建築物の耐震診断結果、最も親切なリスク表示「Is値」とは

4月23日(月)16時0分 NEWSポストセブン

渋谷のシンボルも危険と指摘された

写真を拡大

 今年3月29に東京都が公表した大規模建築物の「耐震診断結果」は、多くの人々に衝撃を与えた。「震度6強以上で倒壊、崩壊する危険性が高い」と判断された建物に、有名な商業施設や大病院が多数含まれていたからだ。


 都が公表した「耐震診断結果」は、2013年施行の「改正耐震改修促進法」に基づくものだ。


 1981年6月1日に建築基準法が改正され、改正以前の建物は「旧耐震」、改正後の建物は「新耐震」として区別されている。このうち新耐震基準を満たす建物は「震度6強〜震度7の地震でも倒壊・崩壊しない」とされているが、旧耐震の建物については「震度5」までの安全性しか確認されていなかった。


 そのため2013年11月に耐震改修促進法が改正施行され、病院や商業ビル、学校などの大規模建築物に「震度6強〜震度7の地震に対する耐震診断の受診」と「行政への報告」が義務づけられることになった。東京都が公表したのは、その診断結果だ。


 診断に際し、最も多く用いられていたのが「Is値」という指標。東京都はIs値などの各種指標を元に、倒壊・崩壊の危険性がある建物を3段階に分類し、報告書に明示した。


「耐震性の診断方法にはさまざまな方法があり、どれが正しいのかという議論があるのは確かです。そのなかで最も一般的なのが『Is値』で、国交省の診断結果もこれを指標にしています。壁構造や柱の強度、経年変化も考慮した、バランスのとれた診断結果だからでしょう」(建築エコノミストの森山高至氏)


 国土交通省住宅局建築指導課によれば、「Is値は1968年の十勝沖地震や1978年の宮城県沖地震など、過去の大きな地震で被害を受けた建物の状況を調査し、柱や梁、断面がどの程度まで耐えられるかを指標にしたもの」だと説明する。


 Is値の数値が高いほど“頑丈”とされ、「0.6以上」なら倒壊・崩壊の「危険性が低い(III)」、「0.3〜0.6未満」は「危険性がある(II)」、「0.3未満」は「危険性が高い(I)」と判断される。


 東京都が公表した「倒壊・崩壊の危険性が高い(I)」建物には、渋谷のシンボルともいえるSHIBUYA109や六本木のロアビルなど、有名な建物が数多く含まれていた。


 この「耐震診断結果」は他の自治体も公表しているが、個別の建物が3段階のどれに該当するかは示していない。数値の羅列を見ても、一般の人には「その建物がどの程度危険なのか」を判断することは困難だ。


※週刊ポスト2018年5月4・11日号

NEWSポストセブン

「耐震」をもっと詳しく

「耐震」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ