河西邦剛弁護士 フジ再建のキーパーソン挙げる「いわゆるパイプ役として、スムーズに」
2025年4月25日(金)19時12分 スポーツニッポン
芸能関係の法律に詳しいレイ法律事務所の河西邦剛弁護士が25日、TBS「ひるおび」(月〜金曜前10・25)に生出演し、元タレント中居正広氏(52)の女性トラブルなどの対応が問題視されたフジテレビが、6月に開く株主総会への見通しを語った。
第三者委員会の調査報告書が公表されるのを前に、フジは企業体質の醸成に影響力があったとされる日枝久取締役相談役の退任など、経営陣の顔ぶれを一新。一方で、フジ・メディア・ホールディングス(HD)の株主でもある米投資ファンドのダルトン・インベストメンツは、金融大手SBIホールディングスの北尾吉孝代表取締役会長兼社長ら12人の名を挙げたほか、取締役全員を社外から登用するよう求めている。フジは24日、ダルトン側からの要望を受けてから初めて、取締役会を開催した。
一見、フジ側の方針とダルトンの思惑が対立しているような構図だが、河西氏は「対立することについてお互いのメリットがない」とした。「“フジ側のA案、ダルトン側のB案でバトりましょう”という話ではなく、双方ともに最終的にA+Bの1案でいくと。これでいけばスムーズに株主総会を通過できるので、全員にとって理想的なところかと思います」。お互いの案をすり合わせ、折衷案でまとめていくのではないかと、自身の見解を示した。
“物言う株主”として知られるダルトン。河西氏は「ダルトンとしては目的としては、一言で言えばもうけたいわけです。そのためにスポンサーに帰ってきてもらいたいというのがある」と、そのシンプルな目的を説明した。また「フジ側としてもスポンサーに帰ってきてもらうために、たとえば社外の経営者を入れていく必要性がある」とし、「一致するところがある」と述べた。
北尾氏は17日に会見を開き、「情報収集した中では清水さんは残しておいた方がいいと思っています」と、自身の考えを口にした。河西氏はその後の質疑応答で、北尾氏が清水氏について「残すべき」と、やや強めなニュアンスに言い改めていると指摘。「ダルトン側の今の役員リストというのは、全員社外になってくる。そうなってくると、現状のフジテレビの経営をやっていく中で、橋渡しになる人がいなくなる。スムーズにテレビの事業がうまくいかなくなってしまう」と、想定しうる問題点を挙げた。
河西氏によると、そのためのキーパーソンが清水氏だという。清水氏がアニメ制作に関わることが長かったため、ドラマやバラエティー畑ほど芸能事務所との関わりがなかったことも理由。また「清水氏をいわゆるパイプ役として、スムーズに運営していく。ざっくり言うと、北尾氏—清水体制というプランで、周りを社外取締役でガンガン固めて、ガバナンスを利かせて、スポンサーに帰ってきてもらうというプランを考えているのではないか」と推測した。