柵木四段 プロ2年でフリークラス卒業 名古屋大から初の順位戦へ 直近30局の勝率65%を満たす

2025年4月25日(金)22時18分 スポーツニッポン

 将棋の柵木幹太四段(27)が25日、第38期竜王戦6組昇級者決定戦で南芳一九段(61)と対局し、91手で勝利した。直近30局の成績が20勝10敗となり、フリークラスから順位戦C級2組への昇級条件「良い所取りで、30局以上の勝率が65%以上」を満たした。奨励会を起点にフリークラスからC級2組へ昇級した棋士は2021年9月の古賀悠聖六段(24)以来3年7カ月ぶりだった。

 「途中から自信がなかったのでホッとした。1回目で決めきれなかったが結果が出たのはよかった」

 先月30日にも同じチャンスがあった。棋王戦予選の船江恒平七段戦で、勝てば直近26勝14敗となりちょうど勝率65%。131手で敗れたが、続くALSOK杯第75期王将戦1次予選(スポニチ特別協力)でA級棋士の糸谷哲郎八段(36)に勝利し、再び王手をかけていた。

 くしくも2日前の23日には師匠の増田裕司七段(54)の引退が決まった。同じ6組の昇級者決定戦で敗退後、柵木について「棋士になって5年くらいで骨格が決まってくると思うので、満足することなく伸び続けてほしい」と語った。その言葉はまさに四段昇段後、柵木に掛けられた内容だったそうで、「“2、3年が勝負だ”と。そろそろ(フリークラス脱出を)決めないとまずいなと思っていた」と柵木も発奮材料とした。

 今年1月、存在感を発揮した対局があった。棋士編入試験5番勝負に臨んだ西山朋佳女流3冠(29)の第5局で試験官を務めた。2勝2敗で迎え、西山が勝てば女性初の棋士だったが柵木が勝利。歴史的足跡の壁となり、「第5局へ向けて生活を改めた。終わった後も、いい感じで将棋に取り組めている」と手応えを語った。

 23年3月まで半年間行われた第72回三段リーグで2度目の3位、つまり次点を獲得してフリークラスで四段昇段。そして今回、2年がかりで藤井聡太名人(22)=王将など7冠=への挑戦権を争う、計5階級からなる順位戦への参加資格を得た。大学院工学研究科まで進んだ、名古屋大出身初の棋士が新たな一歩を踏み出した。

スポーツニッポン

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