河合優実 大九明子監督のオファーに「驚きと喜び」 NHK「かぞかぞ」名タッグ再び...映画「今日空」
2025年4月23日(水)8時2分 スポーツニッポン
女優の河合優実(24)が、4月25日公開の映画「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」でヒロインを演じる。お笑いコンビ「ジャルジャル」福徳秀介(41)による恋愛小説が原作で、メガホンをとった大九明子監督とはNHKドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」でタッグを組んだばかりだ。河合はスポニチアネックスの取材に応じ、大九作品に出演する喜びを語った。(中村 綾佳)
“コント王者”ジャルジャルの福徳が2020年に発表した小説家デビュー作を実写化。福徳の母校・関西大学を舞台に描いた学生の恋模様を、「勝手にふるえてろ」「私をくいとめて」の大九監督が自ら脚本を手掛けた。
当初は福徳が脚本を書く予定だったが、福徳自身が納得のいく脚本を書くことができず大九監督に白羽の矢が立った。中村直史プロデューサーは「監督はもともと演者として表舞台にいらっしゃった方でもあるので、芸人さんの書く本の世界観を分かってくれるのではないか」と依頼した意図を説明している。大九監督は、福徳のユニークかつ生々しい文体と後半の衝撃的な展開に「読んで最初の数行で福徳さんは“見えているもの”を書いているなと思いました。字コンテみたいな小説だなと思いました」と原作の印象を明かしていた。
そんな物語のヒロイン・桜田花には、NHK「かぞかぞ」でタッグを組んだ河合を起用した。大九監督は「『かぞかぞ』で河合さんとみっちり付き合うことができていたのはラッキーでした。彼女がどういう時にいちばん輝くかということを知っていたので、私としてはとてもやりやすかったですね」と再タッグを歓迎している。
この言葉を聞いた河合は「ドラマのときに“映画でもいつかご一緒したいです”と伝えていたので、本当にお声かけしてくださった!という驚きと喜びがありました。大九さんの映画に迎えていただけたということが本当にうれしいです」と喜びいっぱいに語った。
河合は大九監督の作品づくりについて「現場では聞けば何でも答えてくれますが、基本的には“一度あなたの理解でやってみてください”とこちらに任せてくださります」と明かす。より深く表現するために、作品のテーマについて大九監督にじっくり話す時間を設けてもらったこともあるといい「今作は『かぞかぞ』と同じでヒロインの父が亡くなっていて、そこからくる孤独感のようなものが、やはり人としての根底にあると思うんです。今作では詳しくは語られていないけど、育ってきた環境には想像できる余地がある。その点については大九さんの中でも両作に共通するテーマだったそうです」と告白。「かぞかぞ」で築いた信頼関係が、同作に良い影響をもたらしている。
今作のオファーを受け、まず脚本を読んでから原作小説を読んだという河合。そこで、大九監督の表現の奥深さに改めて感銘を受けた。
「脚本を読んで、とても大九さんらしい映画だなと思ったんです。どれくらい原作から変わってるんだろう、どんな変換をしたんだろうと思い原作を読むと、予想よりも原作の世界観がそのまま脚本に反映されていることに驚きました。福徳さんの色をすくい取り、そのエッセンスを骨とした上でしっかり大九さんの作品になっていたんです」
個性的かつリアリティあふれる女性を描くことに定評のある大九監督が生み出す表現と、河合の高い演技力が再び出会った至極の一作をお見逃しなく。