渡しの様子写真などの証拠を併記しての揶揄ならばまだしも、憶測だけで書くのは愚の骨頂である。


 そもそも、デモ参加者が日当をもらっていたとしても、それはバッシングの良い材料になるのだろうか? そこがよく分からないのである。デモ参加者数は警察発表とはかけ離れた大幅水増しの「主催者発表」が出るのが常だが、「日当」に言及することで「こいつらは本気ではない」「カネを払わなくてはならないほど支持されていない」という批判をしたつもりになっているのだろう。


 だが、証拠を提示していないだけに、自発的に参加した大勢の人々から逆襲をくらって終わりだ。デモには組合等の組織が関与している場合もあるから、動員をかけられて交通費をもらう場合もあるだろうし、何らかの金銭的支援はあるかもしれない。それをもってしても「国会デモ参加者には日当が出ている」は針小棒大が過ぎる。


 デモや抗議活動への「日当」については、2013年の反差別デモで、とある参加者の男性が「最終地点まで行ったら3万円らしい」「日当がまだ振り込まれていない」などとツイッターに書いていた件が一つの発端だ。同デモ参加者に聞いたが、日当は出ていないとのことなので、当時デモに熱心だった差別主義者を「お前らと違ってオレらは資金潤沢だぞ、バーカバーカ」と揶揄する意図があったのかもしれない。


 あとは、沖縄・辺野古の基地工事反対派団体が現地の様子をレポートする人員に5万円を提示したことも左派活動の「日当」の根拠となった。沖縄への往復交通費、宿泊費用、レンタカー代を考えると5万円は「日当」と呼べるものではないのだが……。


 そもそも「デモに行けば日当がもらえる」が真実なのであれば、もっと大量に動員できるはずである。何しろソフトバンクがユーザーに対し、吉野家の牛丼無料券(380円相当)を配ったところ、大渋滞を巻き起こす自動車の行列ができるのだ。過去に5000円相当の0.1カラットのダイヤモンドを配るキャンペーンを銀座の宝石屋がやったところ、会社を休んでまで行列に並ぶ者も現れるなど、5000人の大行列が発生。あまりの人数で整理券配布&長時間待ちになると「誠意がねーんだよ」などと怒鳴る者も出た。


 ネットでは無料のもの情報やら、ネット通販で価格の誤表記(ジュース1ケースを1本の価格にしてしまうなど)があるとすぐさま情報が駆け巡るシステムがすでに存在し「乞食速報」と呼ばれている。


 この世にはさもしい連中がウジャウジャいるわけで、「国会前デモに行くだけで日当がもらえる」とした場合、暇人が一斉に群がり、時給1000円でも警察発表で数万人は参加したことだろう。


●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など。


※週刊ポスト2018年5月4・11日号

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