死後2年たって届いた朗報 「伊藤計劃」米SF特別賞に惜しむ声多数

4月24日(日)19時19分 J-CASTニュース

   2009年にがんで亡くなったSF作家、伊藤計劃(けいかく)さん(享年34歳)の「ハーモニー」が、2011年4月22日、アメリカのSF賞「フィリップ・K・ディック賞」で次点に当たる特別賞を受賞した。米国の著名なSF賞を日本のSF小説が受賞するのは初めてだといい、大きな話題となっている。



   伊藤さんは武蔵野美術大学卒業後、ウェブディレクターとして働きながら執筆活動を行い、小松左京賞最終候補となった「虐殺器官」で07年にデビュー。09年3月に肺がんで亡くなるまでの2年ほどで長編3作ほかを発表した。


米国でも高評価「最高のディストピア小説」

   精緻な論理とハードなストーリーが特徴で、テロや内戦、情報管理社会など現代世界も抱える問題を、近未来を舞台に描いた。


   受賞作「ハーモニー」も医療技術の進歩で病のなくなったユートピア的未来の悪夢を描いた作品だ。08年に刊行され、伊藤さんの死後、09年12月に日本SF大賞を受賞。翌10年に米国で英訳版が発売された。


   フィリップ・K・ディック賞は、前年に米国内で発売されたペーパーバックのSF作品を対象にした賞。「WEB本の雑誌」に掲載された評論家、大森望さんの記事によると、英訳された日本のSF小説が米国で大きなSF賞を受賞するのは恐らく今回が初だという。「ハーモニー」は受賞前から米国で高評価だったようで、米国アマゾンのレビューでは星5つがほとんどだ。「これまで自分が読んできたディストピア小説の中で最高の一つ」「もっと多くの人に読まれるべき!」といった感想が書き込まれていた。


ブログに改めて追悼コメント

   日本のネットでも大きな話題となっており、「出来れば生前に授与して欲しかった」「次席でもすごい」「つくづく惜しい人をなくしました」といった反応が寄せられた。09年1月で更新が止まった伊藤さんのブログにも「こうやってあなたが評価されることはファンの一人としてすごく嬉しく感じています」というコメントが書き込まれている。


   受賞が大きく報じられたためか「ハーモニー」は24日18時現在アマゾンの「文芸・評論」部門で6位。書籍全体のランキングでも33位に入っている。

J-CASTニュース

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