甦った森喜朗氏 小池都知事と五輪めぐって「首都決戦」

4月24日(月)7時0分 NEWSポストセブン

現在79歳の森喜朗氏(写真:時事通信フォト)

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「エッ、なぜここに!」──4月18日夜、東京・赤坂の料亭で会合を持った安倍晋三・首相の“出待ち”をしていた政治部記者たちは、予期せぬ人物の出現に驚きの声を上げた。安倍首相が迎えの車に乗り込んだ後、同じ店から小池百合子・東京都知事が出てきたのだ。


「総理と同席したのか」という記者の質問に対して、小池氏は「違うんです。偶然です」とだけ答えて車に乗り込んだ。


 安倍首相は財界人との会食、小池氏は小泉純一郎・元首相、二階俊博・自民党幹事長らと別の会合に参加したが、出席者の話から店内で2人の即席の会談が行なわれたことが判明した。


 その前日にも、2人は銀座に完成した大型商業施設「GINZA SIX」のオープニングセレモニーで顔を合わせ、安倍首相が小池氏に、「『銀座の恋の物語』を一緒に歌ってもいい。東京五輪は小池知事ともしっかりと協力をしていきたい。本当にそう思っております」と、熱いラブコールを送ったばかりだ。


 7月の東京都議選では小池新党と自民党が激突する。そんな中、2夜連続の小池&安倍の“デュエット”は何を意味しているのか。


 都政記者は「ここにきて小池知事と東京五輪組織委員会会長の森喜朗・元首相との確執が再燃し、さらに激化しようとしている。小池さんは安倍首相に森さんへの対応を相談したのではないか」と見る。


 折しも、現在79歳の森氏は五輪招致の苦労話を綴った『遺書 東京五輪への覚悟』を出版。それに合わせて登場した産経新聞のインタビュー(4月16日付)で、肺がんで余命幾ばくもないと宣告され、「遺言」のつもりで書いたと明かしている。


〈医者からも「もうあきらめて下さい」と言われてたんですよ。昨年2月頃は髪も抜けてユル・ブリンナーそのものですよ。酸素ボンベがないと3歩歩くだけでハアハアと息が続かない。(中略)「遺言」のつもりで書いた手記だけど、昨年2月に新薬を投与したら体調が回復してね。まだ死なないのに「遺言」はどうかなと思って「遺書」に変えたんです〉


 肺がんを克服し、文字通り“死地”から甦った森氏は、改めて小池氏との対決姿勢を鮮明にする。


 産経のインタビューでも、〈普通は「都に代わって、ここまでやって下さってありがとうございます」と言うのが礼儀だろうけど、一言もありません〉と小池氏を“礼儀知らず”と批判した。小池氏が森氏からの宣戦布告だと受け取ったとしても、無理はない言い方だ。


 森氏とともに招致活動に関わった東京五輪招致委員会関係者はこう見る。


「本のタイトルである『遺書』からは五輪招致に賭けてきた森さんの怨念が感じられて興味深い。そもそも東京五輪の招致活動は森さんが盟友の石原慎太郎・都知事に『慎ちゃん、やろうよ』と持ちかけてスタートした。


 2016年大会の招致で敗れ、石原氏が知事を辞めた後も、森さんは自らロシアのプーチン大統領やキューバのカストロ議長などに働きかけて票集めに奔走した。招致成功が森さんを抜きに語れないのは事実です。


 それなのに、森さんの苦労も実績も国民に全く評価されないばかりか、後から出てきた小池知事が脚光を浴びて五輪の栄誉をかっさらおうとしている。性格からいって、森さんはそれを我慢できる人ではない。病から復活した以上、これからの小池知事の五輪準備は一筋縄ではいかないでしょう」


 首都決戦の火蓋が切って落とされた。


※週刊ポスト2017年5月5・12日号

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