小児性愛者を見分ける境界線 目で追う、性別で区別するなど

4月24日(月)7時0分 NEWSポストセブン

小児性愛者のサインとは?

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 千葉・松戸市で起きた小3女児殺害事件。ベトナム国籍のレェ・ティ・ニャット・リンちゃん(享年9)は姿を消した2日後、自宅から10km以上離れた我孫子市内の用水路脇で、変わり果てた姿で発見された。死体遺棄で逮捕されたのは、澁谷恭正容疑者(46才)。リンちゃんと同じ学校に2人の子供を通わせる父親であり、保護者会の会長を務めていた人物である。


 2014年に神戸市長田区で起きた6才女児殺害事件の犯人は離婚歴のある生活保護受給者。2005年に広島県安芸市で7才の女児を殺害し段ボールに詰めた男は定職につかない単身者。過去に子供が犠牲者となった凄惨な事件の容疑者には、常に閉塞感や孤独がついてまわった。


 だが澁谷容疑者は、「子供たちがまっすぐ育つように」と地域で積極的に活動する保護者会会長であり、子煩悩で教育熱心な2児の父。率先して通学路に立ち、毎朝登校する子供たちに挨拶を欠かさない、今までの女児相手の性犯罪者のイメージとは似ても似つかない人物だった。


 しかし実際、教育熱心に見えて子供の近くにいる大人が起こすわいせつ事件は後を絶たない。文部科学省の発表(2015年度)によれば、わいせつ行為やセクハラによって懲戒処分などを受けた教員の数は前年比19人増の224人で、過去最高を更新した。被害者のうち5.4%は自校の児童、35.3%は自校の生徒、3.6%は自校の卒業生。助けてくれるはずの教師からわいせつ行為を受けていたことになる。


 今年に入ってからも、1月に教室で7才の教え子の女児の胸を触った小学校教諭(36才)が起訴され、4月には教室内で教え子の女児の服を脱がせてビデオで撮影した小学校教諭(29才)が逮捕されるなど相次いでいる。


 そんな現実に「子供に優しく教育熱心な大人」に、声を大にしては言えないけれど、違和感を抱いてしまう母親は少なからずいる。


「子供たちを公園で遊ばせている時に、挨拶だけじゃなくて親しげに話しかけてきたり、たまに一緒に遊んでくれる中年男性がいますが、ありがたい半面、ちょっと警戒してしまいます」(30代・2児の母)


 相手が教師や保育士、スポーツクラブのコーチといった立場にある人でも、男性であればやはり気になってしまうと悩む母親もいる。


「娘の保育園の保育士さんはすごく面倒見がよくて、“子供好きなんだろうなぁ”と思うような男性です。でも、おねしょした時にすぐに飛んできて、着替えさせてくれたと聞いて、“大丈夫かな”と思ってしまった」(20代・1児の母)


 もちろんそのほとんどが杞憂であり、子供のことを思って行動している大人がほとんどだ。


 ただ、リンちゃんの事件では親切な大人の中に“羊の皮をかぶった狼”が紛れ込んでいないとは限らないと痛感させられた。では、子供好きな人の中に潜む、澁谷容疑者のような小児性愛者を見分ける境界線はどこなのか。


 犯罪心理学者の長谷川博一氏は、こう解説する。



「かかわろうとする子供たちを“区別するかどうか”は大きな判断基準。例えば、女の子たちばかりに声をかけているならば警戒しましょう。本来の子供好きならば性別の分け隔てなく接するはずです」


 澁谷容疑者にも、「女児には優しく話しかけるのに、男児には厳しかった」などの証言があった。


 ゆうメンタルクリニック総院長のゆうきゆう氏が言う。


「とくに男性の場合、興味があるものを無意識に目で追いやすいという特徴があります。


 例えば子供が通るたびに視線を送る、子供の声につい振り返るなど、わかりやすい行動もあります。関心のある対象が目につきやすいのは誰でもそうですが、性的欲求が刺激される対象の場合は関心の度合が違ってくるんです」


 スキンシップの取り方も違う。


「子供の頭をポンポンとなでるのは珍しくありませんが、小児性愛者の場合、頭をなでる時に髪の毛を指に絡ませることがあります。


 また、子供のズボンのホコリを払うときでも、普通はサッとはたくだけなのが、なでたりさすったりするなど、疑問に感じるようなスキンシップが見られることも。変だと思ったら、自分の夫に“男性から見てどう思うか”を聞いてみるのも手です」(前出・ゆうき氏)


 精神科医の片田珠美氏は「1対1になりたがる人も注意が必要」と話す。


「容疑者も、“家でプールをやるから”と子供たちを呼んでいたという報道がありましたが、そのように好みの子を家に呼んで2人きりになろうとするケースもあります」


 今回の事件で、“見守り”をしてきた側も不安を抱えることになった。4月16日の保護者説明会に出席していた男性保護者が打ち明ける。


「毎朝“おはよう”と言葉を交わしていた子供たちから、“第二の澁谷”みたいに思われてしまうのではないかって…」


 すべての子供好きを疑うべきではないにせよ、こういう事件が起こってしまったならば、大人の側も、子供たちやその親を不安にさせるような言動には注意を払うべきだろう。


「疑惑の目を持たれないためには男親の場合、必ず自分の子供もしくは妻など第三者を同席させること。何らかの事情で2人きりになるなら、誰かにそのことを一言告げるといった、オープンな連絡を心がけましょう」(前出・ゆうき氏)


 ベトナムからやってきた未来ある少女の命が奪われた事件は、全国の父母だけでなく、“優しい隣人”たちにも暗い影を落としている。


※女性セブン2017年5月4日号

NEWSポストセブン

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