【インタビュー】アラン・メンケン 盟友の死を乗り越え『美女と野獣』アニメーションから実写へ

4月25日(火)20時0分 シネマカフェ

アラン・メンケン/『美女と野獣』(C)Getty Images

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ディズニー映画『リトル・マーメイド』『美女と野獣』『アラジン』『ポカホンタス』でアカデミー賞の歌曲賞と作曲賞に輝き、これまでに計8回のオスカー受賞(ノミネート数は19!)を誇るアラン・メンケン。彼が初めて東京を訪れたのはいまから約27年前、『リトル・マーメイド』のプロモーションだった。その後、作曲を担当した映画の公開、DVDリリース、ミュージカル上演などのタイミングで何度も日本へ。「今回は滞在時間が短くて行けないけれど、箱根の旅館・強羅花壇はとても美しくて、違う時代に連れていってくれる好きな場所です」と、お気に入りのスポットもある。そして今回の来日は、1991年のアニメーションを完全実写化した『美女と野獣』を語るためだ。26年にわたり愛されて続けている『美女と野獣』の名曲の数々、実写版のために新たに書き下ろされた新曲について聞いた。

アニメーション版に登場したすべてのミュージカルナンバーが実写版に使われているだけでなく、新たな3曲「デイズ・イン・ザ・サン〜日差しをあびて〜」「ひそかな夢」「時は永遠に」が追加されている。

「ディズニー・スタジオから実写版の『美女と野獣』を作りたいという話を受けてからビル・コンドン監督に決まるまで数年かかりましたが、ビルに決まって、彼がどういうふうにこの作品を広げていきたいのか──何を加えられるのか、新しい何かを見いだす、探しだしていく作業でした。今回は18世紀のフランスの雰囲気や音楽性をより濃密に出していこうと話し合いました。たとえば、『時は永遠に』はベルの誕生した場所や母親との思い出を歌ったオルゴールの曲で、通り過ぎていく瞬間(時間)を私たちはどうやって自分のなかに留めておけるのかを歌っています」。エンドロールではその曲をセリーヌ・ディオンが歌いあげる。


数多くの映画音楽を手掛けているアラン・メンケン。1991年の『美女と野獣』はアニメーション映画として初めてアカデミー作品賞にノミネート。さらに「朝の風景」「ひとりぼっちの晩餐会」「美女と野獣」の3曲が歌曲賞にノミネートされ、みごと「美女と野獣」が受賞。当時のことを「鮮明に覚えている」と懐かしい表情でふり返る。

「初めてアカデミー賞にノミネーションされたアニメーション作品で、しかも3曲もノミネートされましたから、それはもうよく覚えています。また、ずっと一緒に仕事をしてきた作詞家ハワード・アッシュマンが亡くなって…彼を失った悲しみに暮れた時期でもありました。いろいろな気持ちが混じり合ったアカデミー賞でしたね…」。

1991年3月、映画の完成と公開を待たずしてハワード・アッシュマンは病に倒れ、40年の短い生涯を閉じた。そもそもメンケンとアッシュマンはどんなふうに出会ったのだろうか。

「ディズニーから声をかけてもらって『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』をハワードと一緒に作ったことがきっかけです。その制作陣のなかに(プロデューサーの)デヴィッド・ゲフィンが名前を連ねていました。彼は、当時ディズニーの新体制を率いていたマイケル・アイズナーとジェフリー・カッツェンバーグと非常に近い関係にあって、ウォルト・ディズニーの甥ロイ(・E・ディズニー)もアニメーションの再生をものすごく願っていた。そんなタイミングで、私はデヴィッドの紹介でディズニーとハワードと仕事をするようになったのです」。

ハワード・アッシュマンの後を継いだのが、『ジーザス・クライスト=スーパースター』『エビータ』で知られる作詞家ティム・ライスだ。ディズニー作品では『アラジン』と『ライオン・キング』でアカデミー賞(歌曲賞)を受賞、今回の実写版の新曲でメンケンとライスがタッグを組んでいる。

「曲を作るとき、ハワードともティムとも両方に言えることですが、彼らと一緒に作っていくのが好きです。もちろん作詞家は事前に作詞をして臨みますが、(その歌詞に合わせながら)曲作りは同じ空間で作っていきます。プロジェクトごとに思うのは、そのプロジェクトのために作った曲が作品にぴたりとハマり、さらに観客が感情移入をして、その曲を好きになってくれたら…それ以上嬉しいことはないですね」と語る。


なぜ、世界中の人がディズニー作品に魅了されるのか──長年、ディズニー作品にたずさわってきたメンケンは「関わっている人すべてがディズニーを愛していること」だと言う。

「ディズニーで仕事をしているスタッフは心からディズニーを愛しています。会社が素晴らしいということは人が素晴らしいということ。働く人たちそれぞれの才能を引き出していることも凄い。そして、ディズニー映画は唯一安全な場所(世界)でもあって、それも素晴らしいと思います」。最後に『美女と野獣』のお気に入りのキャラクターを尋ねてみると「やっぱり…野獣です。彼はいちばん成長を見せるキャラクターですからね」と微笑む。実写版のために新たに追加された、野獣(ダン・スティーヴンス)の歌うバラード「ひそかな夢」もまた名曲。これからずっと愛され続けるナンバーになるだろう。

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